こどもページ

令和4年度 世田谷区家庭読書の日記念講演会「子どもの本が世界をつなぐ」

令和4年度 世田谷区家庭読書の日記念講演会「子どもの本が世界をつなぐ」

 令和4年12月3日(土曜日)午後2時から、中央図書館3階「ぎんが」にて、「世田谷区家庭読書の日」記念講演会を開催いたしました。講師に、翻訳家・編集者のさくま ゆみこさんをお迎えいたしました。

 さくま ゆみこさんは出版社での勤務を経て翻訳家・編集者となられました。現在は「日本国際児童図書評議会(JBBY)」会長、「アフリカ本のプロジェクト」代表をつとめられ、世界の子どもと日本の子どもを本でつなぐ活動を続けていらっしゃいます。

  まずはじめに、「子どもの本は窓」をテーマとしたお話で、子どもたちは本を通じて海外の文化や自分とは異なる価値観を知ることができるとおっしゃられました。本が窓になり、自分の住む世界とは違った世界観に触れることで、自分自身の将来に大きく影響することをわかりやすくお話しくださいました。

 講演会の後半では、「アフリカ本のプロジェクト」の活動の一環で設立された、ケニアのドリームライブラリーの内部をプロジェクターを使いながら紹介していただきました。ドリームライブラリーは日本の図書館と同じように本棚に資料が並べられ、現地の方によって運営されています。近くにほかの図書館がないため、かなり遠くから通う方もいるそうです。子どもたちがお気に入りの絵本や百科事典、教科書などを手に取って夢中で読む姿は、日本の子どもたちと変わらない様子でした。

おすすめの児童書を手に取り、わかりやすくお話してくださいましたプロジェクターを使用して、現地の様子をご紹介いただきました。

 最後に、さくま ゆみこさんが翻訳者として普段意識していること、実際の翻訳作業についてお話しくださいました。普段から、翻訳者として翻訳すべき本を探すためのノウハウを持ちながら、今の日本の子どもたちに必要な本や日本の作家・画家が作らない本を様々な観点から選択されているそうです。言葉のわかりやすさや海外の多様性の表現を意識しながら翻訳作業に入り、楽しさと難しさを感じながら作業されているとのことでした。

 参加者アンケートでは「直接さくまさんの翻訳についてや普段の活動についてのお話を伺う貴重な機会となった」、「子どもが海外の本に触れることで、異文化などを知ることにつながるきっかけになると知り、とても感動しました」などといったお声がたくさん寄せられました。

世田谷区立図書館所蔵のさくま ゆみこ氏の著書・翻訳書一覧は、こちらから見ることができます。