こどもページ

2020年7月~12月

これまでにおすすめした本

12月

とどけ、サルハシ!
2todokesaruhasi.jpg 葦原かも 作 
石川えりこ 絵 
 
小峰書店

うっかりおともだちの絵を汚してしまったりょうくんは、あやまりたいのにすなおに言葉にできません。そんなとき、なんとテナガザルがあらわれ、言葉にしなくても気持ちが伝わるという“サルハシ”を架ける指輪をかしてくれます。でも指輪が使えるのは3回だけ。りょうくんはうまく気持ちを伝えることができるのでしょうか。

がろあむし
2garoamusi.jpg 舘野鴻 作絵
偕成社

がけの森の地面の奥には、無数の生き物がいて、その中でもがろあむしは特徴のない、名も知られぬ小さな昆虫です。生まれて、獲物を探し、食べて、また獲物を探して走り、時に天敵に襲われ、子孫を残し、捕食者に食べられて死んでいきます。そして、一匹のがろあむしが生きた8年間に、がけの森は人間に開発されてしまいました。人と隣合わせの自然に、かけがえのない小さな生き物の一生があることを伝えてくれます。

うみのとしょかん あらしがやってきた
2uminotosyokann.jpg

葦原かも 作 

森田みちよ 絵

講談社

海の図書館の世話をするのはヒラメです。嵐が来たときに本を守ってくれたのはアオザメや大きな魚たちでした。海の魚たちはとても本が好きです。図書館に来る魚たちのほのぼのとした楽しいおはなしです。

11月

ぼくのあいぼうはカモノハシ
2.boku_no_aibou.jpg ミヒャエル・エングラー 作 
はたさわゆうこ 訳 
杉原知子 絵 
 
徳間書店

 ドイツに住むルフスはある日、人間の言葉をしゃべるカモノハシと出会います。カモノハシが「シドニー」という名前だと知り、ルフスは、オーストラリアのシドニーの町に単身赴任中のお父さんへの思いがあふれ出します。そこで、故郷のオーストラリアに帰りたい「シドニー」とお父さんに会いたいルフスは、いろいろな方法でオーストラリア行きに挑戦しますが次々失敗。二人の発想と実行力が楽しくハラハラします。

カールはなにをしているの?
2.ka-ru_wa.jpg デボラ・フリードマン 作 
よしいかずみ 訳 
 
BL出版

ミミズのカールは、土を掘り、枯葉を食べては出しての毎日を過ごしています。ある日、野ネズミに、どうしてそんなことをしているのかと聞かれますが、自分でもわかりません。そこで土掘りをやめ、答えを探す旅に出かけました。ところが、その間に、土にはある変化が起こってしまうのです。どんな生き物にも大切な役割があるということを、やさしい絵と語りで描いている一冊です。

はやしでひろったよ(しぜんにタッチ!)
2.hayasi_de.jpg 大久保茂徳 監修 
 
ひさかたチャイルド

秋の林の中に行ってみると、落ち葉、どんぐり、松ぼっくり、種など沢山落ちています。それらは、どんなふうに成長し、そして落ちてきたのでしょうか。春から秋までの変化する過程を写真で紹介しています。葉や実や種の種類が実物大で載っているので、身近な自然でひろったものを調べてみることができます。

10月

じぶんでよめるこんちゅうずかん
2konn.jpg 成美堂出版編集部 編著 
 
成美堂出版

この本を手にすると、まず表紙のヘラクレスオオカブトに、心を奪われます。 図鑑としては小ぶりで、持ち運びにも便利なサイズです。146種類の昆虫について、ひらがな表記で書かれていますので、知りたいことが自分でどんどん調べられます。カブトムシだけでも9種類、クワガタムシは19種類と充実の内容です。

こぐまと星のハーモニカ
2kogu.jpg 赤羽じゅんこ 作 
小池アミイゴ  絵 
 
フレーベル館

 夏休みの初日、友達のたっくんと大ゲンカをした小学1年生のゴウは、その夜、部屋で不思議なこぐまに出会いました。こぐまは、ゴウ以外に誰にも見えません。何日か一緒に過ごしますが、こぐまは、ゴウがなにをやってもやさしく受け止めてくれます。そんなこぐまに、ゴウは、今まで誰にも言えなかった気持ちを打ち明けることができました。ゴウとこぐまの心温まるお話です。

9月

子うしのきんじろう―いのちにありがとう―
2 kousino.jpg 今西乃子 作 
ひろみちいと 絵 




 
岩崎書店

長崎県平戸市生月島の田中畜産であった本当のお話です。真っ黒な毛をした母牛から生まれたのは、金色の毛をした子牛の‶きんじろう”でした。食肉用に育てられる「黒毛和牛」なのに黒毛ではありません。まわりからは殺すように言われますが、遺伝子検査で黒毛和牛ということが証明され、ほかの牛と同じく育てられました。うしかいのかあちゃんと‶きんじろう”の心温まる物語です。

きつねのしっぽ
2 kituneno.jpg おくはらゆめ 作 
 
小峰書店

自分のしっぽをとても大切にしているきつねがいました。一日三回手入れをします。丈夫な松葉で作ったくしでしっぽの毛をとかし、花を飾っていました。ある朝、いつものように手入れをしようとすると、くしがありません。昨日使った時のことを思い出しながら、きつねはひどい雨の中、湖までくしを探しにでかけます。きつねと森で出会った生きものとのほのぼのとしたおはなしです。

区立あたまのてっぺん小学校
2 kurituatama.jpg 間部香代 作 
田中六大 絵 
金の星社

2学期の始業式の日、気がつくと、なんとリョウの頭のてっぺんに、区立の小学校ができていました。頭の上に小学校がある子なんて変です。頭の上の教室に通ってくる“キミドリ”たちとの、不思議な学校生活が始まります。

8月

雨の日は、いっしょに 
2.amenohi.jpg 大久保雨咲 作  
殿内真帆 絵
 
佼成出版社

 今日は雨。ハルくんの黄色い傘は学校の授業が終わるまで、傘立てでおるす番です。いつもハルくんと一緒の黄色い傘は学校からの帰り道、ハルくんが転んだひょうしに、ハルくんの手からはなれて、風に吹かれて空へ舞い上がります。そこで傘は、いつもと違う景色がみられるかもしれないとワクワクします。雨の日しかお出かけできない傘は、いろんな所に行ってみたいと思っているのかもしれませんね。雨の日が楽しくなるお話です。

本屋のミミ、おでかけする!
2.honnyano.jpg 森環 作 
 
あかね書房

地下にある本屋の子のミミは本が大好き。でも外へ出るのは大嫌い。だから外へ行くことはありませんでした。ところがおじいさんの友達の絵かきさんと仲良くなり、スケッチに誘われました。悩むミミ。すると、絵かきさんがお店に来なくなりました。そんなある日、絵かきさんから届いた手紙を見たミミは、悩んだ末に一大決心をします。新しい世界を知ることの楽しさを教えてくれるお話しです。

くろりすくんとしまりすくん
2.kurorisu.jpg いとうひろし 作・絵 
 
講談社

くろりすくんが地面の下に埋めておいた木の実を探しに行くと、その木の実でほっぺをぱんぱんにふくらませたしまりすくんに出会います。この出会いをきっかけに知り合った二匹は、仲良くなります。冬が来て、しまりすくんは、冬眠します。冬眠をしないくろりすくんは、一人で冬を超えます。そんなくろりすくんに命の危険が迫ります。それぞれの違いを受け入れあう二匹の姿に、優しい気持ちがあふれます。

7月

そのときがくるくる
2 sono.jpg すずきみえ 作  
くすはら順子 絵 
 
文研出版

 小学1年生のたくまは、なすが嫌いで食べられません。おじいちゃんから「今は嫌いでも、いつかきっとおいしく食べられるときがくる」と言われますが、なかなかそのときは来ませんでした。でも、ある日給食でなすを食べたとき、やっぱりおいしくはなかったですが、そのときが近づいたと思いました。なす嫌いを克服しようとする、たくまを応援してあげたくなる本です。

ねえさんの青いヒジャブ
2_nees.jpg イブティハージ・ムハンマド 文 
S.K.アリ 文 
ハテム・アリ 絵 
野坂悦子 訳 
 
BL出版

ねえさんのことが大好きな妹のファイザー。ねえさんが、髪をおおうヒジャブをつけて初めて学校へ行く日のことを、ファイザーのまなざしで語ります。学校ではヒジャブをからかう人もいて、心配なファイザーでしたが、勇気あるねえさんの姿をみて誇らしく思います。作者のイブティハージ・ムハンマドは、イスラム教徒であり、アメリカ人女性として初めてヒジャブをつけてオリンピックに出場したフェンシングの選手です。

すずめのまる
2_suzu.jpg 箕輪義隆 絵  
かんちくたかこ 文  
 
アリス館

わたしたちの身近な野鳥であるすずめについて、“まる”というこすずめを主人公に、巣立ちから、親になり卵を産み育てるまでの一年を描いています。すずめが住宅地の中で、えさ探しや水浴びなどを集団で行い、意外な場所で子育てをする様子が、季節を追って理解できる絵本です。