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2017年1月〜6月

1月

空への助走 ―福蜂工業高校運動部―
  壁井ユカコ 著
集英社

福井県の工業高校の運動部で練習に励む高校生ひとりひとりが主人公の物語です。バレーボール部、陸上部、柔道部…それぞれでスポーツと向き合う彼らを取り巻く複雑な人間関係や将来への思い、そして恋と友情をリアルに描きます。また彼らの中学生の頃のエピソードも盛り込まれており、10代の子どもたちが成長していく様子に深みを与えています。

高校生が目標に向かって熱く頑張る姿に、元気を分けてもらえるお話です。

きみの声を聞かせて
  小手鞠るい 著
偕成社

T・S・エリオットの詩と新美南吉の童話から始まるこの物語は、東京に住む中二の失語症の少女と、ニューヨークに住むピアノが大好きな十五歳の少年が主人公です。二人はソーシャルメディアを使い、それぞれの表現方法である「詩」と「音楽」で交流をしていきます。人はなぜ心を閉ざすのか、傷付くことや悩みとは何かを考えさせてくれる一冊です。

あたしの、ボケのお姫様。
  令丈ヒロ子 著
ポプラ社

水口まどかは中学二年生、小学校で一緒に漫才コンビを組んでいた相方のキエ蔵とはなんとなく合わなくなって自然消滅してしまいました。けれど漫才はずっと続けたいと思っていたところに千佳瑠璃莉(ちか・るりり)が転校してきます。その昭和のアイドルっぽい雰囲気やしぐさと話し方に、一目で「この人だ!」と感じたまどかは瑠璃莉を漫才の相方に誘います。

いつも明るい瑠璃莉の家庭の事情を知ったときの驚きや、元相方のキエ蔵への思いなど、まどかを取り巻く仲間たちとの青春物語です。

2月

14歳
  小林深雪 著
みうらかれん 著
安田夏菜 著
如月かずさ 著
市川朔久子 著
講談社

幼稚園のときから家族ぐるみで仲のよかった友達への片想い。百人一首をきっかけに関わりを持った目立つところのないクラスメイトへの気持ち。同性の親友に対する密かな恋心。ジャグリングを教えてくれた大学生への憧れ。一緒に転校してきた同級生への特別な想いなど、思春期に入った14歳の少年少女たちの揺れ動く淡い恋心を人気のYA作家5人が描いた短編集です。

アレグロ・ラガッツァ
  あさのあつこ 著
朝日新聞出版

高校の吹奏楽部を舞台に、フルートの美由、ユーフォニアムの菰池(こいけ)くん、パーカッションの久樹さんの織り成す物語。

自分の気持ちを語りあえる友達のありがたさがとても伝わる作品です。

ラガッツァとは、イタリア語で女の子・少女・娘という意味です。

3月

正しい目玉焼きの作り方 ―きちんとした大人になるための家庭科の教科書―
  森下えみこ イラスト
毎田祥子 監修
井出杏海 監修
木村由依 監修
クライ・ムキ 監修
河出書房新社

将来ひとり暮らしをしても困らないように、また家族と楽しく暮らすために、ごはんの作り方、掃除洗濯の仕方など生活の「基本のき」をまとめた一冊です。管理栄養士や家事アドバイザーたち生活のプロの指南で、心地よく豊かな毎日を過ごすために、参考になる本です。

きみのためにはだれも泣かない
  梨屋アリエ 著
ポプラ社

恋、友情、嫉妬、葛藤…。これらは誰もが青春時代に通る道といえるでしょう。この本は、青春まっただなかの男女10人がくりひろげる、ショートストーリー集です。10人それぞれの内に秘めた、甘くてほろ苦い思いが、さわやかに描かれています。

北極・南極探検の歴史 ―極限の世界を体感する19のアクティビティ―
  Maxine Snowden 著
石沢賢二 監訳
鈴木理 訳
丸善出版

北極・南極には、多くの探検家による探検の歴史があります。人類にとって全くの未知の世界であった極地の謎が、極地探検によって解明されてきました。この探検の歴史は、それぞれに史実・記録がありますが、この内容を精査し、正確な内容としてまとめた本です。

また、この本の中には、「ためしてみよう」というコラムがあります。たとえば「ヴァイキングのコンパスをつくろう」「気圧計をつくろう」「食べられる南極大陸をつくろう」など、様々な実験が紹介されています。この本を読むことで、日常とはかけ離れた極地の事柄を、とても身近に感じることができます。

4月

がっかり行進曲
  中島たい子 著
筑摩書房

小学生の「わたし」は、運動会、遠足、大切な日に限ってぜんそくの発作を起こしてしまいます。学校も休みがちになってしまい、かわいいあだ名も付かないまま「佐野さん」と呼ばれています。がっかりとした気持ちがどんどん積み重なります。

この本は「小学生のわたし」「中学生のわたし」「高校生のわたし」の3章から構成されています。大人になることに悩める中高生に薦めたい一冊です。

101人が選ぶ「とっておきの言葉」
  河出書房新社 編
河出書房新社

それぞれの分野で活躍する総勢101人の第一人者たちが、「とっておきの言葉」を語ります。

辛いときに支えにしている言葉、仕事で大事にしている言葉、座右の銘など、世界を切り開いてきた方々の話は、悩みや葛藤の多い思春期の子どもたちに響くものも多いはずです。

5月

iPS細胞を発見!山中伸弥物語 −折れない心で希望をつなぐ!−
  上坂和美 著
PHP研究所

ノーベル賞を受賞したiPS細胞の発見までには幾度もの失敗と挫折がありました。それでもあきらめなかった山中氏の「折れない心」の成分分析をすると、自然への謙虚さと絶えざる希望が見えてきます。そして彼の謙虚さを支えていたのはお母さんの言葉「何か悪いことがあったときは『身から出たさび』、つまり自分のせい。いいことがあったら『おかげさま』なんよ」がありました。だれも挑まなかった困難な研究に取り組み続けた山中氏の半生の物語です。

僕は上手にしゃべれない(teens‘ best selections 43)
  椎野直弥 著
ポプラ社

4月から中学にあがった柏崎悠太は、吃音で苦しんでいました。入学式の学校帰りにもらった放送部のちらしを見て、吃音が治せるかもしれないと思い、勇気を出して入部します。クラスメイトで一緒に入部した古部加耶と、発声の基礎練習や、アニメの台本を読んで克服しようと頑張ります。しかし、練習が苦しくて、普通にしゃべる周りの人たちを、「自分の苦しみはわからない、心配されても迷惑だ」と一度は拒絶してしまいます。

友達や家族からの助けを得て、苦しい「しゃべること」から逃げず、乗り越えようと頑張る少年の物語です。

ときめき百人一首 (14歳の世渡り術)
  小池昌代 著
河出書房新社

百人一首といえば、昔の言葉で書かれていて難しいと敬遠されがちですが、「三十一文字(みそひともじ)」の歌の中に今も昔も変わらない人々の恋や悩みや感動が綴られています。本書では、同じ歌合せで競った歌が隣り合わせで入っていることや、母親が有名な歌人(和泉式部)であったが故に娘の小式部内侍が苦労したエピソードなども書かれており、より百人一首に興味を持てるよう工夫されています。わかりやすい言葉で百人一首への興味を広げてくれる、入門書としておすすめの1冊です。

6月

100時間の夜
  アンナ・ウォルツ 作
野坂悦子 訳
フレーベル館

14歳のエミリアは、自分の居場所を求めて、ひとり、オランダからあこがれのニューヨークへ向かいます。ところがニューヨークでの滞在中にハリケーンが直撃し大停電に見舞われます。ニューヨークで知り合った15歳のセスと9歳のアビーの兄妹、17歳のジムと様々な経験をとおして、4人は強い絆で結ばれていきます。家族について、孤独について悩んでいるあなたに一歩踏み出す勇気をくれる物語です。

ふたりのせかいりょこう −東日本大震災から6年−姉妹人形の奇跡−
  佐藤美香 著
祥伝社

3・11東日本大震災の日、愛梨ちゃんは幼稚園の送迎バスに乗っていました。そして津波に飲み込まれ、その後に発生した火災で亡くなりました。妹の珠莉ちゃんは大好きなお姉ちゃんに会いたい思いを「お姉ちゃんと私に似た人形が欲しいです」と書いてサンタクロースに手紙を出しました。そして、「お姉ちゃんとたくさん海外旅行をしたかった」という妹の願いを受けて、その姉妹人形は海外旅行に出かけます。小さな少女の被災した姉へ寄せる思いに、たくさんの人々の心が動かされ実現した真実の物話です。

か「」く「」し「」ご「」と「
  住野よる 著
新潮社

高校生5人のクラスメイトそれぞれの立場から語られる5つの物語です。5人は、ちょっと特別な能力―他人の気持ちが見える能力を持っていますが、お互いそのことは知りません。一見、便利そうな能力ですが、反対にお互い気を使って、誤解が生じたりしてしまいます。高校生の何気ない学校生活のなかでの友情と恋愛の物語です。