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令和3年度 世田谷区家庭読書の日記念講演会「読む力が未来をひらく」
令和3年度 世田谷区家庭読書の日記念講演会「読む力が未来をひらく」
令和3年11月27日(土曜日)午後2時から、教育センター3階「ぎんが」にて、「世田谷区家庭読書の日」記念講演会を開催いたしました。講師に、児童文学翻訳家・評論家の脇明子さんをお招きいたしました。
脇明子さんはノートルダム清心女子大学の児童学科で長年教鞭をとってこられ、また代表をつとめられている「岡山子どもの本の会」でも子どもたちに本を手渡し、読む力をはぐくむ活動を続けていらっしゃいます。
講演会では読書支援の具体的な方法やその時の子どもたちの反応、また子どもに薦めたい本などを多数挙げていただき大変充実した講演会となりました。
おすすめの児童書を手に取り、わかりやすくお話してくださいました |
子どもたちはよりすぐりの児童文学作品を読むことで、生きていくのに必要な、記憶力や思考力・想像力が育っていきます。やがて自己認識力や自分をコントロールする力も身についていきます。現代にあふれている映像化されたメディアだけでは十分に育たないこれらの力が、読書によって養われる過程について丁寧に説明していただきました。
すでに定着している絵本の読み聞かせから、どうしたら長編の児童文学作品を読めるようになるのか。現場では絵本から本への移行期を支える読書支援の方法について保護者や教師・司書からも悩んでいる声がきかれます。
そういった悩みにこたえて、脇氏のこれまでの実践で効果のあった方法を具体的にいくつも紹介していただきました。
講師の著書・翻訳書を展示しました |
特にボランティアとして子どもに関わる立場の人は、定期的に子どもにアプローチする機会がなく、1回の時間も限られていることが悩みです。そうした場合にすすめられる手法として「物語の説明+一部朗読」という方法を紹介していただきました。
こうした絵本の読み聞かせから長編の児童書への橋渡しについては参加者の方々もヒントになったようで熱心に聞き入っている様子でした。
アンケ―トでは「物語を読むということが、どんなに子どもたちの成長にとって大事かがよくわかりました。学校での読み聞かせは10分くらいしかないので、読める範囲の本しか今まで選べなかったのが消化不良でした。説明+一部朗読をぜひやってみたいとおもいます」等、さっそく実践してみたいというお声をたくさんいただきました。
区内所蔵の脇明子氏の著作一覧は、こちらから見ることが出来ます。