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「朗読と音楽でお届けする『いのりの石 ヒロシマ・平和へのいのり』」を開催しました。
- 掲載日2018年8月12日
8月4日(土曜日)に、「朗読と音楽でお届けする『いのりの石 ヒロシマ・平和へのいのり』」を開催しました。
第一部は作曲家の中村守孝さんによるキーボード演奏と、歌手の西山琴恵さんによる『いのりの石 ヒロシマ・平和へのいのり』(フレーベル館)の朗読から始まりました。朗読に歌を交える手法が深い情感をかもし出し、会場全体が『いのりの石』の世界に強く引き込まれていくのが感じられました。
休憩をはさんで、続く第二部では、原作者である童話作家・詩人のこやま峰子さん、絵本作家の塚本やすしさんと、ナビゲーターで放送作家の大倉利晴さんによる講演と対談が行われました。こやまさんがアイスランドを訪問した際の「いのりの石(広島電鉄の敷石)」との出会いのエピソードや、アイスランドでは、8月6日(広島)9日(長崎)の原爆を落とされた日に、毎年灯籠流しを行っているというお話に強く胸を打たれた方も多かったようです。こやまさんはアイスランドからの帰国後に、広島電鉄本社ビルの前に設置された敷石を見に行かれたそうです。
塚本さんとの対談では、教育センター1階で開催中の『いのりの石』原画展で公開されている原画について触れ、戦争に対する怒りの感情が絵の描き方に表れているというお話を聞くことができました。塚本さんは今回の作品制作にあたって、広島へ赴き原爆ドームや平和記念資料館を訪問したとのことで、実際に目で見て触れることで戦争や平和について学ぶことの大切さを改めて実感しました。
講演会の最後には、こやまさんと交流のあったやなせたかしさんが作詞された歌「手のひらを太陽に」(作曲 いずみたく)を会場のみんなで歌いました。こやまさんのお知り合いで客席にいらっしゃった、ボニージャックスの西脇久夫さんがスペシャルゲストとして合唱に飛び入り参加してくださるという嬉しいサプライズもありました。やなせたかしさんの歌詞のとおり、会場全体が一つになって命の大切さを考える素晴らしいエンディングとなりました。
アンケートでは、「終戦記念日に近いこの日(8月4日)にふさわしい講演会で、音楽と朗読が非常に効果的でした」「いろいろな世代の方々が参加され、真剣に聞かれていたのが印象に残りました」「こやま先生の絵本創作の苦労、塚本先生の戦争・原爆に対する怒りを対談の中でじっくり聞くことができた」などの感想をいただきました。新しい試みの講演会でしたが、絵本と音楽という組み合わせは新鮮かつ印象的で、世代を通して平和を考えるよい機会となったようでした。
中央図書館子どもフロアでは、今回の講演会を記念して、こやま峰子さん・塚本やすしさんの作品をとくしゅう展示しています。
8月29日(水曜日)まで一階ロビーで開催中の『いのりの石』原画展と合わせ、お二人の作品をぜひご覧ください。