ティーンズのページ
2018年7月~12月
2018年に紹介した本からベスト11を選びました!
図書館員がおすすめする本2018ベスト11
12月
如月かずさ 著 | |
光村図書出版 | |
父親が経営する会社の突然の倒産で、都心のお嬢様学校から公立中学への転校を余儀なくされた美貴は、自分の境遇を受け入れきれずにいました。そんな頑なな美貴の心をとかしてくれたのは、新しいクラスメイトによる心のこもったスペシャルメニューでした。給食をキーワードに、6人の中学生の揺れる心を描いた短編集です。 |
村上世彰 著 | |
幻冬舎 | |
日本の学校では少しずつ取り入れられているものの、諸外国から見るとまだまだ遅れている金銭教育。投資家である著者は各所で「お金に関する授業」を行っています。この本はその授業の中から本当に伝えたい話をまとめたものです。お金に対するイメージ、使い方や社会の流れを考えるきっかけになる本です。 |
上野正彦 著 | |
河出書房新社 | |
2万体の遺体を検死・解剖してきた監察医の著者が、自身の経験を通してどう生きたらよいのかを若者に伝えます。監察医として出会った死のエピソードをつづりながら命の大切さや一生懸命に生きることの尊さを語っています。 |
11月
エイミ・ポロンスキー 著 | |
学研プラス | |
伯父さんの家族と暮らしている12歳の“男の子”グレイソン。“彼”は自分が、本当は女の子の姿をしていると想像して日々を過ごしています。でもそれは、友達はおろか家族にさえにも言えないこと。そんなある日、校内で上演する『ペルセポネの物語』のオーディションがあることを知ります。「女神のペルセポネをやりたい!」グレイソンは揺れ動く繊細な気持ちを、力強く未来に向かう力に変えていきます。 |
中井由梨子 作 | |
小学館 | |
船橋市立船橋高等学校の応援歌『市船ソウル』を作曲した浅野大義さんは、20歳の若さで亡くなりました。告別式では、高校時代の吹奏楽部の仲間164人が彼のために集まり音楽で見送りました。部活動に明け暮れた高校時代、大学2年で癌が見つかり、何度も手術を繰り返す苦しみ、大切な家族そして恋人を思う切ない気持ち。彼が一生懸命に生きた20年の軌跡です。 |
山田明 著 | |
学研プラス | |
アニメなどで無個性な群集を表す言葉“モブキャラ”。桜花中学陸上部の6人はそれをもじって「モ部」と呼ばれています。いつもゆるーい感じで練習していましたが、専門の陸上競技でサッカー部に惨敗し練習場所を奪われてしまいます。そんなある日、ユーチューブをきっかけに本気で練習に取り組むことに目覚めます。そして、練習場を取り戻すため、力を合わせてサッカー部との再試合に挑みます。 |
10月
ルイス・サッカー 作 | |
小学館 | |
時には憂うつなこともある毎日の学校生活が、ある日の出来事から、突然思いもよらない恐怖の体験に変わっていく……。エネルギーとして使用可能な微生物を人工的に創り出す研究が、主人公のタマヤが通う学校にほど近い、立入禁止の森にある農場で行われていたのです。バイオテクノロジーが生んだ微生物の棲家“泥”に立ち向かい、人類を滅亡の危機から救うタマヤの物語です。 |
虹山つるみ 作 | |
ポプラ社 | |
優秀な兄と比べられる劣等感。家庭にも学校にも居場所がないと感じる翔(かける)はサッカーと決別し、中学でバレー部に入ります。しかし先輩からのいじめがきっかけで、不登校に。そんな時、翔は、小さくて軽いプラスチックボールを足で華麗に操る小学生レンに出会います。そして、そのスポーツは“セパタクロー”でした。 |
にしがきようこ 作 | |
小学館 | |
人生4度目の転校で、気を遣いくたくたになっている中学生の雄太は、夏休みにおじさんの別荘へ誘われます。爽やかな高原でゲーム三昧の優雅な毎日を過ごすつもりでしたが、おじさんについて行くと、5時間のきつい山登りをする羽目に。そのうえ、ようやくたどり着いた“別荘”とは、電気も通っていない山の避難小屋だったのです。雄太の夏休みはどうなってしまうのでしょうか。 |
岩瀬成子 著 | |
偕成社 | |
鈴は12歳、弟の圭は8歳。4年前の両親の離婚で別々に暮らしていた二人は、母の急死で再び一緒に暮らすことになります。戻って来た圭は、家族でありながらどこか遠慮した様子があり、鈴も“圭のお姉さん”になりきれていない思いを抱えます。そんな中、鈴は、圭がこの町の地図にかつての思い出の場所の印を書き込んでいることに気づきます。ぎこちないながらも、お互いに距離を縮めようと手探りで暮らす家族の2ヶ月間の物語です |
9月
松原耕二 著 | |
筑摩書房 | |
私たちのまわりには膨大な量の情報があふれています。従来のメディアに比べ、今や最も手軽で馴染み深いものはインターネットかもしれません。不確かな情報が溢れている現代、どうすれば真実をみきわめる事ができるのでしょうか。大切なのは「なぜそんなことになるんだろう」と問いかけながら、何が本質かを考えること。長年、報道にたずさわってきた著者が、情報の森の歩き方のヒントを紹介します。 |
こまつあやこ 著 | |
講談社 | |
タイトルはマレーシア語で「五・七・五・七・七」、そう、短歌です。マレーシアからの帰国子女の沙弥は、延滞本を取り締まる“督促女王”佐藤莉々子に呼び出され、吟行に出かけることに。沙弥は、マレーシア語混じりで短歌を詠んでみると、すっかりはまり、督促女王とも急速に近しくなっていきます。幼なじみの藤枝港への想いや、マレーシアの文化も絡めて展開していくストーリーは一気に読み進められます。 |
松本零士 著 | |
PHP研究所 | |
著者は有名な漫画家です。18歳の時、夢と不安を抱いて九州の小倉から夜行列車に乗って上京しました。星空の広がる車窓を眺めているうちに自分を励ます美女のまぼろしを見ます。この不思議な体験こそが後に名作「銀河鉄道999」を生み出しました。様々な困難や失敗と感動を経験した著者からの「すべての体験は無駄にはならない。」というメッセージには悩める若者たちへの励ましが込められています。 |
8月
田丸雅智 著 廣嶋玲子 著 吉野万里子 著 楠木誠一郎 著 河合二湖 著 恒川光太郎 著 戸森しるこ 著 | |
静山社 | |
織姫と彦星のその後を思わせるような話、七夕の夜から星々が席替えをするかのように動きまわる話、七夕にちなんだ淡い恋の話など「ねがい」に関する話が7名の作家により書かれています。 |
梶裕貴 著 | |
河出書房新社 | |
アニメ『進撃の巨人』のエレン役、『マギ』のアリババ役ほか、ナレーターとしても有名な声優、梶裕貴さん。中学2年生の時に「声優とは、なにごとも全力で頑張ったことが、すべて自分の力になる職業」という言葉に出会い、声優を目指します。その頃は、声優になるための情報があまりない時代でした。梶さんは声優になるために、どの様に力を身に付けていったのでしょうか。きっと皆さんに勇気と希望を与えてくれることでしょう。 |
エミール・ゾラ 作 平岡敦 訳 ヨシタケシンスケ 絵 | |
理論社 | |
エミール・ゾラは、19世紀後半のフランス文学を代表する作家です。本書は悲劇・喜劇・ホラーなど、バラエティにとんだ7つの短編が収録されています。「広告の犠牲者」では、広告に書かれていることのみを信じ、悲劇的な最期をとげる男の話です。インターネットの情報のみを信じてしまうことが多い現代人の姿に通じるものがあります。いずれの作品も100年以上前に書かれたとは思えない作品ばかりです。 |
7月
河野哲也〔ほか〕 著 | |
毎日新聞出版 | |
「どうして朝は来るの?」や「なぜ成績をつけるの?」など、この世界にはよく考えてみると不思議なことがたくさんあります。この本には、そのような疑問を解決するためのヒントが詰まっています。「哲学」というと難しく感じるかもしれませんが、身の回りの色々なことについて考えてみませんか。この本は『毎日小学生新聞』掲載の「てつがくカフェ」の内容に、加筆修正したものです。 |
中山聖子 著 | |
PHP研究所 | |
中学2年生のトーコは、自分に自信がもてないでいる女の子。トーコのママは半年前の9月、病気で亡くなりました。病室のママから、「トーコに見せたい景色があるの。病気が治ったら一緒に行こうよ。5月がいいの」と言われていたけれど、ママが見せたがっていた景色はどこだったのでしょうか。家族、親子のお互いを思う心を感じることのできる、素敵な物語です。 |
ケルスティン・ギア 著 遠山明子 訳 | |
東京創元社 | |
母親の恋人家族と暮らすことになって転校をしたリヴは、不思議な夢を見るようになります。緑色の扉を開けると長い廊下。そこにはたくさんの扉があり、その一つ一つが、周りの人達の夢の世界なのです。他人の夢を覗き見したことで、夢と現実がつながるようになり、命をねらわれそうになるリヴ。ハラハラ・ワクワク・キュンキュンのこのお話はファンタジー三部作で、このあと第二、第三部へと続きます。 |