こどもページ
おもしろい本みつけた34
はじめに
このブックリストは、2015年の1月から12月までに発行された新刊図書の中から、おすすめの本を世田谷区立図書館子どもサービス推進部会で検討して選んだものです。
えほん
くすのきしげのり さく 岡田千晶 え | |
佼成出版社 | |
わたしが「おかあしゃん」っていうと、おかあしゃんは「 はぁい」ってこたえてくれるの。 たのしいときも、すこしこわいときも、 あさ ほいくえんのいりぐちで、 おかあしゃんとちょっとだけバイバイする さびしいときもね。 ねるときも、 おかあしゃんは ちゃんとおへんじしてくれるの。 おかあしゃん。 はぁい。 おかあしゃん。 はぁい。 おかあしゃん。 はぁい。 … |
三浦太郎 作 | |
こぐま社 | |
こどものゴリラが、おとうちゃんゴリラに「あそんで~や」とおねだりします。おとうちゃんゴリラは、「 おとうちゃんすべりだい」にはじまり「おとうちゃんたこやき」、「おとうちゃんブランコ」と、 ぜんしんをつかったれんぞくワザを、つぎつぎとくりだします。 おうちでも、おやこでよんで、いっしょにあそべる“ からだあそびのえほん”です。 |
山岡ひかる 作 | |
アリス館 | |
チャロ、 チョコ、 チュンは すずめの三きょうだい。 きりがみをつかった かわいい絵は 見ているだけで 心をポカポカ あたためてくれます。 |
さくらせかい 作 | |
福音館書店 | |
やまで ないていたパンダを みつけた“ エンさん”は、“ ファンファン”となづけて そだてることにしました。 からだの よわい ファンファンを エンさんはじてんしゃにのせて なんどもなんども いしゃがよい。 ときはながれ、おじいさんになったエンさんを こんどはファンファンが じてんしゃで いしゃがよい。 こんなうたを うたいながら。 ♪「このこ だれのこ パンダのこ やまのふもとで ないてたこ エンファン エンファン ふたりは ずっと なかよしよ」♪ |
スティーヴン・サヴェッジ さく | |
評論社 | |
どうぶつえんのどうぶつたちは、お客さんが一人もいなくてたいくつそうです。 大きなすがたのセイウチくんが、マネキンやおどりこにまぎれてかくれんぼをします。 そして、プールのジャンプ台から、みごとなジャンプをきめるのでした。 文字は一つもありませんが、そうぞうする楽しさや ドキドキ感がつたわってきます。 |
内田麟太郎 作 山村浩二 絵 | |
鈴木出版 | |
ひろいうみの まんなかに くろいやまがみえます。ちかづいてみると おおきなくじらさんでした。 くじらさんのまわりには たくさんのぺんぎんとあざらしと とどと しろくまもいます。 たくさんのぺんぎんと あざらしが「くじらさんのーたーめならえんやこーら」とうみに とびこむと くじらさんたちを のせたひょうざんが もわりと うきあがります。 |
ジョン・バーニンガム さく たにかわしゅんたろう やく | |
BL出版 | |
シルヴィーの しんしつに あるひ あらわれた ふしぎなドア。 シルヴィーは まいばん いろいろなどうぶつを つれてかえり ベッドでいっしょに ねむりました。 どうぶつたちは シルヴィーのへやへ いきたくって みんな うずうずしています。 あるひ がっこうからかえってくると しんしつから おおきなものおとが きこえます。 シルヴィーは おもいだしました。 「あっ、 ドアをしめるのを わすれてた!」 さぁたいへん! |
LEE 文 酒井駒子 絵 | |
ブロンズ新社 | |
ひなちゃんの家に おかあさんねこが やってきて、小さなこねこを あずけていきました。 ひなちゃんの おかあさんはそのこねこを あずかることにしました。 ひなちゃんは こねこを そだてることにしましたが、 めを はなしたすきに、こねこは どこかに いなくなってしまいました。 いきものを かうことの たいへんさと、 こねこに たいする やさしさと あたたかさが、 こころに しみいります。 |
アンヌ・クロザ さく こだましおり やく | |
西村書店 | |
ちいさなみずたまが、 ちいさなつぶとなって、 空にまいあがり、 雲の中でひとやすみ。 さあ、 たびのはじまりです。 みずたまは 雪の結晶になって地上におりると、 こんどは 土の中、 川や海の中などを たびします。 いろいろないきものに出会いながら たびをつづけ、 ふたたび みずたまにもどるまでの、 ものがたりです。 |
伊藤勝敏 写真 嶋田泰子 文 瀬能 宏 監修 | |
ポプラ社 | |
さかなのねむっているところを、みたことがありますか? からだのいろや、もようをかえて、ねるさかな。 ふだんみられない、 ねているさかなたちのすがたを、たくさんのしゃしんで、 しょうかいしています。 |
飯野まき 作 | |
福音館書店 | |
おとうふやさんで うっている、おから、あぶらあげ、あつあげ、がんもどき。 あとは、おいしいたべかたを みんなで かんがえよう! |
低・中学年むき
イチンノロブ・ガンバートル 文 バーサンスレン・ボロルマー 絵 津田紀子 訳 | |
福音館書店 | |
モンゴルの そうげんに すむ トヤの いっかは、やぎや ひつじをつれて ひっこしを します。 ゲルという モンゴルしきの いえをたたんで たくさんのにもつを らくだにのせて さあ、 しゅっぱつです。 とちゅうで オオカミにおそわれたり、 あめと つよいかぜに あおられたりしながら、 ゴビさばくを とおり けわしいやまをこえていきます。 そして、 とうとう あおい みずうみと あおあおとした くさがいっぱいの そうげんに たどりつくのでした。 |
小風さち 文 夏目ちさ 絵 | |
福音館書店 | |
ある日、こぶたのピクルスが学校にむかっていると、牛の牛乳屋さんに会いました。 牛乳屋さんは、いのぶたさんに、はいたつするのをわすれてしまったので、ピクルスがかわりに行くことになりました。 つぎに、ロバのパン屋さん、ヤギの新聞屋さんにも会います。 ピクルスは、 ふたりのわすれたものも、 はいたつします。 やっとはいたつは、 おわったけれど、 なにかかんじんなことをわすれているような・・・。 元気なピクルスのゆかいなおはなしが4つはいっています。 |
ルイス・スロボドキン 作・絵 こみやゆう 訳 | |
徳間書店 | |
ルイージはイタリアのアロマ村の小学校に通っている男の子です。 土曜日はバスに乗って、となり町のスイスまでバイオリンを習いに行っています。 バスは、イタリアとスイスの国境を通り、国境前ではへいたいさんがバスに乗込んできて、密輸人がいないかと見まわります。 ある日のこと、 いつもとちがうへいたいさんが、「調べる」と言って、 ルイージのお弁当のサンドイッチや、ケーキを指でぎゅっとおしつぶしたりしました。 話をきいたタリアティーニ先生は、 へいたいさんをこらしめようとバスにむかいます。 どうなることやら。 |
福明子 作 小泉るみ子 絵 | |
学研教育出版 | |
駅前から続く通りは、にぎやかだった昔の面影がなくなり、今ではたそがれ通りと呼ばれています。 そんな通りにたたずむ小さなお店が、ひろむじいさんの「まぼろし写真館」です。 たそがれ通りをはしるバスの運転手さんは、子どもの頃ひろむじいさんにとってもらった写真を宝物として、 いつも持っています。 「まぼろし写真館」には、ときどきお客さんがおとずれます。 最高の1枚をとってもらいたいお客さんばかりです。 ひろむじいさんのやさしさがあふれる、不思議な写真館の不思議なおはなしです。 |
いとうみく 作 丸山ゆき 絵 | |
そうえん社 | |
小学校4 年生の杏に、待ちに待った 妹 芽生が生まれました。 お母さんは芽生にかかりきりになり、杏は自分がおきざりにされたと感じることもありました。 それでも芽生の成長を願い、 家族や友だちに勇気をもらいながら、不安や悩みをのりこえていく杏の姿をていねいに描いた物語です。 |
こやま峰子 文 塚本やすし 絵 | |
フレーベル館 | |
1945年8月6日、 原子ばくだんが広島に落とされました。 放しゃのうをあびた広島電鉄のしき石は、戦争でつらい思いをした人々や、 その後、りっぱにかわっていく町のようすを見まもってきました。 「いのりの石」と名づけられた観音像は、 世界中に届けられ、 今もなお、 世界各国で平和を願い、 人々を見まもっています。 |
飯田朝子 文 寄藤文平 絵 | |
福音館書店 | |
日本語では何かを数えるとき、犬なら1匹、 自動車なら1台、ノートや本なら1冊というように、数字の後にある決まった言葉をつけて表します。 この言葉を助数詞といいます。 この本では、たくさんの助数詞の中から、特に1本・2本の「本」に注目し、どんなものを数えるとき「本」が使われているかを徹底的に調べています。 それにしても鉛筆や定規などは分かりますが、 なぜ柔道や剣道の技、ホームランやサッカーのシュート数などに「本」が使われているのでしょう? 不思議ですね。 |
にしかわかんと 文 あおきあさみ 絵 | |
福音館書店 | |
春のある日、 山のふもとの小川で、 去年の秋にうまれたオオサンショウウオをみつけたよ。 大きさはおたまじゃくしと同じくらい。 春、 夏、 秋、 冬と きせつがめぐる中、 かれらは、 川の虫を食べたり、 天敵から身を守ったり、 増水に流されないようにしながら どんどん 大きくなっていきます。 世界最大の両生類である、オオサンショウウオの住む場所や、 食べ物、 寿命などもくわしくわかります。 見返しに、オオサンショウウオのおとなと、人間のあかちゃんの実物大の手と足が描かれていて、その大きさがわかります。 |
渡久地 豊 写真と文 | |
小学館 | |
ノグチゲラを知っていますか? この鳥はキツツキの仲間で、 世界で沖縄島北部の森、「やんばるの森」でしか見られない貴重な生き物です。 この鳥の研究者である著者は、 やんばるの森に入り、 一組のノグチゲラの親子に密着して、 その子育ての様子をカメラに収めました。 巣のある木が台風で倒れるというアクシデントを乗り越え、 ひなが巣立っていくまでをとらえた写真からは、 やんばるの森にすむ野生生物への、 著者の深い愛情がにじんできます。 |
山極寿一 文 阿部知暁 絵 | |
福音館書店 | |
ぽこぽこぽこ ♪♪ 森の奥から太鼓のような音が聞こえてきました。 ここはアフリカ大陸の熱帯雨林です。 音がする方にむかって、やぶをくぐりぬけると、ゴリラたちがいました。 今から100 年以上前、 ゴリラはドラミングで敵をおどし、相手を引き裂いてしまう凶暴な野獣だと言われていました。 著者がゴリラの暮らしに密着して観察するうちに、 ゴリラが胸をたたく、 本当の意味がわかってきたのでした。 |
高学年むき
高楼方子 作 千葉史子 絵 | |
ポプラ社 | |
5年生のモカはひっこしてきたばかり。 ニレの木の下でぐうぜん出会った5年生のモモと4年生のカンタと児童館の壁新聞を作ることになりました。 新聞の名前は「モモモ館」。 なぜ、 こんな名前にしたのか、わかりますか。 3人の名前にヒントがあります。 「どんな新聞にしよう?」「どんな記事をのせようか?」 記事を取材していくうちに、 事件に関わったり、 人と出会ったり。 人と人のつながりがおもしろくて、 わくわくしますよ。 |
吉橋通夫 著 | |
講談社 | |
ここは江戸の下町。 屋台のすし屋「与兵衛ずし」のせがれ豆吉は12 歳。 今日もせっせと客を呼び込んでいると、一人の若侍と出会う。 読み進むうちに「 江戸前すし」の起源や歴史も分かるようになっており、 すし好きにはたまらない一冊。 |
リン・ケリー 作 若林千鶴 訳 | |
鈴木出版 | |
インドの少年ハスティンは11歳。 妹の治療費を返すため、サーカスで象の世話係として働くことになりました。罠にかけられて捕らえられた、子象のナンディタと象小屋で一緒に暮らします。 雇い主は人使いが荒く、次々に用事を言いつけます。「働くのは一年間」という約束も、 ハスティンが失敗するたびに延ばされます。 ハスティンはナンディタを守りきれるか、 そして自由は訪れるのでしょうか? |
柏葉幸子 著 さいとう ゆきこ 絵 | |
出版社 | |
介護施設に入所予定のキワさん、暴力をふるう夫から逃げてきたゆりえさん、家族を失い孤独な萌香ちゃんの3 人が、大地震をきっかけに一緒に暮らすことになります。 海の祠に封印された魔物が、津波によって解放されようとすると、キワさんは、カッパや座敷童子、走る狛犬、夜空を飛ぶお地蔵様などを呼び出し、 助けを求めるのでした。 困難に立ち向かいながら、 自分と向き合うことの大切さに気づかされる物語です。 |
タミ・シェム=トヴ 作 樋口範子 訳 岡本よしろう 画 | |
福音館書店 | |
母と死別し、父親も投獄され、姉と二人きりになった少年ヤネク。 すさんだ心は彼を盗みへと走らせます。 この作品は、 1930年代にポーランドのワルシャワにあった孤児院を舞台に、 実話に基づいて作られた物語です。 コルチャック先生はこの孤児院で、あくまで子どもたちの側に立ち、自治を尊重し、 愛を貫きました。 ナチスが台頭する時代、 このような施設が存在したこと自体が奇跡としか思えません。 |
國森康弘 文・写真 | |
講談社 | |
40年ほど前に杉並区の高井戸中学校に、「アンネ・フランクの形見」 という名前のバラが送られてきました。 最初わずか3 株だったバラは、今では160 株に増えました。「 アンネのバラ委員会」をはじめとする中学生、 保護者と地域の人たちがバラの命をバトンリレーのようにつないだからです。 人間の命も平和も、 多くの人たちのバトンリレーで、 今日まで引き継いできました。 では、 このリレーを断ち切るものは何でしょうか。 アンネのバラは問いかけます。 |
小手鞠るい 著 | |
原書房 | |
太平洋戦争中、東京市立光明学校(現在の世田谷区松原にある都立光明特別支援学校)の子どもたちは手足が不自由という理由で疎開をゆるされませんでした。 そんなきびしい中、校長先生は疎開先を探し、列車も手配します。 疎開先である長野県の上山田ホテルでは、 すべての部屋を子どもたちのためにあけてくれたのです。 大自然の中で沢山の人たちに支えられながら、 東京に戻るまでを描く、 本当にあったお話です。 |
堀米薫 作 | |
新日本出版社 | |
福島県飯舘出身の元一先生は30年近くかけて、 じゃがいもとかぼちゃの品種改良にとりくんできました。 農業委員会のとみ子さんは、そのじゃがいもとかぼちゃを使い、村おこしのため特産品を作ろうと、いろいろ工夫を重ねています。 しかし、 もう少しで品種登録がされようという時に、 東日本大震災がおこり、 飯舘村の人たちは避難しなければなりませんでした。 土地も家も何もかも無くなったとみ子さん。 苦労して蒔いたかぼちゃの種から芽が出たときに、 沢山の思いがこみ上げ、詩を書きました。 それは何があってもあきらめないという、 とみ子さんの決意でした。 |
熊谷さとし 著 | |
偕成社 | |
日本にも昔、 カワウソやオオカミがいたって知っていますか? 動物が姿を消す理由はいくつかありますがその大部分はわたしたち人間が自分たちだけの幸せを追い求めたからです。 その結果、多くの野生動物たちを絶滅に追いやってしまったのです。 そして現在もたくさんの種の動物が絶滅の危機にさらされています。 ではわたしたちは、 どうしたらよいのでしょうか? この本は絶滅した動物をとおして、 これからのわたしたちは何を知り、 どのようなことを考えていかなければならないかを教えてくれています。 |
橋本淳司 著 | |
文研出版 | |
著者は、水ジャーナリストとしてバングラデシュへ取材に行きました。 そこでは近くに安全な水が無いため、人々はヒ素に汚染されている水と知りながら、それを飲んでいました。 彼はその光景に大変なショックを受けます。 それを機会に、水問題について深く考えるようになりました。 生きるためには水は無くてはならないものです。100年後、さらにはその先まで水を使えるよう、みんなで考えていきましょう。 |
本橋成一 写真と文 | |
農山漁村文化協会 | |
長野県の山奥の集落、自動車も通れず、町から1時間半も歩くところに アラヤシキとよばれる古い民家があります。 建てられてから百年以上経つ大きな家です。 著者が切り取ったアラヤシキでの日常の写真が、 自然の中で生きる人々の力を、 静かに語りかけています。 |