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「世田谷区家庭読書の日」にお届けするおはなし 第52回 ずっと気になっていた食べ物~こどもの頃に読んだ本の食べ物の思い出~
- 掲載日2022年6月23日
世田谷区では、「毎月23日は、世田谷区家庭読書の日」として家庭での読書をすすめています。
毎月23日に図書館職員が子どもの本のことや図書館での楽しい出来事をお届けしています。
第52回 ずっと気になっていた食べ物
『赤毛のアン』シリーズには美味しそうな食べ物が出てきて料理本も出版されていますが、『アンの幸福』には残念な食べ物が出てきます。アンが赴任した中学校の生徒の家の夕食に招かれたときに出された「カボチャの砂糖漬け」です。
はじめて出されたとき、すばらしい黄金色をしていて「まるで砂糖漬けにした日光を食べている」気がしたのでしきりに褒めました。すると、アンが「カボチャの砂糖漬け」が大好きだということが広がって、その後に招かれたすべての家の人が、わざわざ作って出してくれるので、アンはうんざりしてしまいます。
とうとう、残ったものは持って帰ってくださいと、お土産まで!下宿先の人たちに配ろうとしますが、誰も食べてくれないので、こっそりと庭に埋めてしまいます。いったいどんな食べものなのか、ずっと気になっていました。
完訳赤毛のアンシリーズ4 アンの幸福 L・M・モンゴメリ著 掛川恭子訳(講談社)
気が向いて「カボチャの砂糖漬け」をネットで調べたところ、英語では「pumpkin preserve」という名前で「preserve=プリザーブ」は果実の砂糖煮のことで、ジャムよりその原型をとどめているもののようでした。トーストなどにのせたら美味しそうですが、招かれるたびにテーブルに出されると、見るのも嫌になるのでしょうね。何事もほどほどがいいようです。
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