こどもページ
2018年7月~12月
12月
![]() | 落合由佳 著 |
講談社 | |
大きな体でいつも元気な善太と小柄で気弱な宝は、剣道の形や性格も対照的でしたが、ともに経験者ということで小学6年の春に仲良くなります。しかし、夏休み明けの9月にお互いの気持ちが理解できずけんかをしてしまいます。そして、剣道の先生から1月の神社の奉納試合で戦うことを提案されたことで、二人は互いにライバルとして強く意識し、剣道の稽古に真剣に取り組んでいきます。男の子がスポーツと真剣に向き合い、大きく成長していく物語です。 |
![]() | 大島恵真 著 |
講談社 | |
小6の由羽良(ゆうら)は父親に言われるがまま、嫌々ながらスイミングクラブへ通っています。由羽良は、いつも頭の中で大好きな音楽を流しながら泳いでいるのです。中学進学を間近に控えて自分の心の声は大きくなるばかりで、ついに父親に「水泳なんて好きじゃない。音楽がやりたい。」と自分の本当の気持ちをぶつけます。はたして、やりたい音楽ができるようになるのでしょうか。主人公の気持ちに共感し、思わず応援したくなってしまう物語です。 |
![]() | ベースボール・マガジン社 編集 |
ベースボール・マガジン社 | |
ボルダリングはスポーツクライミングの一種目です。スポーツクライミングには他に、登る速さを競う“スピード”、登った高さを競う“リード”がありますが、“ボルダリング”は難しく設定されたコースを制限時間内にどれだけクリアできるかを競います。ボルダリングは特に頭を使う必要があり、体を使ったパズルのような競技です。2020年東京オリンピックの正式種目となり、この競技を知るのにおすすめの本です。 |
11月
![]() | 難波知子 著 |
ゆまに書房 | |
明治以降の日本では、ヨーロッパやアメリカの文化を取り入れて、服装も和服から洋服へと変化してきました。現在よく知られている学校制服の詰襟やセーラー服も、明治・大正時代に生まれたものです。明治から現代までの日本の服装の変遷が時代背景も含めて紹介されており、時代の移り変わりがよくわかる本です。 |
![]() | 今泉マユ子 著 |
理論社 | |
いつおこるか分からない災害。ひとたびおきれば、私たちの生活は一変してしまいます。いざという時に心と体の健康を守るためには、日頃からどのような備えが必要となるのでしょうか。この本には災害食を中心に、何をどれくらい備蓄すると良いかや備蓄品の賞味期限切れを防ぐ工夫、サバイバルレシピなどが、写真やイラストで詳しく解説されています。 |
![]() | シンシア・ロード 著 吉井知代子 訳 丹地陽子 絵 |
あかね書房 | |
リリーは飼い犬のラッキーがきっかけで、ブルーベリー農園に家族で出稼ぎに来ていたサルマと知り合い、どんどん仲良くなります。前向きなサルマに触発されたリリーは、ある目的のため、自分の殻を打ち破るような挑戦をすることにします。町の大きなイベント“ブルーベリー・フェスティバル”に出ることにしたのです。そしてサルマも。リリーとサルマの挑戦、上手くいきますように!! |
10月
廣嶋玲子 作 佐竹美保 絵 | |
静山社 | |
魔法使いの青年と愛らしい執事の猫“カラシ”が営む“十年屋”。そこは、様々な想いがつまったものを時の魔法で10年間預かってくれるお店です。雪だるまや壊れた時計などをそのままの形で預かってくれます。ただし、預ける対価は寿命1年。店を利用する人はその代償を払ってでも預けたい理由がありました。それぞれの結末では驚きがあったり、優しい気持ちにさせてくれたり深い感動を与えてくれます。 |
越水利江子 作 牧野千穂 絵 | |
ポプラ社 | |
著者の実母の体験をもとに、戦争の悲劇とたくましく生きる家族の姿を描いています。小学3年生の笑生子は、大阪の空襲から逃げ、空腹でふらふらしながらも、病気の母親の世話をし懸命に生きて来ました。戦争は大好きな兄や知人も奪ってしまいました。空襲シーンは、リアルで目をそむけたくなるかもしれませんが、戦争のむごさや私たちの未来について考えさせられる本です。 |
斉藤洋 作 森泉岳土 絵 | |
偕成社 | |
「わたし」は、市立図書館の児童読書相談コーナーでアルバイトをしています。そこへ、エレベーターの点検員をしている男性が本を読まない孫におすすめの本を聞きに来ました。おばけの本をすすめられた男性は、真夜中のエレベーター点検で体験した怖い話を語りはじめました。他にも「わたし」の元には、なぜか奇妙な話を語る人がよくやってくるのです。そんな「わたし」が聞いた不思議な物語を5編収めたビブリオ・ファンタジア第2弾です。 |
9月
![]() | 岩貞るみこ 文 たら子 絵 |
講談社 | |
キリンを盛岡市動物公園から上野動物園に運ぶ。大量の鉄道車両を外国に運ぶ。こども病院のお引越しでは入院患者のこどもたちも運ぶ。実際にあった三つの大きなプロジェクトの話です。いずれも多くの人が携わり、仲間を信じて連携し、それぞれの役割をしっかり果たすことで仕事が成し遂げられていきます。運ぶ人たちのプロのプライドが熱く心に響きます。 |
![]() | 野中柊 作 松本圭以子 絵 |
理論社 | |
本屋さんの棚にぎっしりと詰め込まれた本の上のほこりから生まれたねこ。本屋のご主人のモシモさんに“ルビ”という名前をつけてもらいます。その名前には、すてきな意味がありました。本屋の看板ねことなったルビは、本に興味を持ち、様々な経験をしていきながらどんどん成長していきます。ルビねこの成長を見守りたくなる物語です。 |
![]() | 新井紀子 監修 |
誠文堂新光社 | |
人工知能(AI)”という言葉をよく耳にします。この本では“人工知能”について、何が得意で何が不得意かなどをロボット“アイくん”のマンガも使って、わかりやすく説明しています。その歴史から未来の話なども図やイラストで詳しく解説しています。人工知能の新しい知識をたくさん得られ、大人が読んでも魅力あふれる本です。 |
8月
![]() | サッサ・ブーレグレーン 作 枇谷玲子 訳 |
岩崎書店 | |
10歳の女の子エッバは、新聞に載っていたG8(世界の権力者)の写真を見て、女性が一人もいないことに気づきます。そして、"そのままの自分でいさせて!"をモットーにしたクラブを作って、男女平等について話し合い、考えていきます。この本には、女性(男性)はこうあるべきという考えがどうしてもぬぐえない社会の中で、女性が権利を求め行動してきた歴史も分かりやすく書かれています。 |
![]() | ロベルト・ピウミーニ 作 長野徹 訳 |
岩波書店 | |
ギリシャ神話を舞台にした、スケールの大きい冒険物語です。半身半馬のケンタウロスのポロスは、誤解から生まれたいさかいのため、ふるさとを離れます。賢者の助言を受け、災難からの逃亡を、知恵を探求する旅に変え、多くの困難に立ち向かっていきます。児童文学に数多くの絵を描いている佐竹美保さんによるさし絵がイメージをさらにふくらませてくれます。 |
![]() | 畠山重篤 著 スギヤマカナヨ 絵 |
講談社 | |
気仙沼湾でカキの養殖をしている”カキじいさん”こと漁師の畠山さんは、東日本大震災の大きな被害からも立ちあがり、30年にわたる植林活動を続けています。カキじいさんは山に木を植え、森・川・海のつながりと自然環境の大切さを分かりやすく教えてくれます。この本には、お話の中に出てくる百種類を越す動植物が全て、イラストで描かれています。 |
![]() | ディオン・レナード 著 橋本恵 訳 |
あすなろ書房 | |
ディオンは、中国とモンゴルにまたがるゴビ砂漠を7日で250キロ走る過酷なレースの会場で一匹の小犬になつかれます。ディオンは小犬にゴビと名付け、この相棒とレースを走破して2位を獲得します。ゴビをエジンバラへ連れ帰るつもりだったディオンですが、中国での犬の出国手続きは非常に困難で、そのうえゴビが行方不明に。ゴビとディオンの数々の試練、多くの仲間に支えられての奇跡の連続。感動のラストが待つ実話です。 |
7月
![]() | くすのきしげのり 作 古山拓 絵 |
PHP研究所 | |
日本では年末に歌われることが多いベートーベンの「第九」。徳島県鳴門市の小学校では、それを6月にドイツ語で歌います。転校してきたばかりの友野愛子は不思議に思い、理由をおばあちゃんに尋ねると、100年ほど前の“坂東俘虜収容所”の話をしてくれました。収容所があった坂東で生まれ育った著者の平和への思いが伝わってきます。 |
![]() | サラ・シムッカ 作 サク・ヘイナネン 絵 古市真由美 訳 |
西村書店 | |
雪が降りつもる冬のある日、11歳のアリーサは、夜空に月が5つのぼるふしぎな花園にとつぜん迷いこみます。そこで出会った少女メリといっしょに旅をするうちに、人間界に危険がせまっていてそれを救えるのは自分たちだと、長老フクロウから告げられます。ふしぎなキャラクターたちがたくさん登場する、友情と勇気あふれる冒険ファンタジーです。 |
![]() | 斉藤洋 作 森田みちよ 絵 |
静山社 | |
主人公はある街に住む作家です。電車の中や街の中で何度も不思議な体験をするのですが、そのとき必ずある一人の少女が現れるのです。そして少女のつぶやく一言に吸い込まれるように不思議な世界に誘われます。作家が語る奇妙な体験談が7編おさめられています。『オレンジ色の不思議』に続く短編集第2弾です。 |