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おもしろい本みつけた40
はじめに
このブックリストは、2021年の1月から12月までに発行された新刊図書の中から、小学生におすすめの本を世田谷区立図書館子どもサービス推進部会で検討して選んだものです。
低学年むき
にしひらあかね 作 | |
福音館書店 | |
けんだまをもって あそびにでかけたけいくん。そこで、きつねやたぬきや まじょにあい、けんだまでしょうぶをいどまれます。でも、きつねのけんだまは たまがりんごになったり、まじょのけんだまは うたいだしたり、ちょっとへんてこ。さいごにけいくんは、てんぐとけんだまで しょうぶすることになったのですが、さあいったい なにがおこるのでしょうか。 |
オルガ・カブラル 作 小宮由 訳 山村浩二 絵 |
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岩波書店 | |
家のうらにわにすむ うさぎ、ねこ、いぬは、それぞれ自分の耳や大きな声をじまんに思っていました。ある日、荷馬車にのったおじさんが とおりかかり、大きなくしゃみを3回。すると、3びきの耳や声が入れかわってしまったのです。どうにかして、もとにもどしてもらおうと、みんなは“くしゃみおじさん”をさがしにでかけます。 「くしゃみ」をするときにでる ことばとリズムもたのしい、ゆかいなお話です。 |
さかまきゆか 作 | |
あかね書房 | |
ぬいぐるみの“くまたろう”は、春のはじまりの日に、たんていやさんをはじめたばかり。朝食をたのしんでいると、さっそくいらい人がやってきました。くたびれたチェックのマフラーをまき、くたびれた顔をした、うさぎのぬいぐるみです。「きょうはどんな なぞを おもちですかな?」。うでをふりふり、おどりながらなぞをとく、くまたろう。 おくりもののなぞと、なやめるいらい人といっしょに、まちへくりだします。 |
たかどのほうこ 著 | |
のら書店 | |
おねえちゃんのはなちゃんと いもうとのめめちゃんは、パリにいったときのしゃしんを みるのがだいすきです。かぞくでパリにいったとき、めめちゃんは まだうまれていませんでした。でも、めめちゃんは はなちゃんよりも ぬいぐるみのクーちゃんのことや ピンクのハンカチのことなど、パリでのできごとを なぜかよく しっています。どうしてでしょうか。 そのりゆうを しったら、きっと ふたりといっしょに わらいたくなるはずです。 |
なかがわちひろ 作 | |
のら書店 | |
ある雨の日、一平は家に帰る途中、石につまづいて転んでしまいます。それでも、一人ガマンして家に帰る一平でしたが、家にお母さんがいなくて、また一人。ひとりぼっちがへっちゃらな一平でしたが、心ぼそくなってしまいます。けれども「お母さんを迎えに行こう。」と前を向き、歩き出します。道端で出会ったカメを抱いて進んでいくと、そこにはすてきな出会いが待っていました。 「ひとりぼっち」って、さみしいだけじゃないんだと思えるおはなしです。 |
佐和みずえ 作 かわいちひろ 絵 |
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小峰書店 | |
みかは、96才になる ひいおばあちゃんの「かずさん」が大すき。夏のある日、みかが かずさんと手あそびうたをしていると、「わかいころに、たくさんの男の人の手をにぎったのよ」と かずさんが言い出しました。 でも、それは戦争中の話でした。かんごしだったかずさんがにぎった たくさんの手は、1945年の夏、長崎におとされたげんばくで おおけがをした人たちの手だったのです。戦争を知らないみかが、かずさんの手を通して、戦争について考えるお話です。 |
イチンノロブ・ガンバートル 文 バーサンスレン・ボロルマー 絵 津田紀子 訳 |
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廣済堂あかつき | |
むかし、まだ空に星がなく、夜がまっくらやみだった頃、鳥の王にさらわれ、天に連れていかれた七人の王女がいました。祈とう師のおつげにより、王女たちを助けるため、えらばれた七人のきょうだい。力を合わせて鳥の王に立ち向かいます。 夜空の星がとても美しい、モンゴルにつたわる民話をもとにしたお話です。 |
スージー・ウィリアムズ 作 ハンナ・トルソン 絵 渡邊真里 訳 |
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化学同人 | |
ムカデとヤスデは、どちらも くらいばしょにすみ、夜になると うごきまわる 生きものです。どちらも 足がたくさんはえているので、同じに思えますが、からだのしくみや 食べものは まったくちがいます。 たとえば ムカデは、こん虫 クモ ナメクジを えさに します。ヤスデは、かれ草や おちばを 食べます。 この本では、ムカデとヤスデの見分け方や、かんさつのほうほうなどを しることができます。 「ちっちゃな生きものたち」シリーズのなかの1冊です。 |
高久至 写真・文 | |
アリス館 | |
5月になると、九州の南にある屋久島にアカウミガメが産卵にやってきます。 卵を産むのにちょうどよい場所を選んだら、約100個の卵を産み、ていねいに砂をかぶせます。苦労して産んでも波にさらわれてしまったり、卵からかえっても砂浜や海で力つきたり食べられたりして、生き残れるのはほんのわずかです。 ウミガメは、20年以上かけて、生まれた場所に戻ってきます。その姿を見ると、思わず「おかえり」と声をかけたくなります。 |
ほりかわあやこ さく | |
福音館書店 | |
この本の主人公は、お魚ではなく、水族館で働く飼育員さんです。大きな水槽をどうやって掃除しているの?魚の赤ちゃんは、産まれたらどうしているの?などなど、私たちの知らない水族館の様子がたくさん描かれています。 水族館の裏側をちょっとのぞけるお仕事絵本です。 |
おかべたかし 文 やまでたかし 写真 |
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東京書籍 | |
目の前にたまごがあったら、あなたはそれが「生たまご」か「ゆでたまご」か、割らずに見分けることができますか? この本では、「にている」ものをくらべて、なにがちがうのか、かんさつやじっけんでたしかめていきます。本にのっている大きな写真をじっくりながめて推理してみましょう。よく見てかんさつすることで、わくわくするような発見があります。 |
中学年むき
かんのゆうこ 作 北見葉胡 絵 |
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講談社 | |
りりかさんは、「りりかぬいぐるみ診療所」の先生です。りりかさんが治療すると、こわれたぬいぐるみも、みんないきいきと生まれかわります。 ネモフィラの花が咲く春の日、女の子がうさぎのぬいぐるみを治してほしいと診療所にやってきました。友だちの飼い犬が、ぬいぐるみをばらばらに引きさいてしまったのです。傷ついたぬいぐるみと女の子を前にして、りりかさんはとっておきの治療をはじめます。 |
山本悦子 作 佐藤真紀子 絵 |
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童心社 | |
どくしょ感想文を書くのがいやな、小学3年生のみずか。本を読むのは好きですが、感想文を書こうとすると、おもしろかった気持ちが消えてしまうのです。そこで、友だちのあかねに「あかねちゃんが主人公のお話を作ったら、ワクワクして感想文が書けるはず」と言います。先生からは、本をかんせいさせて、クラスでよみきかせをするのなら、作ったお話で感想文を書いてもいいと言ってもらえました。さあ、クラスの友だちも加わって、ふたりのおはなしづくりが始まります。 |
斎藤貴男 作 おとないちあき 絵 |
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新日本出版社 | |
小学3年生のテツオは、健康学園の寮に住んでいます。ある朝、日課の貝がらひろいでみつけたのは、汚れているけれど、めずらしい「ヒガイ」の貝がら。すると、人気者のショウタくんから貝がらを交換しようと言われます。テツオは、迷ったすえにピカピカの貝と交換してしまいます。けれど、なんだか気持ちがスッキリしません。 貝の交換をきっかけに、テツオは、「いちばんたいせつなもの」について、考えはじめます。 |
かさいまり 作 おとないちあき 絵 |
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岩崎書店 | |
はるの口ぐせは、「どっちでもいい」。そのせいか、学校では「いてもいなくてもどっちでもいい子」と陰口をいわれ、ひそかに傷ついていました。 そんななか、ヒップホップと出会い、初めて自分から「やりたい」と思ったはる。同級生の玲奈の言葉も、自分から一歩を踏み出してみようという気持ちを、後押ししてくれました。 好きなことを見つけ、一生懸命に頑張る はるですが、発表会前日にある事件が起こります。 |
工藤純子 著 | |
講談社 | |
4年生の朝陽は、自分の通知表を見るのが好きではありません。「よくできる」も「もうすこし」もなくて、真ん中の「できる」ばかりが並んでいるからです。努力は目に見えないのに、どうやって通知表をつけるのか、そもそも通知表は必要なのか、朝陽は疑問に思うようになります。同じ疑問を持ったクラスメイトの二人と共に、朝陽は担任の先生の通知表をつくってみることにしました。 |
ルイス・スロボドキン 作 小宮由 訳 |
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瑞雲舎 | |
コレットが住んでいる南フランスの山あいの町グラースに、ポーリーン王女が休養にくることになりました。 「雑音ひとつない しずけさにするのです!」と命令する王女のせいで、町の人たちは、犬やねこにマスクをつけさせたり、足音一つ立てないような不自由な生活をしなければならなくなりました。 3日めの朝、王女の大声にびっくりしたコレットのねこがどこかに逃げだし、話は思いもよらない結末を迎えます。 |
エルサ・ベスコフ 作 菱木晃子 訳 植垣歩子 絵 |
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あすなろ書房 | |
おかあさんとふたりきりで、屋根裏部屋に住んでいるラーシュ・エリック。からだがよわく、一日じゅう ひとりぼっちで、部屋の壁紙をながめながら寝ていました。 ある日、どこからかノックする音がきこえてくると、壁紙の中からロサリンドという名前の女の子があらわれます。その日から、ふたりはいっしょにあそぶようになり、男の子は少しずつ元気になっていきました。 ところが、ふたりの楽しい毎日が終わってしまう大きなできごとがおこります。 |
アニー・M.G.シュミット 作 |
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岩波書店 | |
“ひげおじさん”とよばれているベルトは、新型の特急列車がはじめて走るお祝いの日に、車掌係長として記念列車に乗りこむことになりました。大臣や、ほかの国の大統領を乗せて、列車はいよいよ出発です。ベルトが発車の合図をしようとしたそのとき、ちいさな女の子ヨリーが、「列車の下にどうぶつがいるの!」とさけびながらかけこんできました。 そして二人は、思いもよらない大きな事件に巻きこまれていきます。 |
フィリップ・M.シャーロック 再話 マーシャ・ブラウン 絵 小宮由 訳 |
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岩波書店 | |
「森でいちばん弱い」といつもみんなに笑われているクモのアナンシ。そんなアナンシが、森でいちばん強いトラにあるお願いをしました。トラが出したのは、ぜったいに出来っこない条件。アナンシは、一日中ちえをしぼり、次々に作戦を立てていきます。 このほかにも、ジャマイカの子どもたちに人気のあるアナンシのお話が14話入っています。 |
リンダ・スキアース 作 マルタ・アルバレス・ミゲンス 絵 まえざわあきえ 訳 |
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出版ワークス | |
今から約200年前は、きょうりゅうなどの古生物がいたとは考えられていませんでした。その頃、イギリスのいなかで、一人で勉強やはっくつをして、多くのはっけんをした女性がいました。メアリー・アニングです。当時の地質学者は男性ばかりで、彼女のはっけんは、全く認められませんでした。 これは自分のけんきゅうが、古代の地球の見かたをかえるものだと信じ、あきらめなかった、女性古生物学者メアリーの伝記絵本です。 |
石川梵 写真と文 宮本麗 写真 |
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少年写真新聞社 | |
インドネシアの東の島、レンバタに住む10さいの少年エーメン。彼の夢は、父親のようなくじらとりになることです。 くじら漁は木造の小舟に乗り、村のみんなで協力して、モリ1本で仕留めます。時には命を落とすこともある、危険な漁です。なぜ、危険を冒してでもくじら漁を続けるのでしょうか。 水道もガスもない生活や、漁の様子が写っている迫力ある写真から、その理由を知ることができます。 |
高学年むき
赤羽じゅんこ 著 | |
講談社 | |
小学5年のイダッチは、社会科見学で新聞社を訪問したことをきっかけに、新聞記者をめざし、学級新聞を作り始めます。新聞係を募集すると、たったひとり手をあげてくれたのは、クラスで「魔王」と呼ばれている無口な男子でした。 行動派な熱血イダッチと、常に冷静でいろいろな角度からものごとを見る魔王。編集方針や取材方法で衝突しながらも、取材をすすめていくうちに、記事を書くということは、思いもよらない難しい問題があるということを理解し始めます。 |
小手鞠るい 作 カシワイ 絵 |
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さ・え・ら書房 | |
小学6年生の七海は、母に連れられて、夏休みにハワイへ行きます。そこで出会ったのは、ごみでアートをつくるオーガストさんや、壁いっぱいに海の生き物たちを描く少女ピカケ。彼らと交流する中で、七海は美しい海が抱える厳しい現実を知りました。 ピカケからもらった「七つの海は、ひとつの海」という言葉を胸に、七海の夏と恋模様が動き出します。 |
草香恭子 作 |
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岩崎書店 | |
東京から滋賀県に引越してきた俊。去年食べ損ねた、町の名物かき氷を、今年こそは食べようと計画していました。ところが、店には「店主老齢の為、閉店」との張り紙が。どうしても幼なじみとその店のかき氷が食べたい俊は「自分が作るから」と提案し、年に一度のお祭り「船幸祭」の日だけでも復活させられないかと頼みます。 氷を削る練習や、蜜やトッピング作りなど、名物かき氷を復活させるため、店主の梅干しばあちゃんに弟子入りした俊の奮闘の始まりです。 |
落合由佳 著 | |
講談社 | |
天の家では、祖母が亡くなり、スーパーや弁当屋で買ったものを食べる日が続いています。見かねた学校の先生が、簡単な料理にチャレンジするための目標にと見せたのは、「子どもの料理コンクール」のプリントでした。 卵も上手く割れない天ですが、「がみババ」と呼ばれる近所のおばあさんの台所を覗いた事がきっかけで、料理を教わることに。 食べることを通じた様々な出来事に背中を押された天は、コンクールへの出場を決意します。 |
佐藤まどか 作 佐藤真紀子 絵 |
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あかね書房 | |
トールは、亡くなったじいちゃんから、人格にはオモテとウラがあって、自分でバランスをとっていかなければならないと聞かされました。けれど、トールはその時は理解できませんでした。 ある日、幼稚園からの仲良し4人組の一人、大樹が大阪に引っ越すことになり、それをきっかけに永遠だと信じていた関係が、ぎくしゃくしていることに気付きます。トールは、今まで通りでいたいと思い悩む中、じいちゃんが言っていた言葉を思い出して、自分や大樹たちのウラガワはどうなっているんだろうと考え始めます。 |
久米絵美里 著 | |
PHP研究所 | |
六年一組学級委員の小野寺理子が通う野瀬小学校では、最近ネットで拡散された嘘を通じてさまざまな事件が発生していました。 ある日理子は、事件解決の手がかりを求めて、錯のもとを訪ねます。彼は、たびたび学校の生徒から依頼を受けて、嘘の動画や画像を作成していました。さらに錯は、書いてあるものが嘘か本当かを見抜くことができる、能力があるというのです。錯との出会いをきっかけに、理子とクラスの友だちが、ネットに流れる嘘と向き合う物語です。 |
南田幹太 著 | |
PHP研究所 | |
大和は湘南でサーフィンを楽しむ小学6年生。数十年前に湘南で行われた、伝説のサーフィン大会で優勝したのは、当時小学6年生の「湘南のレジェンド」でした。その頃の様子を知りたくて、大会に出場していたという、サーフィンスクールの横山先生に話を聞くことにした大和。横山少年とレジェンドとの出会いから始まるその話は、サーフィンに夢中になり、多くの困難に負けずに立ち向かう、長くて熱い青春ストーリーでした。 |
味田村太郎 文 | |
学研プラス | |
世界の80パーセントのサイは、南アフリカにいることを知っていますか?しかし、アフリカに行っても、野生のサイにはなかなか出会えません。高く売れる角を狙う密猟者たちに殺され、その数が減っているからです。そんなサイを絶滅から守ろうと、日夜、見回りをしたり、傷ついたサイの治療をする人たちがいます。しかし、けん命な保護活動にもかかわらず、命を落としてしまうサイもいます。私たちが動物たちにできることは何か、一緒に考えてみましょう。 |
宇井眞紀子 写真・文 | |
少年写真新聞社 | |
ダイキとワカナのきょうだいには、かっこよくて大好きなじいじがいます。何でもできてしまうじいじは、自然や動物とともに生きる、アイヌの文化と知恵をたいせつにしています。 アイヌは、日本の北の地域に昔から住んでいる先住民族です。もともと文字を持たず、口で語り伝えられてきたアイヌの文化は、娘のひろ子さん、孫のダイキたちへと受けつがれていきます。 伝統的な着物をまとった歌とおどりなどの、鮮やかな写真でアイヌ3世代の日常を切り取ります。 |
かこさとし 文・絵 | |
講談社 | |
絵本作家のかこさとしさんは、赤トンボがとび、おいしい果物がたくさん食べられる秋が、いちばん好きな季節でした。ところが、そのすてきな秋をとてもきらいになったことがありました。それは、高校生の時のことです。 太平洋戦争で、日本はアメリカとはげしい戦争をしていました。ばくだんが落とされ、次々に人が死んでいく、おそろしい日が続いていました。食料や物が買えなくなりました。ある秋の日、かこさんは戦闘機が落ちていくのを目にします。 戦争をにくみ、平和を願う強い思いがこめられています。 |