こどもページ

2023年度1号~6号

これまでにおすすめした本

6号

はなとったのだれ?
ダミー書影くま赤 ロレンツォ・クレリチ 作
谷川俊太郎 訳
ポプラ社
 ある日“ぞう”の鼻が取られてしまいました。いったい誰の仕業でしょうか。だちょう?それとも、きりん?ぞうは困りながらも、他の動物や植物が自分の鼻をつけているところを想像して、思わず笑ってしまいます。とはいえ鼻は行方不明のままです。さて、ぞうはどうやって鼻を取り戻すのでしょうか。
 
なにができる?
ダミー書影くま赤 キボリノコンノ さく
PHP研究所
 1つの四角い木を、とんとん、ぎこぎこ切ったり、削ったりしたら、ぷるぷるのゼリーができました!削る木片が2つ、3つと増えていくと、美味しそうな食べものも次々にできあがります。粗削りの木を見て「何ができるかな?」と当てっこ遊びもできる楽しい絵本です。巻末に、木彫りのゼリーができるまでの詳しい工程が載っています。
 
ねこまがたけ-ばけねこしゅぎょうのやま-
ねこまがたけ 加門七海 作 
五十嵐大介 絵
東雅夫 編
岩崎書店
 全国のあちらこちらに、数えきれないほどのねこが暮らす“猫魔岳”があります。そこでは、王様の下でねこたちが修行に励んでいます。ただ、厳しい修行の後には、楽しいことも待っているようです。私たちの周りにいるねこが姿をかくしたら、修行の山に行っているのではないか、と思わず想像してしまう不思議なお話です。
ゆきのひ
ゆきのひ サム・アッシャー 作・絵 
吉上恭太 訳
徳間書店
 冬の雨の日、特別なことをするために、ぼくとおじいちゃんは、外へ出かけました。めがね屋さん、図書館、道具や材料のお店をまわり、準備が整うと、長い時間をかけて“かっこいいそり”を作りました。雨が雪へと変わり、二人はそりに乗って街へでかけます。迷子の犬の張り紙を見つけ、雪の中を捜しに行くふたり。何気ない日常から大冒険へ!わくわくしながらも、心温まる一冊です。

5号

ねこねこふーわふわ
ダミー書影くま赤 たんじあきこ 作
ほるぷ出版
「どこどこ?ねーこねこ?」部屋に隠れている猫を探すと、ふわふわの猫はふわふわのクッションに、さらさらの猫はさらさらのカーテンに隠れていました。他の猫たちは、どこにかくれているのでしょうか?かわいい猫たちを見つけながら楽しむオノマトペ絵本です。
 
ぼくのじゃがいも
ダミー書影くま赤 ジョシュ・レイシー 作
モモコ・アベ 絵
みやさかひろみ 訳
こぐま社
ペットがほしくてたまらないアルバートに、パパがプレゼントしてくれたのは“おじゃがくん”(じゃがいも)でした。最初はがっかりしたアルバートでしたが、ペットの“おじゃがくん”と過ごす毎日が楽しくなっていきます。でもある日“おじゃがくん”は姿を消してしまいます。生きものと暮らすことの喜びや悲しみだけでなく、命のたくましさも感じられる絵本です。
 
海にしずんだクジラ
ダミー書影くま赤 メリッサ・スチュワート 文
ロブ・ダンラヴィ 絵
千葉茂樹 訳 
BL出版
70年生きたクジラが死んで、海底に沈んでいきます。ヌタウナギやミゾズワイガニなどの深海生物が次々に集まってきて、その死体を食べます。最後は微生物に骨まで食べつくされ、あとかたもなくなります。死んだクジラは、50年にわたって深海の何百種類もの命を支えていくのです。めぐる命の輪、生態系の営みを美しい絵で描いたノンフィクションです。

4号

なつやすみ
kuma.jpg 麻生知子 作
 
福音館書店

夏休み、こうたくんの家にいとこ達が泊まりに来て、一緒に家で過ごしたり、プールや神社のお祭りに行きます。吹き出すプールの噴水、食卓に並ぶ天ぷら・枝豆、金魚すくいで破れたポイなどが、質感豊かな絵で描かれており、昔ながらの日本の夏の風景を俯瞰して味わうことができます。 

おばあちゃんちのふしぎなまど-えほんで名画-
kuma.jpg シビル・ドラクロワ さく
石津ちひろ やく
ほるぷ出版

主人公の女の子が毎年夏に訪れるおばあちゃんの家では、びっくりすることがおこります。お昼寝をして窓を開けると、ある時はフリードリヒの雲海、またある時はルソーのジャングル、北斎の大波といった名画の絶景が広がるのです。想像力をスパイスに、名画が放つ空気を感じさせてくれます。

ぼくのいぬはどうしてこんなにかわいいのか
kuma.jpg しゅん 作
えがしらみちこ 絵
KADOKAWA

作者のしゅんは小学校2年生の夏休み、大好きな飼い犬のチャコについて、自由研究として調べることにしました。図書館の本を読んだり、動物病院の先生に聞いたりするうちに、チャコの体や行動について色々とわかっていきます。しゅんとチャコの仲の良さや、愛情あふれる様子が伝わってくる絵本です。

アメツチクジラ
kuma.jpg 宮田ともみ 作
アリス館

今日はカイにとって特別な日なのに、パパもママもお仕事で楽しみにしていた水族館に行けなくなってしまいました。つまらなくて思わず地面を蹴飛ばすと、足元に巨大なクジラが現れました。クジラはカイを乗せて地面にもぐり、地中の海の世界を見せて楽しませてくれます。大地を泳ぐクジラの包み込むような優しさにほっと心が和む絵本です。

3号

すいぞくかんのおいしゃさん
1_suizokukan.jpg 大塚美加  ぶん
齋藤槙  え 
 
福音館書店

水族館の生き物たちは、病気やケガの時“すいぞくかんのおいしゃさん”(獣医)に診てもらいます。獣医さんは、生き物たちの健康を守り、病気を治すだけではなく、えさの準備、水槽の掃除、ショーの手伝いまで行います。生き物たちが元気でいられるように奮闘する獣医さんの仕事の様子がよく分かります。

にんじゃシジュウカラのすけ
1_ninzya.jpg 大塚健太  文
出口かずみ  絵
 
世界文化社

小鳥の忍者シジュウカラのすけは、メジロ城のお殿様に世界で一番おいしい木の実をとってくるよう頼まれ、仲間と一緒に出発します。その途中、ヘビやタカなどの天敵に次々遭遇し大ピンチに!彼らはこの困難を乗り越えて無事任務を果たすことができるのでしょうか。巻末に小鳥博士によるシジュウカラ語(鳴き声)の解説があります。

おじいちゃんのくしゃみ
1_oziichan.jpg 阿部結  作
 
福音館書店

おじいちゃんのくしゃみは、とても大きいくしゃみです。くしゃみの勢いで、木の上のりんごを落としたり、襲ってきた猛獣を追い払ったり、空を飛んでどこにでも行ける“世界一のくしゃみ”だと、おじいちゃんは言います。ある日おじいちゃんは特大のくしゃみをして、空高く飛んで行ってしまいました。おじいちゃんは一体どこに?おじいちゃんと孫のやり取りに、思わずくすっと笑ってしまう絵本です。

13かいにはきょうりゅうがいる
1_13kai.jpg ウェイド・ブラッドフォード  文
ケビン・ホークス  絵 
青山南  訳
 
ひさかたチャイルド

今夜ナカヨシ・ホテルへ泊まりに来たのは、眠くてたまらないイビキさん。案内された部屋にはすでにネズミの先客がいました。部屋を変えてもらいますが、次の部屋でも、その次の部屋でも問題発生。ゆっくり眠れる部屋を探して、イビキさんはフロアを上がっていきます。やがて辿りついた最上階。イビキさんは無事眠れるのでしょうか?おかしなホテルのある一夜を、ユーモアたっぷりに描く一冊です。

2号

はんぶんこ
1_hanbunko.jpg 杜今日子 さく
 
福音館書店

まあるい穴のドーナツや、熱々の焼き芋、ふんわりとした肉まんなど、おいしそうな食べものを、どんどん「はんぶんこ」にしていきます。友だちや家族とおいしいものを分けあう時の、じんわり心が温かくなる気持ちが伝わります。「はんぶんこ」や「いただきます」などの言葉の繰り返しがリズミカルで、赤ちゃんの読み聞かせにぴったりの絵本です。

ふうせんとでんしゃ-ふうせんはどこへいった?-
1_fuusento.jpg 間瀬なおかた 作絵
 
ひさかたチャイルド

家族で買い物に出かけ、風船をもらった女の子。帰りの電車に乗るとき、おもわず風船を手ばなしてしまいます。電車は発車し、風船はふうわり空をのぼっていきました。ところが、電車が進む先に、風船もついてきているようです。穴をのぞいてみたり、しかけのページをめくってみたり、風船を探しながら電車に乗って小さな旅を楽しむことができます。

夜をまもる騎士アウル
1_yoruomamoru.jpg クリストファー・デニス 作
中井はるの 訳 
 
化学同人

ふくろうのアウルは、人間の騎士達が急に城から姿を消してしまったために、思いがけなく騎士の学校に合格し、厳しい訓練に励んで、ずっと夢に見ていた騎士になりました。ある夜、見張りをしているアウルの前に、恐ろしいドラゴンが現れます。アウルはこの難局を乗り切り、城を守ることができるのでしょうか。中世的な騎士の世界と現代的なユーモア、鮮やかに光と影を使っている絵など魅力がいっぱいの本です。

こしたんたん
1_kositantan.jpg りとうようい 作
 
絵本館

トラが“こしたんたん”とウサギを狙っていると、シカにイノシシ、ウシまでやって来ました。嬉しくて大興奮のトラは果たして獲物を捕らえることができるでしょうか。トラの表情がくるくる変わって面白く、自分で読んでも、読んでもらっても楽しい絵本です。まわりの小さな生き物も“こしたんたん”と獲物を狙っているので、ページの隅々までじっくり見てください。

1号

パッポー
pappo.jpg 北村人 作
ポプラ社

 「カッチコッチ カッチコッチ ポーン」振子時計が10時になると、「パッポー パッポー」と鳩が出てきました。次に時計が11時になると、「ニャッオー ニャッオー」と猫が出てきました。時間ごとに出てくる動物や時計の鳴る音が変わっていくさまが、楽しい絵本です。

ボボンバボンボン
bobonba.jpg 高畠純 作・装丁
光村教育図書

カバ、ゾウ、ウマなどの動物たちが次々に登場しますが、はじめはみんな、きょとんとした表情をして立っていて、微動だにしません。ところが、3つかぞえた途端、ユーモラスな表情と姿で踊り始めます。最後に出てくるワニも、1・2・3で踊り出すと思いきや、ほかの動物たちとは違ったユニークな反応を示します。動物たちが踊るときに奏でるオノマトペが、リズム感のある独特な世界を作り出しています。

ホッキョクグマのプック
hokkyoku.jpg あずみ虫 作
童心社

雪と氷の国で生まれた赤ちゃんホッキョクグマのプックは、見るもの聞くものすべてが初めての経験ばかり。お母さんの真似をし、いつも一緒に行動していました。ところがある日、お母さんのお昼寝中に一人で出かけ、高い崖から転落して迷子になってしまいます。大自然の中で、子グマが母親に見守られながら少しずつ成長していく様子が、生き生きと描かれています。

ワニのクロッカス なにができる?
wanino.jpg ロジャー・デュボアザン さく
こみやゆう やく
好学社

スイートピーさん夫妻の農場で、一日中幸せな気持ちで眠っているワニのクロッカス。ある時のこと、同じ農場に住んでいる他の動物たちには、農場で役に立っていることがあるのに、自分にはそれがないことに気がついて悲しくなります。クロッカスが、動物たちに励まされながらたどり着いた結末に、心が満たされる絵本です。