ティーンズのページ

2020年7月~12月

これまでにおすすめした本

12月

サード・プレイス
5sa-dopureisu.jpg ささきあり 作 
酒井以 絵
 
フレーベル館

小学校時代に苦い思い出があり、自分の好きな事を友達に言えない瑞希。先生にも母親にも信じてもらえなかった過去を引きずる大輝。それぞれ悩みを抱えている4人が、家とも学校とも違う、中高生が自由に過ごせる第三の場所「サプリガーデン」の中で、様々な出会いや経験をします。「サプリガーデン」で自分らしく生きることを学び、それぞれの新しい一歩を踏み出していくまでのおはなしです。

ベランダの秘密基地―しゃべる猫と、家族のカタチ―
5beranndanohimitukiti.jpg 木村色吹 著 
 
KADOKAWA

 平凡な夏休みを送る高校一年生のカケル。しかし、突然飼い猫たちが人間の言葉をしゃべり出し生活は一変します。それは、周囲の動物たちも同じでした。国がしゃべる動物を捕獲し始める中、カケルは自分の飼い猫たちを守るため、ベランダに秘密基地を作ります。そんな騒動を巡って、学校の女子の井上さんやバラバラだった家族と新たな関係が築かれていきます。さて、カケルは動物たちを守ることができるのでしょうか?

世界とキレル
5sekaitokireru.jpg 佐藤まどか 著 
 
あすなろ書房

  架空のキャラクターを設定したSNSに「いいね!」をたくさんもらうことで、喜びを感じていた中学生の舞。充電さえ忘れなければ、スマホはいつどこにいても自分と世界をつなぐ窓でした。そんな舞が、母の策略でスマホ禁止のサマースクールに送りこまれてしまいます。避暑地の洋館で波乱の3週間を経験する少女の成長物語です。

11月

人生で大事なことはみんなゴリラから教わった
5.jinnsei_de.jpg 山極寿一 著 
 
家の光協会

 日本やアフリカなどで、40年以上ゴリラやサルの研究をしてきた著者が、ゴリラの群れに入り分かったことを紹介しています。ゴリラは、群れの中で自己主張をしますが、他のゴリラたちとは距離をおき、相手と必要以上に関わらない様子がよくわかります。ゴリラの行動は、人間にも当てはめて考えられるところがあるのです。友達関係で悩んだり、自信が持てない若者も勇気づけられます。

ハジメテヒラク
5.hajimete.jpg こまつあやこ 著 
 
講談社

綿野あみは5年生の時、クラスで仲間外れにされていましたが、従姉の早月の影響で、クラスの出来事を脳内で実況することが趣味になります。中学校に入学して、ひょんなことから生け花部に入り、部活を続ける中で出会った人達との関わりから、少しずつ積極的になっていくあみ。やがて文化祭で生け花ショーを開く提案をし、初めて脳内ではない実況も経験することになっていきます。

紙の心
5.kami_no.jpg エリーザ・プリチェッリ・ グエッラ 作 
長野徹 訳 
 
岩波書店

 ある日、少女が見知らぬ誰かへの手紙を本に挟み図書室の棚に置きます。それをみつけた少年が返事を書いたことで、二人の文通が始まります。互いを探り合いつつも、不安や心の傷を告白し合い次第に関係が深まっていきます。そんな中、ある秘密を知った少年は、少女や友達とともに社会の闇に立ち向かうことになります。物語はすべて二人の往復の手紙で、初々しい恋の始まりや迫りくる危機がよりリアルに伝わります。

10月

跳べ、暁!
5tobe.jpg 藤岡陽子 著 
 
ポプラ社

家庭の事情で中学2年の5月に転校することになった暁は小学生時代からバスケットボールをやっていました。しかし、新しい学校には女子バスケ部がありません。仲良くなった欣子と女子バスケ部を立ち上げます。集まった仲間たちは元バレーボール部・陸上の有名選手・不登校など何かしら問題を抱えていました。キャプテンの暁を中心に、バスケットボールに打ち込みながら自分たちの道を切り開いていく女の子たちのさわやか青春ストーリーです。

魔女と花火と100万円
5majyo.jpg 望月雪絵 作 
 
講談社

引っ込み思案の杏と成田くんは中学2年生です。先生から「文化祭が、来年からなくなります。」と一方的に言われ、成田くんは先生に理由を聞いたところ、「イベントには予算が必要。」と言われました。成田くんは杏に「文化祭を取り戻すのを手伝ってほしい。」と頼み、文化祭復活のために、内緒でお金を集め始めます。復活活動を通して杏たちが成長していく姿がほほえましい物語です。

できちゃいました!フツーの学校
5deki.jpg 富士晴英とゆかいな仲間たち 著 
 
岩波書店

ここでいう‟フツーの学校”とは、東京の私立の中学校・高等学校にいる多感な生徒とそれを見守る教員がいるごく普通の学校のことをいいます。ここの校長先生が掲げるのは失敗OK!しくじりOK!の学校づくりです。独自の授業や部活動を通して自分を肯定し、挑戦する意欲を育てる実践がつづられています。‟フツーの学校”の魅力満載の一冊です。

9月

青春ノ帝国
5 seisyun20200909091409.jpg 石川宏千花  著
 
あすなろ書房

 中学二年生の佐紀は、学校で関口さんとしか呼ばれません。そんな佐紀にとって唯一名前の佐紀で呼ばれる心地よい場所がありました。そこは、弟の通う“科学と実験の塾”でした。その塾は、一風変わっているうえに塾に行けば、佐紀の気になっている転入生の奈良くんと、学校以外で会える特別な場所でもありました。塾を通して、出会った人々への思い、学校での友人関係などの青春物語が、少女の心情豊かに描かれています。

無限の中心で
5 mugennno20200909091256.jpg まはら三桃 著 
 
講談社

 高校2年生の“とわ”は新聞部の助っ人で数学オリンピック を目指す数学研究部を取材することになりました。しかし、数学研究部では、解きかけの難問を置いていくと木曜に回答がされているという“木曜のミステリー”が起こっていました。“とわ”は解答を見ているうち、あることに気付きます。主人公が苦手な数学の面白さに気付く過程や昔の苦い記憶と向き合う姿に共感する1冊です。

イーブン
5 i-bunn20200909091256.jpg 村上しいこ 作 
 
小学館

 友だちだと思っていた子に裏切られて学校へ行けなくなってしまった美桜里(みおり)。ママは無理に学校へ行くようには言わないけど、1人で家にいるのは物騒だからと、昼間はおばあちゃんのところへ行くことになりました。おばあちゃんの知り合いの人たちとの交流を通して、美桜里は少しずつ人との関わり方を知り、成長していきます。

8月

僕たちの部活動改革―部活自治・10のステップ―  
5.bokutachino.jpg 神谷拓  著
 
かもがわ出版

中学生のタクヤが所属する男子バレーボール部は、ある日突然、校長先生から廃部宣告を受けます。バレーを続けたいタクヤたちはどうしたら続けられるか話し合い、先生達とも相談の上、様々な問題を自分たちの力で乗り越えていきます。部活運営に奮闘するタクヤたちの物語を通して、わかりやすく“ブカツノヒケツ”が学べる解説書です。

赤毛証明
5.akage.jpg 光丘真理 作 
 
くもん出版

中学一年生の堀内めぐは、生まれつきの赤毛に、全くコンプレックスを持っていませんでした。しかし、ある日、生徒手帳に“赤毛証明”というゴム印を押されたことをきっかけに、普通とは何かについて考え始め、それを夏休みの自由研究のテーマに掲げます。彼女が夏休みに様々な人との出会いを通して考え、自分なりの結論を導き出していく様子に、勇気を与えられます。

兄の名は、ジェシカ
5.aninonawa.jpg ジョン・ボイン 著 
原田勝 訳 
 
あすなろ書房

14歳のサムが尊敬する兄のジェイソンは優しくて、サッカーが上手で、学校でも人気者でした。彼らの両親は政治家として働いていますが、ある日、ジェイソンが重大な秘密を打ち明けたことから状況が変わります。彼がトランスジェンダーについて悩み、今後の生き方を真剣に考えはじめたときの家族の戸惑いや、周囲の様々な反応を弟の目線から描いています。

7月

ドーナツの歩道橋
5_dona.jpg 升井純子 著 
 
ポプラ社

高校に入学したばかりの麦菜は、両親、弟、介護が必要になったために同居したおばあちゃんと5人で暮らしています。麦菜の記憶の中の元気なおばあちゃんとは違う今の姿に戸惑ってしまいます。大好きな人だからこそ、どう接すれば良いのか分からない複雑な心情や、将来関わっていくかもしれない介護について、考える機会になる物語です。

あなたの不安を解消する方法がここに書いてあります。
5_anat.jpg 吉田尚記 著
 
河出書房新社

自称“コミュニケーション障害”で“オタク”のラジオ局アナウンサーが、誰もが抱える不安について、自身の経験をもとに明るく解説しています。不安の正体を明らかにしようから始まる、4つのメソッドで不安を解消しようという内容です。コラムや引用などのわかりやすい表現を用いて、コミュニケーションの大切さを伝えています。

博士の愛したジミな昆虫
5_haka.jpg 金子修治 編著
鈴木紀之 編著
安田弘法 編著
 
岩波書店

身の回りにたくさんいる、ジミだけれど魅力のある虫たち。この虫たちに夢中になってしまった10人の昆虫博士たちの研究のおはなしです。博士と虫たちの関わりや、虫たちがもたらしてくれた人々との出会い・絆についてはなし広がります。博士たちの"生き方”や"人生”も垣間見える作品です。