こどもページ
2018年1月~6月
1月
![]() | オーサ・ストルク 作 ヒッテ・スペー 絵 きただいえりこ 訳 |
さ・え・ら書房 | |
ファドマはイスラム教の国ソマリアから来たスウェーデンに暮らす女の子です。イスラム教圏とキリスト教圏での生活習慣にはたくさんの違いがあります。女の子は男の子と一緒に水着を着て泳ぐことはできない決まりです。だから、プールの授業はいつも見学です。でも「水着を着て泳いでみたい」という子どもの想いは同じです。少女ファドマの願いが伝わって、やがておかあさんや先生を動かしていきます。 |
![]() | 須藤靖貴 著 |
講談社 | |
小学6年生のヒットンことひとみは、足が速いことが自慢です。しかし、もうすぐ運動会という時に左足首を捻挫してしまい、リレーに出られなくなってしまいました。けれどもヒットンは新聞委員として準備段階から取材し、小学校最後の運動会をかげで応援します。運動会の目玉は組体操。しかし男の子同士が喧嘩になってしまいます。大技の超速ピラミッドを行うには皆の団結力が必要です。運動会はあともう少し。ヒットンは仲を取り持とうとしますが、なかなか上手くいきません。心を合わせて取り組み、成功させることの難しさ、大切さ、達成感をこのお話で感じることが出来るでしょう。 |
![]() | 高森美由紀 作 井田千秋 絵 |
あかね書房 | |
家でも学校でも居場所が無いと感じていた小学5年生の春香は森でふしぎな格好をした妖精のようなおばあさんを見かけます。勇気を出しておばあさんの家に行き、出されたスープのまずさに驚きつつも、おばあさんに料理を習うようになります。 引っ込み思案な少女が“妖精の”おばあさんとの交流や料理作りをきっかけに少しずつ成長していく物語です。 |
2月
![]() | 横田明子 作 |
岩崎書店 | |
幼い頃からピアノを習っている5年生の「タカ」は、このところピアノに向かっても心が躍ることもなく、ただ続けているだけ。そんな状況に自分でも疑問を感じています。同じようにピアノを続けている彩音、バリバリとピアノを弾きこなす帰国子女のマイちゃん、スポーツに打ち込む光平の仲良し4人組で初もうでに出かけたことから、思いもよらないなぞを呼び込みます。音楽と友情を軸に、それぞれが将来の方向性を見出し、成長していく物語です。 |
![]() | 濱野京子 作 おとないちあき 画 |
くもん出版 | |
小学5年生の照葉(てるは)は、1年生の時の七夕の短冊に「そうりだいじんになりたい」と書いたことから、今も幼なじみの東太から「ソーリ」とからかわれています。「昔のことだし、リーダーシップもないし」と、そう呼ばれることが内心嫌な照葉。そんな照葉ですが、学級委員になったことでクラス全体のことを考えるようになります。クラスメイトの家庭事情から義務教育の意味を調べたり、選挙に興味を抱き国会議事堂を見学したり、ベトナムの子どもと交流したりと、政治や社会についても考えるようになっていきます。 |
![]() | 五味文彦 監修 |
岩崎書店 | |
鳥獣戯画は文字のない、絵だけの絵巻物で、漫画のルーツといわれています。作者も分からず、謎の多い作品ですが、文字がないことで見る人それぞれの想像力がかきたてられるおもしろさがあります。この1冊でたくさんの魅力を教えてくれます。そして実物を美術館でみる機会があれば、ぜひ本物を見に行ってみてください。作品の味わい方がわかって、より楽しめるはずです。 |
3月
![]() | キャロル・ライリー・ブリンク 作 谷口由美子 訳 松本春野 絵 |
文溪堂 | |
メアリとジーンは12歳と10歳の姉妹です。離れて暮らす父親に会うために、オーストラリアに向かう最中、ふたりの乗る船が難破してしまいます。けれどもしっかり者のメアリは船内に残された4人の赤ちゃんを救い出し、救命ボートで南太平洋の小さな無人島へ流れつきました。ところが、無人島だと思っていた島にはイギリス人の船乗りが住んでいたのです。メアリとジーンは赤ちゃんたちのママとして、お世話に奔走します。困難な状況でも希望を失わず、船乗りや動物たちと、明るく力強く暮らす少女たちの冒険ストーリーです。 |
![]() | 松尾豊 監修 |
PHP研究所 | |
人工知能が日々進化しています。将棋や囲碁では人間を負かしました。この進歩が社会にどのような変化を与え、そして、人々の暮らしの中でどう役立っていくのかを学ぶのにとても分かりやすい解説書です。 |
![]() | 谷川一巳 監修 |
PHP研究所 | |
駅は、誰もが利用し、私たちのくらしと切り離すことはできない施設ですね。海外の駅はどんなふうでしょうか。ページをめくると、日本との違いに驚きの連続です。駅は鉄道をつなぐ建物ですが、便利なだけでなくその国の事情や文化があらわれていておもしろいものです。また、鉄道の歴史や駅の種類、役割などが写真や図によって解説されているので調べ学習にしっかりと対応できます。 |
4月
![]() | 小俣麦穂 著 |
講談社 | |
響音(ひびね)は、音楽高校を目指す姉の弾くピアノが自慢でした。しかし、ある日を境にその音色から生彩が失われてしまったことに気づきます。そんな時、響音は叔母に誘われ「ふるさと音楽祭」で音楽劇に参加することになりました。響音は、スランプの姉の心を救いたいと、仲間たちと力を合わせて舞台づくりに取り組みます。響音の音楽への思い、家族への思いに触れながら、劇中の曲も聴いてみたくなるお話です。 |
![]() | デイヴィッド・ウォリアムズ 作 三辺律子 訳 平澤朋子 絵 |
小学館 | |
舞台は、イギリスの田園にある広大な館。12歳のステラ・アンバー・サクスビーは、事故で両親を亡くし、アルバータおばさんに面倒をみてもらうことになりました。しかし、このおばさん、実は、世界一いじわるな世にもおそろしいフクロウおばさんだったのです。巨大なワシミミズクを飼いならし、手当たり次第に悪事をはたらくおばさんのねらいは、サクスビー館の権利書を盗み出すこと。ステラは、館に住みつく、えんとつそうじ少年のススと共に、攻防戦を始めます。笑いと興奮がたっぷり。ワクワク、ドキドキの物語です。 |
5月
![]() | 市川朔久子 著 |
講談社 | |
小学校の卒業式が終わり、中学の入学式まで長めの春休み。柊、風知、天馬の3人は、遅めの修学旅行に行くことになりました。行先は、離れて暮らす風知の父親のところです。父親からのミッションは「旅の途中、卒業アルバムに知らない人10人から寄せ書きしてもらい、一緒の写真も撮ってくること」です。道中に起こる出来事は、ハラハラ、ドキドキ。3人で協力しながら乗り越えていく姿が、たくましくもあり、ほほえましい、友情の物語です。 |
![]() | 中山聖子 作 |
岩崎書店 | |
どこかへ行ってしまいたいとか、ここから逃れたいとか、思ったことありませんか?そんな思いに駆られた小学生が、水色のバスに誘われ、ひととき、懐かしい“千代商店”や“千代ばあちゃん”と触れあうお話です。これは心の中のやさしい記憶が見せてくれた夢なのか?4篇の短編形式で描かれて読みやすく、読んだ後には、ちょっとほっとできるお話です。 |
![]() | おのりえん 作 森環 絵 |
理論社 | |
その村で生まれた子は、みんな手をグーにして生まれてきます。その手の中にはドラゴンの卵が握られていて、卵からかえったドラゴンは、それぞれの子の一生の相棒になるのです。お父さんもお母さんも村の子だからドラゴンがいます。でもドラゴンは相棒にしか見えません。これはアオバという男の子とアオバのドラゴンであるアオの成長物語です。別れの時がちょっと切ないけれど、次への期待も持てるようなストーリーです。 |
6月
![]() | 佐藤慧 著 安田菜津紀 写真 |
ポプラ社 | |
牛乳は、牛のお母さんのお乳で作られています。その牛たちは、どのような場所で、どのように飼われているのでしょうか。日本では、せまい牛舎で穀物をえさに牛を飼い、なるべくたくさんの牛乳をつくる酪農「近代酪農」の方法が取られています。しかし、岩手県岩泉町にある「なかほら牧場」の牧場長の中洞さんは、近代酪農を選びませんでした。なぜ大変な思いをしながらも理想の酪農「山地酪農」に挑んだのか。理想を現実にした中洞さんの長い挑戦の記録です。 |
![]() | 原田一宏 著 |
くもん出版 | |
東南アジアの国々ではコーヒー豆の栽培が盛んです。コーヒー豆の栽培は農民の暮らしをささえる一方、大規模農園が増えることで熱帯林に起こる問題が懸念されています。実際に森林が失われることで、もともとそこに暮らしていた人々やスマトラゾウなどの動物たちが住むところを追われてしまいました。また、地球温暖化の原因にもなり、地球規模で抱える大きな問題にもなっています。現地へ何度も足を運び調べることを大切にしてきた著者が、アジアの森林とともに生きる人々の暮らしをわかりやすく語ってくれます。 |
![]() | 青野裕幸 著 |
いかだ社 | |
「CDでコマをつくったらどんな色が見えるか」、「四角いシャボン玉はできるのか」、「料理するときに切って捨ててしまうことが多いダイコンやニンジンの上の部分を育ててみよう」など、学校や家庭にある身近なものを使ってかんたんにできる“いろいろな実験や観察のしかた”をとても楽しく紹介しています。 |