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図書館の本はどう並んでいるの?

図書館の本はどのように並んでいるのでしょうか?
図書館の本は「音楽の本なら音楽のコーナー」「スポーツの本ならスポーツのコーナー」で見つけることができます。
図書館の本はテーマや主題(図書館では件名といいます)ごとに分類して並べているからです。

図書館の本はテーマ毎に並んでいます

では、どうしてテーマ(主題:件名)別に分類して並べているのでしょう。
皆さんは、テーマ(主題:件名)を決めて図書館に来ることが多いと思います。
「小説を読みたい」「料理の本を探したい」「歴史について調べている」といった感じですね。

もし、図書館の本が、出版された順番に並んでいたら、どうなると思います?
野球の本を探していても、去年出版された本の棚で野球の本を探し、10年前に出版された棚で探しと、あっちの棚こっちの棚と、図書館中の棚を探し回ることになってしまいます。それでは不便ですし非効率です。
そこでテーマ(主題:件名)ごとに資料を並べているのです。

テーマ(主題:件名)毎に並べるだけでは、十分に便利になったとはいえません。
テーマ(主題:件名)を五十音順に並べたとしたら、どうなるでしょう?
「野球」がテーマの本の次に、「野菜」がテーマの本が並ぶことになります。これでは、何か変な感じですね。「野球」の近くには他の球技の本、例えば「ラグビー」とか「サッカー」の本があるのが自然ですよね。

そこで、近いテーマ同士は、なるべく近くに並べられるような工夫がされています。
その工夫をまとめたものが「日本十進分類法(にほんじっしんぶんるいほう)(NDC:Nippon Decimal Classification)」です。

日本十進分類法(NDC)とは

日本の多くの図書館がこの「日本十進分類法(NDC)」をもとにして本をテーマ(主題:件名)別に分類し、分類された数字順に本を並べています。この日本十進分類法は1929年に最初のものが発行されて、時代とともに改定され続け、現在第10版まで改訂されている長い歴史のあるものです。
世田谷区立図書館では、この「日本十進分類法(NDC)」を元に資料を分類して、分類した結果をラベルにして本の背表紙に貼っています。そのラベルのことを世田谷区立図書館では「分類(請求)記号ラベル」と呼び、基本的にその数字順に本を並べています。

日本十進分類法(NDC)での分類方法

具体的に日本十進分類法では、どのように本を分類しているのでしょうか。

分類記号ラベルの見方

1桁目の分類(類目)

まず本のジャンルを9つに分けて1から9の類目に分けます。
どこにも当てはまらないもの、または全分野を扱うものを“0”に分類します(「百科事典」がその代表例です)。
これが第一次区分、1桁目の分類(類目)です。

2桁目の分類(網目)

1桁目で分けたものをさらに9つに分けます。
例えば「7」芸術の場合、“1”の「彫刻」から“9”の「諸芸・娯楽」まで細分類します。
1桁目の区分と同じく“0”は全分野を扱うもの、または1~9のどこにも当てはまらないことを表します。
これが第二次区分、2桁目の分類(綱目)です。

3桁目の分類(要目)

2桁目で分けたものをさらに9つに分けます。
例えば「78」体育・スポーツの場合、“1”の「体育・遊戯」から“9”の「武道」まで細々分類します。
1桁目、2桁目の区分と同じく“0”は全分野を扱うもの、または1~9のどこにも当てはまらないことを表します。
これが第三次区分、3桁目の分類(要目)です。

ラベルにします

世田谷区立図書館では、分類した結果をラベルにして、それを背表紙に貼っています。
たとえば『野球がじょうずになる本』は、テーマが「野球」、つまり「球技」ですから、
ラベルの1桁目、2桁目、3桁目の図解となり、
「783」に分類されます。

注意! 783番目の分類ではありません

球技がテーマの本は「783」と分類されますが、これは
1桁目が“7”、
2桁目が“8”、
3桁目が“3”とそれぞれ分類した結果をつなげた標記なので、“ナナ ハチ サン”と読みます。
783番目の分類ではないので“ナナヒャク、ハチジュウ、サン”ではありません

さらに細かく分類することもできます

世田谷区立図書館ではこのように3桁になったものが基本的な分類記号ですが、4桁目までさらに細かく分類する場合があります。
たとえば、先ほどの『野球がじょうずになる本』は「球技」として「783」に分類しました。
しかし、これでは同じ「783」の中に、「サッカー」や「テニス」など他の球技の本も同じところに分類されます。

「野球」の本を、他の球技の本と分けて、テーマを「野球」として分類したい場合は、
ラベルの1桁目、2桁目、3桁目、4桁目の図解
となり、 「783.7」に分類されます。(3桁目と4桁目の間には“.”を入れます。)
(読み方は前に説明したように“ナナ ハチ サン テン ナナ”です)

ラベルは本の住所です

このように「日本十進分類法(NDC)」では、最初に大きく分類し、その後に必要に応じて細かく分類することで、近いテーマ、似たテーマが順序良く並ぶようになっています。
世田谷区立図書館では、「日本十進分類法(NDC)」を元に分類した結果の数字をラベルにして、それを本の背表紙に貼っています。
図書館では、そのラベルの数字を元に、本を並べています。
本の内容(テーマ:件名)を数字にし、その順番に並べることで、テーマ毎に本を並べるだけでなく、近いテーマ同士の本が近い場所に置かれる工夫をしているのです。

小説・物語などの例外もあります

皆さんが普段読んでいる、「小説」や「物語」の多くは、「日本十進分類法(NDC)」ではテーマが「日本の近代小説」とされ、「913.6」に分類されます。しかし、日本の近代小説の冊数は非常に多いので、この「913.6」だけで本を並べると、本を探すことが困難になってしまいます。
そこで、世田谷区立図書館では、この「913.6」に分類される「小説」や「物語」は、ラベルに著者の頭文字を表示して、著者の五十音順に並べるようにしています。(頭文字の表示の仕方は図書館毎にことなります)
このように、NDCだけでは対処できない部分は、図書館ごとのさまざまな工夫により分類し、図書館に来た皆さんが、本を探しやすくしているのです。

書棚の中での並び方

書棚の並びの図解

「分類ラベル」をもとに、皆さんが探している本がある書棚に来ることができました。
では、書棚の中で、本はどのような順番で並んでいるのでしょうか。
図書館の本は右の図のように、左上から右下に「ラベル」の数字や文字のじゅん番で並んでいます。

ただし、大きい本とか小さい本は、たなの一番下や、一番上に別におかれていることもあるので、読みたい本が見つからなかったら、たなの上とか下もよく見てさがしてください。