こどもページ

2023年度1号~6号

これまでにおすすめした本

6号

アップサイクル!-ぼくらの明日のために-
ダミー書影ねこ 佐藤まどか 作        
木内達朗 装画・挿絵
ポプラ社
 学校のグループ研究で集まった中学2年生の丈、紫月、王ちゃんは、物が捨てられる前に、新しい使い方のアイディアを足して、生まれ変わらせる“アップサイクル”という課題に取り組むことにしました。三人は各自の得意分野を活かして、起業を目指していきます。失敗しながらも、大きな目標に向かって奮闘する彼らを応援したくなる物語です。
5分で本を語れ-チームでビブリオバトル!-
ダミー書影ねこ 赤羽じゅんこ 作
浮雲宇一 絵
偕成社
 校内ビブリオバトルに出場した読書部の童夢は、あまり本を読まない放送部のさくやに惨敗してしまいます。自信をなくす童夢ですが、読書部のライトとリオ、落語研究部のユメ丸と共に“チーム・ビブリオ”を結成し、リベンジするべく、書店開催のビブリオバトルに挑戦していきます。本を通して、仲間とつながる楽しさを実感する一冊です。
葬送のお仕事
ダミー書影ねこ 井上理津子 著
解放出版社
  葬送とは「亡くなった人をお見送りする」こと。葬送の仕事は、社会を支える重要な仕事です。この本では、実際の葬儀の様子や、葬送の仕事に携わる人々へのインタビューを紹介しながら、「死んだらどうなるのか」「葬式は必要なのか」といった死や葬送に関する疑問に答えていきます。仕事図鑑としても読みごたえがありますが、“死”を考えるきっかけにもなる本です。

5号

人間になりたかった犬
ダミー書影ねこ 今西乃子 作
福田岩緒 絵
新日本出版社
神社の飼い犬シロは、人間に生まれ変わりたいのに7回生まれ変わっても犬のままでした。実は人間に生まれ変わるには“人間を救った犬”でなくてはならないのです。そこで神社の宮司は人間を救うことを学ばせようと、シロを少年の姿にして小学校に転入させました。ただし人間でいられるのは一日の半分だけ。シロの修行はうまくいくのでしょうか?落語『元犬』をテーマにした楽しくて心に染みるお話です。
尊敬する人はいません<今のところ>
中山聖子 作
合田里美 絵
文研出版
若羽(わかば)は、母とふたり暮らし。頼りない父とは別居中です。久しぶりに会った父は怪しい仕事をしているようで、若羽の心はもやもやします。一方、慧(けい)は弁護士の父をもつ優等生。立派すぎる父親に息苦しさを感じています。唯一の友人との付き合いを反対され、なんでも父の言う通りにしてよいのか悩みます。対照的なふたりが、自分の感情と向き合い、親との関係を見直していく物語です。
はじまりは一冊の本!
濱野京子 作
森川泉 絵
あかね書房
スポーツ好きで強引な父に苦手意識を持っている柊斗(しゅうと)。夢中になれるものが何もないと思っていたある日、学校図書館で“世界に一冊の本”に出会います。それをきっかけに本づくりや本の歴史、印刷技術にまで興味をもった柊斗は、卒業生に会ったり、活版印刷を体験したり、どんどん世界を広げていきます。自分の成長によって、友達や父親との関係も変えていく少年の姿を描いた作品です。

4号

クルックヘイブン-義賊の学園-
neko.jpg J.J.アルカンジョ 著
橋本恵 訳
理論社

育ての祖母との極貧生活を凌ぐ中で、並々ならぬスリの技術を身に付けていたガブリエル。ある日、盗んだ財布に「きみの才能を活かせる場所がある」というメッセージが書かれたカードが入っていました。財布の主を追って辿り着いた先は、なんと教科は詐欺や犯罪体育、教官は贋作師にハッカーという、義賊養成のための学校だったのです。そのあとガブリエルを待っていたのは、サスペンスな学園生活と、自身に関わる衝撃の真実でした。

ふせごう!デジタル近視-目のことを知る・目の健康を守る-
neko.jpg 北明洲 監修
旬報社

パソコンなどのデジタル機器を学校や家庭で日常的に使うようになり、子どもの近視も増えてきました。この本には、そもそもどうして目は見えるのかという目の仕組みに関することから、近視になるとどれだけ不便か、近視にならないためには、近視になってしまったらどうしたらよいかが書かれています。正しい知識をもって対応するための、目の教科書です。

住みたくない星ずかん
4sumitakunai.jpg 入澤宣幸 著
朝倉世界一 絵
創元社

将来、誰でも宇宙に行ける時代が来るかもしれません。そうだとすれば、地球以外に住むならどこがいいのでしょう。レン君が宇宙人の不動産屋と一緒に宇宙船に乗ってガスの星、高速回転する星、氷を吹き出す火山がある星などをめぐります。宇宙ツアーを楽しむように星について知ることができるユニークな図鑑です。巻末に住みたくない星、住みたい星ランキングも掲載しています。

3号

夏に、ネコをさがして
4_natsuni.jpg 西田俊也 作 
 
徳間書店

小学6年生の夏休み、佳斗(けいと)は亡くなった祖母の家に引っ越しました。ある日、祖母が大切にしていたネコが姿を消してしまい“ネコさがし”を始めます。捜索の途中で知り合った少年、蘭も手伝うと申し出てくれました。実は、蘭がいっしょに暮らす認知症の祖母にも、子ども時代に飼っていたネコへの思い入れがあったのです。祖母たちの思いをつなぐ、佳斗達の懸命な行動に心が動かされる物語です。

鈴の送り神修行ダイアリー
4_suzuno.jpg 山下雅洋 作 
酒井以 画 
 
岩崎書店

親友に裏切られたショックで不登校中の中学2年生の鈴。夏休みのある日、母の実家の村で池に落ちた鈴は、この世とあの世の“あわいの世界”で目を覚ましました。そこにいたのは死者の魂を送る死神(送り神)の左衛門と八重。このまま死ぬか、跡継ぎになるかと迫られ、ある決意をもって7日間の修行を始めます。死にゆく存在との出会い別れを経験し、生きる意味を見直していく少女の成長物語です。

インフルエンサーのママを 告発します
4_influencer.jpg ジェソンウン 作 
チャサンミ   絵  
渡辺奈緒子  訳  
 
晶文社

小学校5年生のダルムのママは、有名なインフルエンサーで、ライフスタイルや、ダルムの日常をSNSで公開しています。ところがダルムは、ママの言う通り素敵な家族を演じることに心苦しさを感じ、悩んでいました。そんな時、クラスメイトのアラが寄り添ってくれたので、ダルムは大切なことに気づかされます。SNSの影響力の大きさや、個人の自由、プライバシーについて考えさせられる一冊です。

2号

西の果ての白馬
4_nisinohate.jpg マイケル・モーパーゴ 作
ないとうふみこ 訳
 
徳間書店

妖精のおじいさんを助けて素晴らしい白馬を貸してもらう姉弟の話、農場を守り続けてきた“小さい人”との約束を破った青年がひどい目にあう話など、イギリスの西の果て、実在の村ゼナーを舞台にした5つの物語が入った短編集です。本の冒頭に「順番どおりに読んでほしい」という作者からのお願いがあります。必ず順番通りに読んでください。その理由がわかった時、“物語”を読むことの楽しさを実感できるはずです。

リブリアの魔女
4_libria.jpg 日野祐希 著 
くらはしれい 絵
 
アリス館

リブリア王国は、人口の2割が魔法使い。主人公のメノアは、その魔法使いのトップである“魔導師”を夢見ています。魔導師への道のりは険しく、厳しい修業をしなくてはなりません。その修業先に紹介されたのが、弟子をとったことのない伝説の魔導師シェリルでした。シェリルのもとでの魔法修業は、トラブルの連続です。夢のためにどんな困難にも立ち向かう、魔導師の卵メノアに勇気をもらえるお話です。

金色の羽でとべ
4_kinirono.jpg 高田由紀子 作
 
小学館

小学生バレーボールチーム、佐渡ゴールドウィングスの空良(そら)は、転校生の加入でアタッカー希望なのにセッターとキャプテンを任されます。空良がセッターの練習に励みチームをまとめようと奮闘する一方で、メンバー達も練習や試合の中で、技術とチームワークを身につけていきます。しかし新潟大会当日の朝、ある大変な出来事が起こります。展開にハラハラしつつ、バレーボールの魅力もたっぷり感じられる物語です。

1号

海よ光れ!-3・11被災者を励ました学校新聞-
umiyo.jpg 田沢五月 文
国土社

東日本大震災から12年がたちました。被害の大きかった岩手県山田町の大沢小学校では、児童会が作る学校新聞と、毎年生徒全員で演じる劇が伝統でした。新聞と劇のタイトルは、どちらも“海よ光れ”です。震災発生から、避難生活、新聞作りの再開、劇の最後の公演、大沢小学校の閉校まで、生徒・先生を含む町の人々の助け合いと被災に負けずに立ち上がる姿を描いています。

どこを食べているの?野菜
dokoo.jpg 藤田智 編著
汐文社

ふだんなにげなく口にしている野菜ですが、植物のどの部分を食べているか気にすることはないと思います。玉ねぎやブロッコリーは葉・茎・根などのうち、どの部分を食べているかご存じですか。野菜の成長の仕方や、育て方、これから人気が出そうな注目の野菜も、併せて紹介しています。知っているようで知らない野菜の真相に触れて、目が開かれる一冊です。

パフィン島の灯台守
paffin.jpg マイケル・モーパーゴ 作
ベンジー・デイヴィス 絵
佐藤見果夢 やく
評論社

ある嵐の夜のこと、幼いアランとその母親は海難事故に遭ってしまいます。二人を含めた難破船の乗客全員をたった一人で救ったのは、パフィン島で灯台守をしている寡黙な男性でした。時が経ち、成長したアランは、命の恩人である灯台守を訪ねて、パフィン島へ向かいます。アランの半生が、彼自身の言葉でドラマチックに語られます。