ティーンズのページ
2020年1月~6月
6月
工藤純子 作 酒井以 画 | |
くもん出版 | |
中学3年生の琴葉は、精密機械工場を経営する父と、母、弟の裕太、そして父の工場で働くことになった17歳の天馬と暮らしています。ある時、父が大口の注文を断ったせいで工場の経営が苦しいことを知り、断ったことに納得がいかない琴葉。天馬と打ち解けていく中で、父や天馬の苦悩を知ることに。平和な未来につなげていくために、今、自分はなにができるか考えるきっかけをくれる本です。 |
三田村信行 著 佐々木マキ 画 | |
理論社 | |
夏休みに一人でおばあちゃんの家に行ったなつおは、奥の間にある“半面の翁”にまつわる言い伝えを初めて知ります。あくる日、村に来る途中で知り合っためぐみちゃんが、つばき山の墓地で倒れていました。「自分でもなぜここにいるのかわからない」と言うのです。背中がゾクッとするような、不思議なお話が集められた短編集です。 |
小手鞠るい 作 | |
小学館 | |
中学生の窓香は小さい頃に両親が離婚してしまい、父親と祖母と暮らしています。ある日、学校から帰ると外国から小包が届いていました。不思議に思いながら小包を開けると、お母さんが窓香に宛てた「手紙ノート」が入っていました。窓香と一緒に読者もノートを読み進めていくと、世界のこと、人生について、自分達にできることなどを考えずにはいられなくなります。 |
5月
石黒真木夫 著 | |
岩波書店 | |
例えば選挙のニュース。まだ開票していないのに「当選確実」と発表できるのはなぜでしょうか。また降水確率のように、地震が発生する確率を予報することは可能なのでしょうか。ほかにも、すごろくやじゃんけんなどを例に、生活の中にひそむ身近な疑問を統計学の世界から読み解きます。 |
いとうみく 著 | |
講談社 | |
長距離の高速バスの事故で視力を失った兄の朔。自分のわがままでそのバスに一緒に乗ったことを弟の新は深く悔やみ、夢中だった中学の陸上部をやめてしまいます。寄宿制の盲学校から1年ぶりに家に帰った朔はそれを知り、高校生になった新に「ブラインドマラソン」で自分の伴走者となるよう頼みます。1本のロープを手に取り合い、心の葛藤(かっとう)の中で兄弟2人の挑戦が始まります。 |
市原真 著 | |
筑摩書房 | |
「どこからが病気なの?」という実に単純な問いに対して、医師である著者なら病理学的な見地から答えるのは簡単なはずですが、平易で正しく答えるとなると、一筋縄ではいかないようです。単純な問い掛けが、とても難しい問いかけでもあることも伝わります。また、著者の臨床経験から参考にした事例による説明が、とてもわかりやすく、「病気と健康の線引き」や「病気ってどうやって決めるの?」などの疑問に対してしっかり答えへ導いてくれます。 |
4月
後藤光将 編著 | |
岩波書店 | |
オリンピック・パラリンピックの魅力とは何かを、歴史、人物、社会、平和など様々な視点からひも解いています。著者は、明治大学政治経済学部教授、博士(体育科学)であり、NPO法人日本オリンピック・アカデミー理事などを務めています。オリンピック・パラリンピックを観る目が変わる一冊です。 |
渡辺仙州 作 | |
ポプラ社 | |
昔、唐(今の中国)から日本の京の都に連れてこられた1匹の黒猫と、彼を飼うことになった若き皇子との物語。最初は互いに冷ややかな関係でしたが、平安貴族たちの高位争いに巻き込まれる皇子の様子を見かねた黒猫は、知恵を絞って人知れず奮闘することに。人間の言葉を解するワケありの黒猫によって話がコミカルに語られ、登場する人物・猫たちの何気ない心のかよい合いにはジーンときます。 |
青木省三 著 | |
筑摩書房 | |
トラウマとは何でしょうか。精神科医の著者が、そのことを丁寧に説明しています。トラウマとは心の傷であり、トラウマ反応とは傷から心を守ろうと戦っている状態です。そして、人がトラウマから癒えるためには、周りの人が本人に押しつけがましいことを言わず、本人が居場所を感じられ、安心できる環境を整えることが大切だと筆者は説きます。多くの事例から、いたみを癒すヒントをくれる本です。 |
3月
森達也 著 | |
ミツイパブリッシング | |
現代社会は、様々なメディア媒体の普及により、情報があふれています。その中にはフェイクニュースと呼ばれる不確実な情報も多く存在しています。メディアで流れる情報に惑わされずに、情報から真実を見極めるにはどのようにしたらよいのか、メディアの特性を活かして自分で判断するために必要なことが記されています。 |
メグ・メディナ 著 橋本恵 訳 | |
あすなろ書房 | |
名門私立中学校に編入して2年目のメルシは、規則にうるさい先生や、気に入らないクラスメイトたちに振り回される毎日です。彼女はサッカーチームに入りたいのですが、同じ敷地に住むわんぱくな双子の世話などで時間が取れません。その上、大好きなおじいちゃんがアルツハイマー病に。辛いことばかりですが、家族の温かさを感じられる本です。 |
池辺晋一郎 著 | |
平凡社 | |
世田谷にゆかりのある著者が、音楽の魅力を深く掘り下げています。歴史上の作曲家については勿論のこと、楽譜の成り立ちや奏者にとってのコンクールの意義、また、良い音楽とは何か?などQ&A形式で語っています。せたがやジュニアオーケストラ立ち上げ時のエピソードもあり、音楽に興味のある人はぜひ手に取って欲しい一冊です。 |
インフォビジュアル研究所 著 | |
太田出版 | |
私たちの身の回りにプラスチックが溢れている事を思い知らされます。この本では、プラスチック誕生からその性質について、また、各国や企業・個人による環境対策の取り組み例まで、あらゆる角度からプラスチックを知ることができます。持続可能な開発目標(SDGs)の記事もあり、自分に何ができるか考える手助けになります。 |
2月
リサ・クライン・ランサム 作 松浦直美 訳 | |
ポプラ社 | |
ラングストンは母の死後、父に連れられ故郷アラバマからシカゴへと移住します。環境の違いや学校でのいじめなど孤独な毎日ですが、ある日町で偶然図書館を見つけます。そこは黒人でも誰でも利用できる図書館でした。彼は自分と同じ名前の詩人の存在を知り、その世界に夢中になっていきます。詩との出会いによって強さと希望を得ていくラングストンの姿が描かれています。 |
織田朝日 著 | |
旬報社 | |
戦争や政治問題、民族差別などから逃れるため、生まれ育った国から避難せざるを得ない人々。それが難民です。日本にも難民はやって来ていますが、申請してもなかなか難民認定されないのが現状です。ビザがないため収容所に入れられ、犯罪者のような扱いを受けて苦しんでいる人もいます。支援活動をしている著者が、その過酷な現実を広く知ってもらいたいと必死に訴えます。 |
デイビッド・セイン 著 | |
河出書房新社 | |
今の日本では英語が重要視される一方、英語に拒否反応がある人も多いのでは?著者はそんな人達にこう語りかけます。英語は「ことば」であり、自分の考えを伝えるための道具だ。日常会話は中学英語で十分。だから、何か言われたら1単語でも返そう。発音なんて気にするな!と。他にも、"英語を身につける"ため、どのように勉強すれば良いかのヒントがたくさん書かれています。 |
1月
中澤晶子 著 ささめやゆき 装画・カット・地図 | |
国土社 | |
四番町少年合唱団の開は、長崎からの転校生、翔平の美しい声に驚きが隠せません。ある日、開と翔平は、町はずれの小さな森で透き通った声を聴きます。その声は、翔平にどこか似ていました。定期演奏会で400年以上昔の聖歌を歌うことになった二人は、天正遣欧使節の少年たちの演奏を想像しつつ練習に励みます。そして、二人に不思議なことが次々と起きます。 |
マイケル・モーパーゴ 作 杉田七重 訳 | |
小学館 | |
イギリス人の青年ヴィンセントは、ゴッホが描いた南フランスの風景に導かれ旅に出ました。フラミンゴが住む湿地帯を歩いている時、嵐に巻き込まれ命を落としそうになります。彼を助けたのは、ロレンゾという男性と、ケジアという女性でした。彼はケジアから、生い立ちやナチスによるフランス占領などの話を聞き、ヨーロッパの埋もれた歴史を知ることとなります。 |
元永知宏 著 | |
岩波書店 | |
プロスポーツ選手を夢見て日々努力を積み重ねても、成功するのは一握りです。この本では、補欠=チームの縁の下の力持ちだった経験を活かし、現在違った生き方を選択した8人から、レギュラーになれず悩んでいる人々へのメッセージが描かれています。 |