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おもしろい本みつけた39

はじめに

 このブックリストは、2020年の1月から12月までに発行された新刊図書の中から、小学生におすすめの本を世田谷区立図書館子どもサービス推進部会で検討して選んだものです。

おもしろい本みつけた39(PDF形式:2.37MB)

えほん

おとうふ2ちょう
くろだかおる さく
たけがみたえ え
ポプラ社

ケンちゃんは おかあさんに おつかいを たのまれて おとうふを 1ちょうかいました。かえりみち おかあさんから もう1ちょう かうように ケータイで たのまれましたが ウソを ついて ことわります。おかあさんは しかたなく ふたごの いもうとたちに おとうふを かってくるように たのみました。けれども なかなか かえってこないので こんどは そのしたの みつごの おとうとたちに たのみました。おかあさんが ほしかったのは おとうふ2ちょうなのに、さいごには みんながおとうふを かってきてしまい、あらあら、おとうふは ぜんぶで なんちょうになったでしょう。

こたつ
麻生知子 作
福音館書店

こうたくんは おばあちゃん おとうさん おかあさんの 4にんかぞくです。きょうは おおみそかです。いちねんの さいごのひ、みんな あさから おおいそがしです。 おおそうじをしたり、おせちりょうりの こんぶまきをつくったり、しゅくだいしたり、としこしそばをたべたり、かぞくみんなが こたつに あつまって すごします。こたつの まうえからみた こうたくんの わくわく たのしい いちにちの おはなしです。

あなふさぎのジグモンタ
とみながまい 作
たかおゆうこ 絵
ひさかたチャイルド

ジグモの ジグモンタは、じまんのいとで ようふくの あなを ふさぐ、あなふさぎやさん。おとうさんも おじいさんも ひいおじいさんも みんな あなふさぎやでした。ところが、さいきん あなを ふさぐより、あたらしいものを かったほうがいいといって おきゃくさんが こなくなってしまいました。 すっかり じしんを なくした ジグモンタは おみせを やすんで もりへ でかけ、ふくろうのおやこと であいます。

トラといっしょに
ダイアン・ホフマイアー 文
ジェシー・ホジスン 絵
さくまゆみこ 訳
徳間書店

トムは、こわがりやのおとこのこです。
あるひ、びじゅつかんで トラのえを みた トムは、いろえんぴつで おおきなトラのえを かいてみました。すると そのよる、トラのえが うごきだし、トムをさんぽにさそいます。はじめは こわがっていた トムでしたが、トラと いっしょにあそぶうちに、こわいきもちが きえていきます。あそびつかれて トラの まえあしのあいだで よこになったトムには、もう こわいものなどなくなったようです。

このかみなあに?-トイレットペーパーのはなし-
谷内つねお さく
福音館書店

まいにち みんなが つかっている トイレットペーパーで じっけんしてみましょう。
 ながく のばしてみたり、よじって ひものように してみたり、 みずを すわせてみたり、 いろいろ ためした じっけんのけっかが、しゃしんで のっています。
 みぢかな かみでも、あたらしい はっけんが あります。

雨の日の地下トンネル
鎌田歩 作
アリス館

あめは いったい どこへいくのでしょうか。あまみずは まず、いえの わきや どうろの はじにある 「はいすいこう」に ながれていきます。そのあと、どうろの したをとおって かわに ながれこみます。けれど このままでは かわのみずは あふれてしまいますね。でも だいじょうぶ。かわのみずを あつめて ちかのトンネルをとおり、おおきなかわに ながす すごい しくみが あるのです。
 あめが ふってから、ひろいうみへ ながれこんでいくまでのことが よくわかります。

虫ガール-ほんとうにあったおはなし-
ソフィア・スペンサー(虫ガール)/マーガレット・マクナマラ 文
ケラスコエット 絵
福本友美子 訳
岩崎書店

小さいころから虫が大すきなソフィア。でも、学校にバッタをもっていくと、みんなにいやがられます。ソフィアはいったん「虫がすきなことをおやすみ」することにしました。あんまりしょんぼりしているので、ママが「うちの子の虫ともだちになってくれませんか」と昆虫学者にメールを送ってくれました。すると、世界中の虫好きの人から返事がとどきます。ソフィアは虫をすきな人がたくさんいることをしり、じしんをとりもどします。じぶんのことを「虫ガール」とよぶ女の子のお話です。

ランカ-にほんにやってきたおんなのこ-
野呂きくえ さく
松成真理子 え
偕成社

ランカは 10さいの おんなのこ。とおいくにから ひっこしてきました。
 にほんの ことばが わからない ランカは、あたらしい がっこうで「ちきゅうに ひとりぼっちの きぶん」に なってしまいました。
 あるひ、ひとりで きのぼりを していた ランカは となりのせきの りょうたくんに あしを ひっぱられました。ランカは かなしいきもちに なりましたが りょうたくんは なにかを つたえたいようです。

やさいのおにたいじ-御伽草子「酒呑童子」より-
つるたようこ さく
福音館書店

やさいたちは きょうの みやこで へいわに くらしていました。ところが このところ、やまから おそろしい こんにゃくいもの おにが やってきて、むすめたちを さらって いきます。
 むすめたちを たすけようと、ゆうかんな ろくにんの やさいたちが おにたいじに でかけました。やまを こえ、かわを わたり、あめにも かぜにも まけず、ちからを あわせて おにの やしきへと すすみます。
 さて、やさいたちは、むすめたちを たすける ことが できるでしょうか。

やとのいえ
八尾慶次 作
偕成社

150年前、“やと”(底のたいらなあさい谷)を ひらいてできた村が ありました。
 そこに、へいわなくらしが つづくことを ねがって、“十六らかん”の 石像が おかれました。
 村人は かぞくみんなで ささえあいながら、 田うえや はたけしごとに せいをだして せいかつしてきました。やがて、おかの しゃめんを きりくずして だんちや せんろがつくられ、しぜんに かこまれた やとのくらしは うしなわれていきます。
 ながい年月のあいだに、ふうけいや せいかつが かわっていく すがたを、“十六らかん”は、ずっと見つめてきました。

ねえさんの青いヒジャブ
イブティハージ・ムハンマド&S・K・アリ 文
ハテム・アリ 絵
野坂悦子 訳
BL出版

ねえさんが はじめて青いヒジャブを頭につけて学校に行く日、わたしは どきどきしながら そのようすを見守りました。ヒジャブを見て からかいの言葉をかける子どもたちもいますが、ねえさんは 全く気にしません。
 いつものように 学校で友だちと話しているねえさんは、まるでプリンセスのようです。
 海や空のようなヒジャブの色が、ねえさんの強い気持ちをあらわしています。

低・中学年むき

うりぼうウリタ-もりのがっこう-
おくやまゆか 作
偕成社

いのししの子、うりぼうのウリタは、はるから もりのがっこうに かよいはじめました。あたらしいともだちも たくさんできました。
 いつも いっしょにあそんでいた おとなりの 三つ子の子ダヌキたちと あそばなくなるほど、がっこうにいくのが たのしくて しかたありません。そこで、ウリタと あそびたい 子ダヌキたちが、あるものにばけて、こっそり がっこうに はいりこみ、おおさわぎを おこすのでした。
 ウリタの ゆかいな おはなしが ぜんぶで4つたのしめます。

くろりすくんとしまりすくん
いとうひろし 作・絵
講談社

くろりすくんが じめんにうめておいた きのみを さがしていると、そのきのみをくちに いれて、ほっぺたをふくらませている しまりすくんに であいます。にひきは これを きっかけに、なかよくなりました。はる なつ あきと にひきは いっしょに たのしくすごします。ふゆがきて、しまりすくんは とうみんします。とうみんをしないくろりすくんは、ひとりぼっちです。そんなくろりすくんに きけんが せまります。
 くろりすくんと しまりすくんは それぞれ すこしちがうけれど、なかよく たすけあう たのしいおはなしです。

雨の日は、いっしょに
大久保雨咲 作
殿内真帆 絵
佼成出版社

ハルくんの黄色いかさは、ハルくんのじゅぎょうがおわるのをかさ立てでまっていました。そのあいだに、ほかのかさたちから色々な話を聞き、黄色いかさは、ちがう人のかさになって、いつもとちがう道を歩いてみたいと思いました。
 放課後、ハルくんはいそいでいたので、黄色いかさをつかむと走りだし、石ころにつまずいてしまいます。そのひょうしに、ハルくんの手からはなれた黄色いかさは、そのまま風にのって ぼうけんにでかけます。

おひめさまになったワニ
ローラ・エイミー・シュリッツ さく
ブライアン・フロッカ え
中野怜奈 やく
福音館書店

コーラひめは りっぱな女王になるために、毎日あそぶひまもなく 勉強や運動を させられて、うんざりしていました。コーラひめが やってみたいことは、なにひとつ させてもらえません。たえられなくなった コーラひめは、名づけ親の妖精に「たすけて」と 手紙を書きます。すると、つぎの朝 やってきたのは なんと ワニでした。ワニは、1日コーラひめの かわりをすると いいます。

はりねずみともぐらのふうせんりょこう-アリソン・アトリーのおはなし集-
アリソン・アトリー 作
上條由美子 訳
東郷なりさ 絵
福音館書店

はりねずみともぐらが草原をあるいていると、小道でふうせんをもってねむっている女の人をみつけます。そこで二ひきは、むらさき色と青い色のふうせんを、こっそりもらってかえりました。
 つぎのひ、ふうせんのひもを体にむすんで、さんぽにでかけたところ、風がふいて、空中にうきあがり、思いがけない空の旅が始まりました。二ひきは、草原の上を飛び、知らない世界を楽しみます。
 このおはなしのほかに、のねずみや、めんどりなどが登場するおはなしが入っています。

タコとイカはどうちがう?-いきものくらべるしゃしんえほん-
峯水亮 写真
池田菜津美 文
杉本親要 監修
ポプラ社

タコとイカ。どちらも海の中にすんでいて、くねくねした形や、墨をはくことなど似ている生き物です。でも違うところもたくさんあります。
 例えば足。タコは8本、イカは10本ということは知られていますね。でも足と言われているものは、実は腕なんです。さらに、そこについている吸盤の形も違います。
 ほかにも、獲物の捕らえ方、子育てや身を隠す方法など、左右のページで、タコとイカの違いを見比べてみましょう。

お蚕さんから糸と綿と
大西暢夫 著
アリス館

生まれたばかりの“お蚕さん”が、たくさんの桑の葉をムシャムシャ食べつくすと、白い糸を、はき出します。白い糸はその体をつつみ、ウズラの卵ぐらいの繭になります。その中で“お蚕さん”は眠っています。人は繭から糸をとるために、繭の中で眠っている“お蚕さん”の小さな命を止めなければなりません。
 繭から糸にすることを「紡ぐ」といいます。一つ一つ人の手で紡がれた糸は「絹糸」や「真綿」になり、それで服や布団が作られました。人の暮らしを豊かにしてくれた“お蚕さん”の大切さがわかります。

消えたレッサーパンダを追え!-警視庁「生きもの係」事件簿-
たけたにちほみ 文
学研プラス

警視庁には、動物の密輸や違法売買を専門に捜査している部署、通称「生きもの係」があります。
 2003年、動物園からレッサーパンダなどのめずらしい生き物が盗まれたという報告がありました。捜査を担当するのは、動物が大好きな福原警部補。飼育員さんの話を聞き、わずかな手がかりから推理し、犯人をつきとめます。
 アロワナやコツメカワウソなどの密輸事件でも、福原警部補が大活躍します。

トラブル旅行社(トラベル)-砂漠のフルーツ狩りツアー-
廣嶋玲子 文
コマツシンヤ 絵
金の星社

小学4年生の大悟は、お母さんが外国の友だちからもらった特別なジュースを、うっかり飲み干してしまいました。このままでは、家族に怒られてしまいます。困った大悟は、不思議な鳥に案内されて、「トラブル旅行社」を訪れます。そこは、時間やお金をかけずに問題を解決する旅ができるという、不思議な旅行社でした。
 大悟は、飲んでしまったジュースと同じものを作るため、砂漠のフルーツ狩りツアーに参加します。さあ、冒険旅行のはじまりです!

ココロ屋-つむぎのなやみ-
梨屋アリエ 作
菅野由貴子 絵
文研出版

三年生のつむぎは、意地悪なことをする同じクラスのちかこのことが好きではありません。ちかこの意地悪に負けたくないつむぎは、心を入れかえてくれるという『ココロ屋』に助けを求めます。たくさんの違う種類の心がならぶ棚から、つむぎは“意地悪なココロ”を選びます。なぜなら、ちかこにしかえしをしたかったからです。けれども、意地悪をしても、心ははれませんでした。つむぎは次々に、いろいろなココロを試していきます。
 第1作『ココロ屋』(文研出版)は2011年に出版されています。

神様のパッチワーク
山本悦子 作
佐藤真紀子 絵
ポプラ社

小学4年生の結は、みかん農家の お父ちゃん、お母ちゃん、6年生のお姉ちゃんの香の4人家族です。結と香は、特別養子縁組で石川家の子どもになりました。お父ちゃんとお母ちゃんは、そのことをまわりにかくさずに育ててきました。
 そんなある日、二人が通う小学校に転校生がやってきます。血がつながっていないことをからかわれ、香のこころは揺れ動きます。

高学年むき

アリババの猫がきいている
新藤悦子 作
佐竹美保 絵
ポプラ社

イラン生まれの日本に住むアリババは、子どもの頃飼っていたペルシャ猫にそっくりな子猫を、シャイフと名付け飼うことにしました。このシャイフは、バザールとよばれる市場にいる長老族の猫の家系で、人間や物の言葉をいくつも理解できます。ある日、アリババは出張のため、シャイフを民芸品店を営む友人に預けることにしました。そこでは夜になると、世界各国から集められた民芸品たちの話を聞くことができました。シャイフは、それぞれの生い立ちを知り、力になりたいと考えました。遠い国のバザールが心に浮かぶ物語です。

おいで、アラスカ!
アンナ・ウォルツ 作
野坂悦子 訳
フレーベル館

パーケルの飼っていたゴールデンレトリバーのアラスカは、数か月前に、介助犬になるため、訓練師に引き取られて行きました。パーケルは、もう会ってはいけないと知りつつ、密かにアラスカを探していました。すると、新学期になって、同じクラスの男の子、スフェンの家にいることを知ります。
 スフェンは、一年ほど前に始まった“てんかん”の発作を受け止めきれず、全てにいらだっています。一方でパーケルも、ある事件をきっかけに、ずっと気持ちが張りつめたままになっていました。ある日二人は、アラスカを通して、ふしぎな接点を持ちます。不安を抱えている二人の日常が、この日から、だんだんと変化していくのです。

あおいの世界
花里真希 著
講談社

小学5年生のあおいは、自分の空想癖をクラスメイトに気持ち悪がられてから、殻にこもりがちに。しかし、家族の都合で日本を離れ、カナダの学校に通い始めたことで、変化が訪れます。学校での習慣の違いにとまどったり、言葉の壁にぶつかったりもしますが、あおいの良さを認めてくれるミセス・マケンジーやクラスメイトのアディソンと出会い、しだいに自分の殻を破り、少しずつ周りに打ち解けていきます。ある日、アディソンの提案で、あおいの空想力を活かして、ふたりでまんがをかくことにします。題は『あおいの世界』。どんなストーリーになるのでしょうか。

キャラメル色のわたし
シャロン・M・ドレイパー 作
横山和江 訳
鈴木出版

イザベラはピアノを弾くことが大好きな11歳。両親の離婚により、ある一週間は白人のママの家、次の一週間は黒人のパパの家で暮らす生活を送っています。その生活に、彼女は自分がふたつに切られてしまったようなつらさを感じていました。
 そんな中、学校で黒人差別の問題が起こります。裕福な父がきちんとした服装をしているのは、偏見の目を避けるためだと知り、彼女は自分の肌の色について意識しはじめました。そして、ピアノの発表会を控えたある日、彼女は差別が原因で事件に巻き込まれてしまいます。
 理不尽な状況に直面しながらも、前向きに生きるイザベラの姿に心を動かされる物語です。

江戸の空見師 嵐太郎
佐和みずえ 作
しまざきジョゼ 絵
フレーベル館

日本が鎖国をしていた江戸時代、空見(天気予報)が得意な少年・嵐太郎は、わずかな空気の動きや雲の様子から天気を感じとっていました。その能力を近所の商人やお百姓もあてにして仕事に役立てていました。
 そんなうわさを聞きつけた、浦賀奉行所の武士が、黒船が再び来航する日を天気で予測してほしいと、嵐太郎のもとへ訪れます。自分が持つするどい感覚や知識を信じ、懸命に大仕事に挑みます。はたして、嵐太郎は黒船が来る日を予測できるでしょうか。

ぼくらしく、おどる-義足ダンサー大前光市、夢への挑戦-
大前光市 著
学研プラス

リオパラリンピックの閉会式で、4連続バク転を披露した義足のダンサー、大前さんの自伝です。
 プロのダンサーになることを目指していた大前さんは、24歳の時にダンスカンパニーのオーディションを受け、最終しんさまで残ります。しかし、あと一歩で夢がかないそうなところで、思わぬ事故によって左足のひざ下がなくなり、義足となってしまいました。
 それでもダンサーになる夢をあきらめず、短い足をいかして自分らしく踊ることへ挑戦します。

ギフト、ぼくの場合
今井恭子 作
小学館

小学6年生の優太は、母と妹の3人暮らしです。両親の離婚後、食べ物にも困るような貧しい生活を送ってきました。母は深夜まで働き、優太は妹の面倒を見るために好きなこともできません。優太は養育費を払えなくなった身勝手な父に、怒りを感じていました。
 ある日、学校のバンドでギターを演奏することになります。幼いころに父に教わった思い出のギターをたたきこわしてからは、二度と触れるつもりはありませんでした。優太は、つらく複雑な思いを抱きながらギターと向き合っていきます。

命のうた-ぼくは路上で生きた十歳の戦争孤児-
竹内早希子 著
石井勉 絵
童心社

十歳の清一郎は空襲で両親を亡くしました。道端で眠り、腐った残飯を食べる生活が、突然始まります。同じく両親を亡くした仲間と支え合い、世間から嫌われながらも、懸命に生きます。
 しかし、子どもだけの生活は厳しく、多くの仲間があっけなく命を落とします。つらい出来事が重なった清一郎は、孤独と絶望から生きる希望を失いました。けれども、孤児の将来を心配してくれる親切な大人たちと出会い、両親や仲間の分まで生きることを決意します。
 清一郎が体験した、日本で実際にあったお話です。

魔笛の調べ 1 ドラゴンの来襲
S.A.パトリック 作
岩城義人 訳
評論社

音楽の力を操って世界の平和を守り続けてきた“笛ふき”たち。しかし笛ふきの少年パッチは、禁断の曲を奏でた罪で裁判にかけられ、城の牢獄に入れられてしまいます。
 そこにドラゴンが来襲し、混乱の中、なんとか牢獄から外に出たパッチは、ネズミにされた同い年の少女レンの魔法を解く旅に出かけます。
 130人の子どもたちが消えた「ハーメルンの笛ふき男」の伝説を下じきに、ミステリーとファンタジーの要素がたっぷりつまった一冊です。

おじいちゃんとの最後の旅
ウルフ・スタルク 作
キティ・クローザー 絵
菱木晃子 訳
徳間書店

頑固で怒りっぽくて口が悪い、けれど自由で豪快なおじいちゃんと、そんなおじいちゃんが大好きな“ぼく”。
 入院しているおじいちゃんの望みをかなえるために、ふたりはカンペキなうそを用意して“旅”の計画を立てます。目指すは昔おばあちゃんと暮らしていた島の家。ふたりの旅はどうなるのでしょう。

ぼくと石の兵士
リサ・トンプソン 著
櫛田理絵 訳
PHP研究所

皆の前で発言することや、人と関わることが苦手なオーエン。唯一心を許し、夢や悩みなどを打ち明けられるのは、公園の兵士像でした。ところが公園の改修で古い石の兵士は撤去されることになります。戦争で亡くなった父を兵士像に重ねていた彼は、勇気を出して行動を起こします。