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「世田谷区家庭読書の日」にお届けするおはなし 第24回 「 世界の名作」はじめの一歩

  • 掲載日2020年2月23日

世田谷区では、「毎月23日は、世田谷区家庭読書の日」として家庭での読書をすすめています。 

 毎月23日に図書館職員が子どもの本のことや図書館での楽しい出来事をお届けしています。

 第24回 「 世界の名作」はじめの一歩

  私は子どもの頃、兄の影響もあり日本文学を読み、今思えば背伸びばかりしていたように思います。ですから、「子どもの名作」と呼ばれるものは全く読んできませんでした。この仕事に就いて子どもの本の楽しさを知り、世界の名作を読みはじめました。

『ハイジ 』上・下(岩波少年文庫)ヨハンナ・シュピリ作 上田真而子訳(岩波書店)

 アニメで有名だった”アルプスの少女ハイジ。あのイメージが強く残っている方も多いと思います。1880年から1881年に執筆された児童文学作品です。
 5歳のハイジは人里離れた山小屋に住むおじいさんと生活することになります。ハイジはすぐに山の自然に馴染み毎日をワクワクした気持ちでおじいさんと生活していきます。しかし、8歳の時に叔母の私欲のために街に連れていかれます。そこでクララと出会うのです。
 ハイジの子どもらしさに魅了され、根底にあるおじいさんの愛に包まれ、厳しい自然の中でも暖かさの感じる作品でした。 

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 梅丘図書館は、子ども読書リーダーの活動の一つとして『ブックトーク』を行っています。
 さて、100年近く前に発表された世界の名作を私が紹介したのが1年前。「家の本棚にもある」と言っていた子どもたち。そして今年の子ども読書リーダーのブックトークで世界の名作が飛び出しました。

『海底2万マイル』(講談社青い鳥文庫)ジュール・べルヌ作 加藤まさし訳 高田勲絵 (講談社)
 1866年、七つの海を駆け巡る勇敢な船乗りたちを心の底から驚かせた怪事件がおきた。“正体不明の偉大なもの”による船の事故が続出したのだ。調査に向かった教授たちは、謎の人物ネモ船長の潜水艦ノーチラス号にとらわれてしまう。そして、神秘と驚きに満ちた海底大冒険が始まる。たくさんのピンチに出会う中で海の恐ろしさと共に海の美しさも感じられるお話です。

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『あしながおじさん』(福音館文庫)J・ウェブスター作・画 坪井郁美訳(福音館書店)
 孤児のジュディーは、とても前向きな女の子です。そんなジュディーはなぞの紳士の助けで大学に行けることになります。紳士に”あしながおじさん”という名前をつけジュディーは日々の暮らしを伝える手紙を書きました。明るくあしながおじさんを思うジュディーの姿が心に残る本です。

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『ひみつの花園』ーあれた庭をよみがえらせ、花と友情を育てるー(10歳までに読みたい世界名作13)
 フランシス・ホジソン・バーネット作 日当陽子編訳 朝日川日和絵(学研教育出版)
 メアリーはインドで育ったイギリス人の女の子です。ある日、お父さんとお母さんが病気で亡くなり、おじさんの大きな館に住むことになりました。その館では、夜に泣き声が聞こえてきたり、庭には10年間も閉ざされた鍵のかかった花園があったり、いろいろな秘密があります。

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『怪人二十面相』(少年探偵1)江戸川乱歩作 (ポプラ社)
  最近、世間をにぎわしている怪人二十面相から、羽柴家に届いた予告状。この怪人には、どんな備えも無効だ。なぜなら、その名の通り二十の顔をもつ変装名人だから。この怪人と対等に戦えるのは、あの探偵名コンビのみ。そう、明智小五郎探偵と、その助手小林少年だ。推理小説の原点、江戸川乱歩の最高傑作です・

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  子どもたちには、いろいろな本に出会って欲しいと思っています。固定観念にとらわれない柔軟な子どものうちに、読んで欲しい本がたくさんあります。
 子どもたちおすすめの世界の名作は、大人になって読み返してもとても楽しい作品でした。
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