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「 第16回世田谷区子ども読書活動推進フォーラム『情報の海を冒険しよう!』」の報告誌を作成しました

第16回世田谷区子ども読書活動推進フォーラム
「情報の海を冒険しよう!」

 令和3年10月30日(土曜日)午後1時30分から、教育センター3階「おおぐま」にて、子ども読書活動推進フォーラムを開催しました。今回は「情報の海を冒険しよう!」をテーマに、会場参加と同時にZoomでのライブ配信を行いました。

 第1部 講演会「世田谷区のGIGAスクール構想について」
    講師:會田孝一(世田谷区立中央図書館長)

 中央図書館長は、前部署で携わった世田谷区のGIGAスクール構想について説明。感染症拡大により当初予定されていた計画から前倒しで整備が進んだこと、そして子どもたちが今どのようなメディア環境に置かれているのか、また、今後どのような環境を目指していくのかなど講演しました。

第2部 講演会「学校の勉強はなんのため? 図書館とインターネットをフル活用して、情報の海を冒険しよう!」
    講師:山崎聡一郎(教育研究者)

 『こども六法』(弘文堂)の著者である山崎聡一郎氏(教育研究者)をお招きし、近著『ネット・スマホ攻略術-ネットが最強のパートナーになる デジタルネイティブのための-』(講談社)で触れている、子どもを取り巻くメディアリテラシー問題や情報との上手な付き合い方についての講演を行っていただきました。

 まず、インターネットがあたり前の子どもたちにとって、「本っていらなくない?」という感覚が少なからずあるなか、図書館の本当の意味をどうやって伝えるのか?というところから話は始まりました。図書館とは「あらゆる情報にアクセスする場所・拠点」だとしたうえで、ではその調べものをするときに注意することはあるのか、参加者に問いかけます。
 そこで必要なのは、「情報力」(1情報を調べる力、2事実を精査する力、3事実を評価する力)だとお話しされます。情報力がどのようなものか、身についていないと何が起こるのか、身近な例を出しながら分かりやすく解説してくださいました。
 それを踏まえて、視野を狭めず騙されないようにするにはどのように調べものをしていくべきなのか考えます。それぞれの情報源の特性を理解し、バランスよく組み合わせることが必要であり、その情報力を身につけるために、学校の勉強をするのだとお話しされました。

 インターネットは検索する前の段階で利用する側に最適化されて出てくるため、自分の求めている情報・意見に近い情報が入ってきやすくなるそう。「自分の意見が全体の意見に思えてくる」ことがより起こりやすくなるため、十分理解した上で活用する必要があると語られます。そういった一方、情報力を身につけ上手く活用すれば、目の前に無限の可能性が広がるのだ、と締めくくられました。
 先生の軽妙な語り口に、会場で参加された方々も熱心に聞き入っている様子でした。

 そのあとの質疑応答では、会場だけでなくZoom参加の方からも多数の質問をいただき、講義の内容についてさらに理解を深めることができました。

 参加された方々からは、「学校のネット環境や教育の現状を知ることができた」、「本とネットの調べ学習の強み弱みを子どもに説明する場面が増えており、とても参考になった」、「学校で学ぶべきこと、身につけたい力がよく分かった」などの感想をいただきました。

 今の子どもたちにはもちろん、大人も情報との付き合い方について改めて見直し、上手に図書館を活用していきたいと考え直す時間となりました。ありがとうございました。

 詳しくは以下の添付ファイルをご覧ください。報告誌は世田谷区内の図書館にも所蔵しています。
 第16回子ども読書活動推進フォーラムの報告(PDF形式:1045KB)