ティーンズのページ

2023年1月~3月

これまでにおすすめした本

3月

子どもお悩み相談会-作家7人の迷回答-
5.kodomo.jpg 角田光代 著 
高野秀行 著 
高橋秀実 著 
津村記久子 著 
東直子 著 
町田康 著 
三浦しをん 著 
中央公論新社

 子供から寄せられた悩みに答えるのではなく、人生のマナーに関する大人向けの新聞連載の中からエッセイを抜粋し、編集部が新たに質問文などを追加し、再構成した本です。子供の頃や大人になってからも感じる、“人といて沈黙が続くと焦る”“すぐクヨクヨしてしまう”等のささやかながら切実な悩みについて、7人の作家が回答しています。悩みを抱えているのが自分だけではないという気持ちになり、ほっとできる本です。

君たちが生き延びるために-高校生との22の対話-
5.kimitachiga.jpg 天童荒太 著 
 
筑摩書房

 母校の後輩達からの多岐にわたる疑問や悩みに対し、著書は真摯に向き合い答えます。そして僕の答えを利用し、自らの疑問や悩みに正面から向き合ってほしいと望みます。タイトルには「挫折や不安はあって当然、弱いところを見せったっていいだろう。生きていれば人生の喜びに絶対に出会えるはず。」と伝えたい著者の思いが込められています。悩みや挫折は付きものですが、生きることをを楽しもうと訴えかけてくる本です。

18歳から「大人」?1-成人にできること、できないこと-
5.jyuhassai.jpg 『18歳から「大人」?』編集委員会 編著 
 
汐文社

 民法改正により20歳だった成人の年齢が18歳になり1年が過ぎようとしています。この本では、改めて「成人」になるということはどのようなことなのか、また「成人」「成年」「大人」の違いとは何かを、わかりやすく書いています。法律上の大人になることへの理解が深まるとともに、成人が担うべき責任についても、考えさせられる本です。

死の科学-そのとき生物の体に何がおきるのか-
5.shinokagaku.jpg ニュートン編集部 編著 
 
ニュートンプレス

私達生きているものには、必ず“死”が訪れます。しかし、“死”とはどのような状態になることを指すのでしょうか。そして死んでしまった時、体にはどのような変化が起きているのでしょうか。曖昧な“死”について、様々な視点から、科学的にカラーとCGイラストを使って解説しています。生と死について考えるきっかけになる一冊です。

2月

はじめての動物地理学-なぜ北海道にヒグマで、本州はツキノワグマなの?-
5hajimete.jpg 増田隆一 著 
 
岩波書店

地球上にいるたくさんの野生動物。進化の過程や大陸の変動などで住む場所を変えたり、世代を重ねていくうちに現在の分布が形づくられてきたことがわかります。ヒグマやツキノワグマが動物の地理境界線を越えられずに留まり、それぞれ固有種になったなどの事例が豊富で、動物の種類と地理との深い関係がわかりやすく解説されており、動物への興味が一層深まります。

手で見るぼくの世界は
5tedemiru.jpg 樫崎茜 作 
酒井以 装画・挿絵 
 
くもん出版

 佑(たすく)は5歳の時に失明し、視覚支援学校中学部で寄宿舎生活を送っています。ところが、小学部からのクラスメイトの双葉は中学部入学前、晴眼者との接触事故をきっかけに、登校出来なくなりました。佑は何度連絡しても無視され、イライラしましたが、双葉の本心に気付いた佑は、彼女に会いに行こうと決意します。また、双葉も、次の一歩を踏み出そうとしていました。視覚障がいを持つ人の日常がリアルに描かれ、他人への配慮について改めて考えるきっかけとなる物語です。
 

宇宙飛行士-夢の仕事場 動画と図解でよくわかる-
5uchyuhikoushi.jpg 鈴木喜生 著 
 
朝日新聞出版

 宇宙を目指す人のための入門書です。宇宙旅行をするための準備から、宇宙飛行士になるための方法や月・火星に行く方法まで、宇宙に関する知識が満載で、宇宙開発の歴史から最新情報までよく理解出来る一冊です。写真や図解が多く、見ているだけでも宇宙への探求心が湧いてきます。

ぼくたちクルド人-日本で生まれても、住み続けられないのはなぜ?-
5bokutachi.jpg 野村昌二 著 
 
合同出版

クルド人とは、どこの国に暮らしているでしょうか?実は、推定3千万人を超える人口ながら、現在自らの国土をもたない民族なのです。ただ人として生きていくための場を求めて、日本にも来ています。しかし難民に対する政策は、ここで生きたいと願う人達を翻弄し続けています。日本が海外から来た人々に向ける、ぞっとする側面に衝撃を受けるとともに、クルド人の切実な思いに、強く共感させられる本です。

1月

わからなさを生きる哲学
5_wakaranasa.jpg 岡山敬二 著
 
亜紀書房

人生でふと、「私はなぜ生きているのだろう」と考えることがあるかもしれません。そのようなことを考えるのが哲学です。この本では、“人間”“死”について、哲学者たちがどう考えてきたのかが紹介されています。人間の根源的な問いに対し続け、答えのない哲学の世界を、図も交えて易しい言葉で語る本です。

ごはん食べにおいでよ
5_gohan.jpg 小手鞠るい 作
satsuki 画
講談社

ベイカリーカフェ“りんごの木”の店主である雪は、家では肉類を食べない“家だけベジタリアン”です。物語は、雪が中学生の頃に「ごはん食べにおいでよ」を合言葉に雪の住むマンションに集まって来た友達や同じマンションに住む親子、行きつけのパン屋の店主とのふれ合いを描きます。料理を軸としつつも、環境問題や動物愛護、LGBTについて考えさせられる物語です。