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読書リーダーが紹介する「○○なあなたへ贈る本」

 「前向きになりたい!」「夢ってなんだろう?」「散歩が好き!」……。そんな、「○○なあなた」へいま届けたい本を、世田谷区立図書館の読書リーダーが選びました。

「エッセイを初めて読む人」へ


『ひとりずもう』さくらももこ著(集英社)

さくらももこさん。一度は聞いたことがある名前だと思います。この本は、『ちびまる子ちゃん』の作者である、さくらももこさんの小学校から大学にかけての日々を、笑いと感動で綴ったエッセイです。
私が、初めてこの本を読んだとき、とても面白く、すぐに読み終えてしまいました。
特に、本に苦手意識をもっている人や、エッセイを初めて読むという人におすすめです。「思春期」のエピソードがどこか懐かしく面白い。ぜひ読んでみてください‼

玉川台図書館読書リーダー PN:みな(中学1年生)

「爆笑したい人」へ


『落語少年サダキチ』田中啓文作 朝倉世界一画(福音館書店)

この本は落語が好きな清海忠志という人が主人公の本です。全部で四冊からなり、とてもおもしろい本です。
主人公の忠志は最初、「落語はおもんない」と思っていましたが、落語の大名人、笑酔亭粋梅に出会い、落語のおもしろさに目覚め、江戸時代にもタイムリープもしてしまいます。
忠志の日常生活がとてもおもしろく描かれている一冊です。落語の興味がない人でも、ぜひ手に取ってみてください。

玉川台図書館読書リーダー PN:YK(中学1年生)

「思春期真っ盛りの中学生」へ


『14歳の水平線』椰月美智子著(双葉社)

主人公は現在中学二年生の加奈太とその父親征人。二人の夏のエピソードを十四歳の視点から描いています。中学生といえば、自分で思い悩んだり、細かいことにもつい苛立ってしまったりする時期です。そんな心の葛藤や友情を交えた爽快なストーリーがたくさん詰まっています。時間がなくてもどんどん読み進めてあっという間に読み終わってしまう程面白いので、忙しい中学生にぴったりです。興味があれば是非、一度手に取って読んでみてください。

玉川台図書館読書リーダー PN:YY(中学2年生)

「気楽に哲学を楽しみたいあなた」へ


『神様に一番近い動物-人生を変える7つの物語-』水野敬也[著](文響社)

この本の表紙のイラストの動物たち(ときどき人間も)はとにかく表情豊かで、目を合わせたら笑ってしまいそうになる。しかし、内容には思ったよりずっと考えさせられた。
表題作『神様に一番近い動物』の主人公は牛のマギー。自分には革ジャンになる運命しかないことに絶望し、家出を試みるが連れ戻されてしまい…?
サクサク気軽に読めるけれど、それぞれの発想に惹かれ、教訓を面白おかしく伝えてくれる一冊。

玉川台図書館読書リーダー PN:にごろ(中学2年生)  

「面白い本に浸りたい人」へ


『天と地の方程式』富安陽子著 五十嵐大介画(講談社)

「神たちの攻防に集められた七人のカンナギは、それぞれの能力で脱出と謎解きを……」そんな王道の良さと、他とは違う謎が全て解けた時の、方程式の両辺がそろうような、暑くてうんざりする日にプールに飛び込むような、すっきりする良さが合同になる一冊。
この本の世界で、主人公たちと旅をするのか、神たちと主人公たちの様子を見るのか、あなたはどこから物語を進めて、楽しみますか?

玉川台図書館読書リーダー PN:めがね(中学2年生)

「とにかく前向きになりたい人」へ


『サンドイッチクラブ』長江優子作(岩波書店)

主人公は中学受験中の女子桃沢珠子。勉強がまったくできず友達に流されてばかりの彼女は、塾の教室に砂を残していく天才奇人のヒカルに出会い、砂像作りに惹かれていく。
『こんな自分、大っきらい!』この本の中には、自分の弱さそっくりの主人公とリアルで個性的なキャラクター達。そして、美味しそうなパンが出てきます。砂像作りを通して成長していく珠子とヒカルの姿を読んでいくにつれ、前向きになれる所がおすすめです。

中央図書館読書リーダー PN:YR(中学2年生)

「散歩が好きな人」へ


『グドーさんのおさんぽびより』たかどのほうこ著 佐々木マキえ(福音館書店)

この本はおじさん二人と女の子一人の仲良し三人組が主役の物語です。おじさんの一人「グドーさん」はあなたと同じ、散歩が大好きな人です。この三人の勘違いによって起こるハプニングは思わず笑ってしまいます。あなたが散歩をする時もグドーさんたちのような楽しいハプニングが起こるかもしれません!収録されている二十篇のお話はどれもほのぼのとした散歩の風景や日常が描かれています。ゆったりとした幸せな物語を楽しんでください。

梅丘図書館読書リーダー PN:キーコ(中学2年生)  

「『夢』がない人」へ


『夢をかなえるゾウ 0』水野敬也著(文響社)

この本の表紙はまるで幼い子供が描いたゾウだ。ラクガキのような表紙のゾウが神様という設定でこの物語は進んでいく。名前はガネーシャ。今までガネーシャはエジソンに竹を発見させ、聖徳太子に十人の話を同時に聞くコツを教えるなど沢山の人の人生を変えてきた。しかし今回ガネーシャの前に現れた男には夢がない。そんな男がガネーシャの教えをもとに変わっていく物語。夢が分からない若者や、自分の生き方に自信がない人に読んでほしい本。

玉川台図書館読書リーダー PN:もみじ(中学3年生)

「藝大を知りたい君」へ


『最後の秘境東京藝大』二宮敦人著(新潮社)

私は音楽と美術に興味のある、密かに藝大を志す女子高生です。そんな私が手にしたこの本には、東京藝大に通う学生達の内面や、学科ごとの違いが描かれています。
東京藝大は東大の三倍の入試倍率であり、その狭き門を突破してきた人たちのみが通うことのできる大学です。そんな、芸術界の天才と秀才たちの集まりである藝大での日常をのぞいてみたい方、芸術の最高峰の大学の校風や、生徒の考えに触れたい方にお勧めです。この本で藝大に染まりましょう!

梅丘図書館読書リーダー PN:黒猫(高校1年生)

「不思議な体験をしたい人」へ


『十年屋-時の魔法はいかがでしょう?-』廣嶋玲子作 佐竹美保絵(静山社)

この本は、こわれてしまっても捨てられないものなど、意味があるもの、守りたいもの、そして遠ざけたいものを預かってくれる「十年屋」のお話です。「十年屋」は魔法使いのお店で、十年魔法で形も状態も十年間変わらずに預かってくれます。一つの本の中で、六話の話に分かれているので、本を読むのが苦手な人でも気軽に読むことができます。この本はシリーズ本で、どの巻から読んでもおもしろいです。一巻だけでも良いので、ぜひ読んでみてください。

中央図書館読書リーダー PN:I・H(高校1年生)

 

 今回、10代の皆さん向けに年に1度発行している広報紙「Teens Press」を作成するにあたり、中学校・高等学校でも引き続き活動を続けてくれている読書リーダーの方に、記事の原稿作成をお手伝いいただきました。

 上記紹介文の一部内容は、「Teens Press 第11号」にも掲載しています!詳しくはこちら