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「世田谷区家庭読書の日」にお届けするおはなし 第1回 「かえるくんが動いたよ!」

  • 掲載日2018年3月23日

  世田谷区では、毎月23日を「世田谷区家庭読書の日」として、家庭での読書をすすめています。

 これから毎月23日に、図書館のフロアや窓口で出会った心が温かくなるお話や楽しい出来事をお届けします。

 第1回「かえるくんが動いたよ!」 

 T図書館の子どもコーナーの棚には子どもたちが大好きな「おさるのジョージ」「しろくまちゃん」「がまくんとかえるくん」等絵本の主人公のぬいぐるみが飾られています。ぬいぐるみは絵本コーナーの方を向いて棚の一番上にいます。
 ある日、私がこの棚の裏側で返却された本を並べていた時のことです。絵本コーナーから「がまくんとかえるくんがいるよ!」という男の子の声が聞こえてきました。私はちょっとイタズラ気分で棚のうしろから、かえるくんをピョンピョンとジャンプするように動かしてみました。棚は私の背より少しばかり高いので姿を隠してくれますが、腕が見えてばれちゃうかなと思っていると「今、かえるくんが動いたよ!」と男の子の声。(ばれてないな、ヨシヨシ)今度はがまくんの手を振らせてみました。すると「本当だね~」とお母さんの声。なんて素敵なお母さんでしょう!「誰かがうしろで動かしているに決まっているでしょ!」と言わず、一緒にじっと見てくださっていたんですね。私まで幸せな気持ちになりました。この次に来館した時、がまくんたちが動かなくて不思議がる男の子に、「どうしてかな?」とお話してくれるでしょう。

ふたりはともだちの表紙『ふたりはともだち』アーノルド・ローベル作/三木卓訳(文化出版局)

 がまくんとかえるくんのお話が5話収録されています。この中の「おてがみ」が教科書に載っていたので読んだことがある方もいらっしゃるでしょう。一度も手紙をもらったことがないと悲しむがまくんにかえるくんは手紙を書きます。でも、かたつむりに配達を頼んだのでなかなか届かない手紙を二人で待つことになります。どのお話も相手を思っていることが伝わり、友達っていいなと思わされます。ラインやメールじゃなくて、たまには手紙もいいですね。
 「ふたりはいっしょ」「ふたりはいつも」「ふたりはきょうも」でも、がまくんたちに会うことができます。

がまくんとかえるくんの本