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「世田谷区家庭読書の日」にお届けするおはなし 第17回 「グリム童話集」

  • 掲載日2019年7月24日

世田谷区では、「毎月23日は、世田谷区家庭読書の日」として家庭での読書をすすめています。 

 毎月23日に図書館職員が子どもの本のことや図書館での楽しい出来事をお届けしています。

 第17回 グリムとわたし「グリム童話集」

 最近、映画の『美女と野獣』『シンデレラ』を観ました。懐かしい気持ちになり思い出したのが、小学生の頃繰り返し読んだ本、『グリム童話集1~3』相良守峯訳 茂田井武絵(岩波書店)です。

「白雪姫」「オオカミと七ひきの子ヤギ」「赤ずきん」「ヘンゼルとグレーテル」「金のガチョウ」や「ブレーメンの音楽師」など誰もが一度は聞いたことがある短編が二十数話ずつおさめられています。

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 特に好きだったのは、2巻目の「ふたりの兄弟」です。だまされ、泣く泣く貧乏な父親の家から放り出された兄弟。深い森のなかで、親切なかりうどに育てられます。一人前になった二人は、助けた動物たちを仲間にし、王さまとお姫さまを救いますが、また、お側役にだまされて…

 主人公は、欲深な悪だくみのために散々酷い目にあいますがへこたれません。正直なおこない、助け合い、賢さの先には、のんびりとした雰囲気が漂う幸せがあります。小学生のわたしは「そうでなくちゃ。」と思いながら読んでいたと思います。 

 今から200年前にグリム兄弟が集めた昔ばなしには、深い森や石造りの城を舞台に、不思議な力を持つ魔法使いや小人や動物がでてきて、楽しい想像の世界がむくむくと湧き上がってきます。各話の挿絵が印象的かつユーモラスで、更に引き込まれます。

  この本は、母が買ってくれました。最近聞いたはなしでは、新聞の書評などをみて選んでいたそうです。けれども私はすぐに読み始めたわけではなく、長らく家の本棚に放置されていました。読むきっかけは、3年の学芸会で「金のがちょう」をやったからです。その後3冊を一気に読み終え、それからは繰り返し読んだものです。

 長い付き合いになるかもしれない出会いを楽しみに、これからも本を手に取りたいと思います。

「グリム童話集1~3」はこちら

*この『グリム童話集』1~3は、岩波の愛蔵版『いばら姫』『鉄のハンス』(1966年刊)を再編成したものです。

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