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「世田谷区家庭読書の日」にお届けするおはなし 第22回『急行「北極号」』

  • 掲載日2019年12月23日

世田谷区では、「毎月23日は、世田谷区家庭読書の日」として家庭での読書をすすめています。 

 毎月23日に図書館職員が子どもの本のことや図書館での楽しい出来事をお届けしています。

 第22回 心温まるクリスマス絵本『急行「北極号」』

  1968年から砧図書館を拠点に親子で本に親しむ活動をしている「世田谷親子読書会」で、子どもが幼稚園の頃から高校を卒業するまで毎月活動してきました。子どもが成人した今でも不定期ですが、本を中心に集まり活動を続けています。

 親子読書会は、指定された課題本を事前に読み、本について話し合います。同じ本を読んで、皆が感じたことを言葉にします。

dokushokai.jpg 毎月の例会では、楽しい読み聞かせも。

 読書会で取り上げたクリスマス絵本の中で特に印象的なのが、 急行「北極号」C.V.オールズバーグ絵と文 村上春樹訳 (あすなろ書房)です。この本は、クリスマスに起きた不思議な出来事が描かれた素敵な絵本です。 

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 サンタを待つ少年のもとに現れたのは、白い蒸気に包まれた謎めいた汽車。その名は、急行「北極号」。

 クリスマス前夜に体験するミステリーです。1986年コルデコット賞を受賞しました。村上春樹の訳も素敵です。
落ち着いた色使い、温かみのある景色描写、見ているだけで、子供たちの期待でわくわくする声、夜の静寂、暗い森の動物の動く音、そりの走る音などが聞こえてくるようです。眺めていても、心がほっこり温かくなる絵本です。

 いくつになっても「信じる心」を持ち続けたいです。クリスマスという特別な日には、何かが起こっても不思議ではない。今年も沢山の子供たちの夢を乗せて北極号が走りますように。

*世田谷親子読書会については、「2018世田谷親子読書会50周年記念誌」をご覧ください。

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