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「本で旅をしよう!」〜図書館員がオススメする本〜

作成日:2020年6月3日

 外出を控え、自宅で過ごす時間が増えています。気持ちだけでも旅をして楽しんでいただこうと「本で旅をしよう!」を企画しました。興味を持たれた本は、ぜひ予約して読んでみてください。まずは第1弾です。

〜きょうも京都で京づくし〜

 京都といえば、春は桜、秋は紅葉、季節ごとの古くからの風習、歴史を感じる寺社仏閣、一年を通じていつでも日本情緒を楽しめる今や世界的な観光地ですが、あまりに見どころが多くて、行きたいけれどどこを回ればいいのかとても迷いますね。

 そんな時この本があれば、次はどの季節に何を見に行くか、これは食べておきたい!と目指すものが次から次へとわいてきます。

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『きょうも京都で京づくし 地元の遊び方とおいしいもん』(地球の歩き方コミックエッセイ)てらいまき著(ダイヤモンド社)

 著者のてらいまきさんは京都生まれの京都育ち。ですが20歳を過ぎるまで京都の風習にはあまり興味が無く、このままでは子供ができたときに京都の事を伝えられないと、京都好きのご両親に教えを乞うことに。
 京都の伝統的家屋「町家」の紹介から始まり、師匠(母)について回って学んだ季節ごとの風習を、身近な美味しいものも交えて、ほとんど観光客目線で紹介してくれます。

  お花見、紅葉狩りの穴場スポット、初詣から壬生寺のほうらく奉納、有名な祇園祭、八坂神社の夏越祭やをけら詣り、お盆の六道まいりなどの伝統行事、また知恩院のミッドナイト念仏といった新しいものまで紹介しています。

  かわいらしいイラストと共に読むだけでも臨場感たっぷりに京都を楽しめる一冊です。(Y.O)

 

〜長崎より〜

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『解夏』さだまさし著(幻冬舎文庫)

 物語は坂道から始まります。主人公の隆之とその母が、長崎特有の山の斜面にある墓を参る光景が丁寧に描かれ、最初から長崎の風が吹いてくるようです。
 東京で小学校の教師をしている隆之はベーチェット病という目の難病にかかり、いつ訪れるとも分からない失明の恐怖を抱えて、一人故郷の長崎に帰郷します。別れを告げてきたはずの恋人もまた、彼を支えるために長崎へとやって来ます。二人が長崎の町を歩くある日、大きな発作をやり過ごして休んでいた折に、作務衣の老人と出会います。
 元僧侶のその老人は二人を寺に招き入れ、禅宗の行について話しだします。老人は隆之の、いつか失明した時に完治すると言うその病を、雨期の時期約90日間庵に篭り座禅する修行に例え、失明の恐怖から解放されるその日が、あなたの「解夏」だと言うのです。
 大きな不安と闘う彼を、故郷の仲間、家族が支え、隆之は懐かしい故郷の風景を心に刻む毎日。そうしていよいよ解夏を迎えた時、彼が見たものは……。

 人の心の弱さ、強さ、優しさ、そして生きる希望を与えてくれる一編です。
 長崎に旅して、実際に聖福寺の鬼塀、諏訪神社、勧善寺、興福寺の竜舌蘭、稲佐山などを訪ねたくなります。

 その他、異国から来た花嫁がその土地に根付いていく「秋桜」、ダムの建設で故郷を奪われた幼馴染の二人がある少年を介して再び巡り会う「水底の村」、壊れそうな家族が認知症の父の思い出の家を捜すうちに絆を取り戻していく「サクラサク」の三編です。(Y.O)

 

〜宝塚が舞台の物語〜

 宝塚歌劇団の本拠地「宝塚」は、「歌劇の街」として有名ですが、閑静でお洒落な住宅街です。そんな「宝塚」が舞台の3作品を紹介します。

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『風よ僕らに海の歌を』増山実著(角川春樹事務所)

 宝塚の老舗イタリア料理店創業者の史実に基づいたフィクション。
 イタリア人水兵は訪日中に母国イタリアが降伏したため、神戸で日本の捕虜となりました。後に日本人女性と結婚。
 故郷シチリアの味を宝塚に再現。予想しないことが起こる人生を楽しんで生きるというイタリア人気質に今勇気をもらいます。
 宝塚やイタリアシチリアの街並みの描写もわくわくします。

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『スイート・ホーム』原田マハ著(ポプラ社)

 阪急宝塚山手台のキンモクセイ香るケーキ屋さんを舞台とした小説。
 実際に宝塚駅からバスで高台へ行くととても閑静な住宅街があり、その情景が目に浮かびます。読書後はおいしいケーキを食べてお茶を飲みたくなるでしょう。

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『阪急電車』有川浩著(幻冬舎)

 映画化もされた作品で、宝塚駅始発阪急今津線の一駅ごとにあるドラマがストーリーを作っています。周りの風景描写と人情、心情描写に関西人のやさしさが表れています。(M.N)

 

〜コーヒーを楽しむ旅の始発駅〜

『韓国カフェ巡りinソウル』東山サリー著(ワニブックス)

 家の中での楽しみは何でしょうか?図書館を利用されている方は読書好きも多くいらっしゃると思います。私は本も好きですがテレビドラマが大好きです。特に外国ドラマはストーリーも大事ですが、シーンの中に映るファッション・雑貨・食べ物などその国の文化が気になります。時にはその国へ行って実物を確かめたくなります。

 今回紹介する本はタイトルからもお分かりのように韓国のカフェ案内の本です。実は私は紅茶党でコーヒーは飲みませんでした。けれども、韓国ドラマの中でコーヒーを飲むシーンがあまりにも多いので興味を持ちました。
 実際にソウルへ行くと東京と同じように外国チェーンのカフェもあり、韓国発のコーヒーチェーン店も沢山あります。
 こうした中で最近はインスタ映えするメニューや個性的なインテリアで注目される個人カフェもガイドブックで紹介されるようになりました。勿論ネットでは見つかります。

 けれども、調べてみてどこが良いのか判断がつきませんでした。見た目も大切ですが美味しいコーヒーをゆっくり飲めるカフェへ行きたいと思いました。困っていたところに、ちょうど東山サリーさん著書のこの本を見つけたのです!!
 この本は写真も良いですが、カフェの紹介文がわかりやすいです。誇張されることなく、そのお店の雰囲気が出ています。何百ものカフェを訪ねた著者が本当にカフェやコーヒーを好きなことも伝わってきます。また、ソウル市内を地域別に紹介していますので、地図をみながら、ここを観光したらこのカフェで休もうかな♡など旅の計画を立てる時にもオススメです。いろいろなタイプが紹介されていますので、行ってみたいと思えるカフェがきっと見つかります。
 コーヒーを楽しむ先駆けはヨーロッパやアメリカかもしれません。でも、世界カフェ巡りの出発点としてお隣の国からいかがでしょうか。

 まずは自宅で仮想旅行。焼き肉やコスメばかりでない今の韓国ソウルを楽しんでみてください。(T.O)

 

〜アメリカ・バーモント州の美しい庭〜

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『ターシャの庭』ターシャ・テューダー著/リチャード・W.ブラウン写真/食野雅子訳
※図書館が所蔵している本はメディアファクトリーから出版されたものですが、現在はKADOKAWAから出版されています。

 アメリカのバーモント州で30万坪の広大な敷地で美しい花々に囲まれて暮らすターシャ・テューダー。彼女の美しい庭や昔ながらの素朴な暮らしぶりは、NHKのドキュメンタリー番組で日本に紹介されるや否や瞬く間に女性たちを魅了し、特にガーデニングの世界では一大ブームを巻き起こしました。自然や動物を愛し、何でも自分の手で作ることにこだわり、田舎で自給自足の生活を貫いたターシャ。92歳で亡くなった今もその暮らしは子供たちに受け継がれています。

 この写真集は特に彼女が自ら切り開いて育て続けた美しい広大な庭の全貌と、季節季節に咲き乱れる花々、そしてそれら自然の一部のようなターシャの姿を余すところなく私たちに伝えてくれる美しい写真集です。

 この写真集を見て、あなたも彼女の秘密の花園を訪ねてみてはいかがでしょうか。(Y.O)

 

〜世界一空が美しい大陸〜

 人間の出す汚染物質がほとんど無い、究極に美しい空に出会う旅はいかがですか。

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『世界一空が美しい大陸 南極の図鑑』武田康男文・写真(草思社)

 本書の著者は、世界一美しい空を探して、南極観測隊員となり、昭和基地での1年余の滞在期間の、多忙な観測業務のあい間に、南極でしか見られない貴重な現象を記録してきました。170点以上の美しい写真とわかりやすい科学的な解説で、幻想的なオーロラや蜃気楼、雪の結晶や天体の不思議な動き、プラネタリウムより美しい全天の星、愛らしいペンギンたちなど、南極の自然を大いに楽しむことができます。著者の豊富な知識と経験、そしてなにより自然への愛情たっぷりの本書を読むと、一生に一度は行ってみたいと思ってしまいます。

 さらに2冊、南極を楽しむ本をお薦めします。

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『南極日和−極地を「仕事」にする人たち−』「南極日和」制作班著(実業之日本社)

 BS朝日で放映された番組をもとに書籍化したものです。22人のエピソードが綴られています。

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『南極、行っちゃいました。−極寒ほんわか日記 山経験、技術なし、体力…自信なし。スポーツ紙女性記者の121日−』小林千穂著(日刊スポーツ出版社)

 こちらは、スポーツ紙の女性記者が南極観測隊に同行取材した4か月間の楽しい滞在記です。

 併せて読むと、南極の厳しい自然とそこで活動する南極観測隊員たちの奮闘がよくわかります。簡単に行ける場所ではないからこそ、美しさも過酷さも楽しさも、世界一なのかもしれません。
 本で行く南極の旅へ、さあ行ってみませんか。(F.S)

 

〜世界で一番美しい駅舎〜

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『世界で一番美しい駅舎』(エスクナレッジ)

 最初に表紙の青が目に飛び込んできました。空から珊瑚礁を見ているような、海底で差し込む光を見上げているような不思議な感覚。ナポリ地下鉄1号線トレド駅のエスカレーター部分の天井です。「芸術の駅」プロジェクトによるものでナポリ地下鉄の一部の駅が参加しています。
 駅は旅の出発点、通過点、帰着点ですが、その美しさゆえに時に旅の目的地にもなります。この本では乗り降りするためだけではなく、「この駅舎が見たいから次の旅はこの街だ!」と思わせる魅力的な世界の駅舎が美しい写真と簡潔な文章で紹介されています。

 上記のトレド駅のようなアートに触れることのできる空間、著名な建築家が設計した近未来を連想させる建物、映画の舞台となったプラットホーム、宮殿の中を歩いているような構内等、見ているだけで旅に出た気分になります。ページをめくれば、「美しい駅舎探訪ツアー」への出発です。(T.O)

 

〜火星まで行こう〜

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『Google Earthで行く火星旅行−オールカラー版−』後藤和久著/小松吾郎著(岩波書店)

 規模は大きく、国内旅行どころか海外旅行を越えて宇宙まで、気分だけではなく実際に実行できる本です。

 「生物が存在している」、「人間が住める」など近年話題が尽きない火星ですが、実際に火星に行ったことがある人はこの記事を書いた時点ではいないはずです。ところが科学技術の発展というのはすばらしいもので、誰でも自宅からGoogle Earthを使えばお金を使わずに火星を見ることができてしまいます。

 この本は火星についての紹介に加え、Google Earthで火星旅行の気分を味わうための使い方などにも触れています。コロナウイルスの関係で実際に旅行に行くのはちょっと……。そういった方は気軽に宇宙旅行に行ってみませんか?(D.T)