こどもページ

2022年7月~12月

これまでにおすすめした本

12月

正義ってなんだろう-自分の頭で考える力をつける-
4.seigitte.jpg 齋藤孝 著
リベラル社

“正義”という言葉から、何を思い浮かべますか?正義の味方、ヒーロー、何だかわからないけど難しそうなこと、など人によって様々だと思います。この本では、正義について「どう定義するのか」ではなく、「どう考えるか」を読者に問いかけています。戦争やいじめが無くならない世の中だからこそ、考えたいテーマです。

ラベンダーとソプラノ
4.rabenda-.jpg 額賀澪 作
いつか 絵
岩崎書店

全国合唱コンクール金賞常連校の常花小合唱部は、昨年の大会で銀賞に終わってしまいました。そのため、金賞を目指す厳しい練習が続き、窮屈さを感じた真子たち部員の気持ちはバラバラになっていきます。そんな時、真子は町の合唱団で歌っている朔(はじめ)と出会い、その合唱団でみんながのびのびと歌っている姿を見て、羨ましいと思うと同時に、楽しく歌うということを忘れていた自分に気付きます。

ごみ 世界で一番やっかいなもの-リサイクルから環境問題まで-
4.gomi.jpg G.レイド 文・絵
那須田淳 訳
西村書店

原著は、環境先進国のドイツで出版されました。海のマイクロプラスチック汚染を始めとした、世界が抱えるごみ問題と環境への配慮について取り上げており、昔と今の暮らしの比較や、各国で行われているリサイクルの状況など、多角的な視点で捉えています。人間が暮らす上で、必ず発生する“ごみ”を減らすために、一人一人がどう行動すべきなのか、考えるきっかけを与えてくれる本です。

11月

忘れもの遊園地
4.wasuremono.jpg 久米絵美里 著   
かわいみな 絵 
 
アリス館

友達に言われたひどい一言や怖い思い出など、忘れたい事はありますか。6年生のトラタとレミにも忘れてしまいたい事がありました。ある日、忘れ物をして焦っている時に突然見知らぬおじいさんがタブレットを持って現れ、「何か忘れたい事を一つウェブサイトに投稿してくれたら、あなたの忘れ物をお渡しします。」と言います。忘却術や記憶術について学べ、記憶することの大切さについて考えさせられる本です。

ラスト・チェリー・ブロッサム-わたしのヒロシマ-
4.rasuto.jpg キャサリン・バーキンショー 作 
吉井知代子 訳 
 
ほるぷ出版

日系アメリカ人の著者が、母親の体験をモデルに描いたフィクションです。ユリコは、広島で生まれ育った12歳。父が新聞社を経営しており、裕福な暮らしをしています。戦争中で様々な制限はありましたが、それでも家族や友達と幸せに暮らしていました。それが、昭和20年8月6日、広島に落とされた原爆により、生活は一変します。戦時中の暮らしや文化、恐ろしさを少女の心情とともに綿密に描いた作品です。

世界の魔よけ図鑑
4.sekaino.jpg 三国信一 監修 
土屋輪 監修 
本作り空Sola 編 
 
岩崎書店

古代に誕生した魔よけは、科学の世となった現代でも、私達を見守るように存在し続けています。例えば、年中行事でおなじみの雛人形、節分の豆、クリスマスのリースも魔よけの一種です。病気や不運などの目には見えないものから大切なものを守りたいという、人類の願いがつまっている魔よけ。その役目を知ることが、暮らしの中で役立つはずです。

10月

いのちの木のあるところ
4 inoti.jpg 新藤悦子 作 
佐竹美保 絵 
 
福音館書店

13世紀、山間の小国ディヴリーは、周囲の大国に度々脅かされる状況でしたが、争いを望まない王妃トゥーラーンは、王とともに大モスクと治癒院を建てることにしました。ディヴリーに各国から職人たちが集い、建設が始まります。そして、昔より永遠のいのちを願う人々の信仰の対象であった“いのちの木”を、大モスク冠門の浮彫の文様にする作業へと移っていきます。緻密にして大胆な“いのちの木”の浮彫に、平和への強い思いを感じられる物語です。

てつほうの鳴る浜
4 tetuhou.jpg 森川成美 作 
 
小学館

武士の家に生まれた長種は、商人になるために家出をし、博多行きの船に忍び込んだものの、船員に見つかり捕えられました。しかし、船長が父の友人だったため命を助けられ、船長の知り合いの商人の家に行くことになります。そこで商人の修行を始めた長種でしたが、未来を予言する不思議な少女“いと”に出会ったことで、思わぬ騒動に巻き込まれていきます。戦乱の鎌倉時代、運命に翻弄されながらも成長していく少年の姿を描いた物語です。

アマゾン川-熱帯雨林・生命の源-
4 amazon .jpg サングマ・フランシス 文  
ロモロ・ディポリト 絵 
ゆらしょうこ 訳
 
徳間書店

世界一の流域面積を誇るアマゾン川。川のまわりには熱帯雨林が広がり、動植物の種類が多い地域で、ここでしか見られない生物もたくさんいます。そんなアマゾン川に生息している生物や自然、流域の森林に暮らす人々の歴史から、現在の生活、環境問題までアマゾン川の知られざる多くの側面を知ることができる、興味深い一冊です。

9月

魔法のほね
4 mahouno.jpg 安田登 著
亜紀書房

小学5年生のたつきは、みんなの前だと簡単な九九でもつまづいてしまう、あがり症。そんなたつきが、学校帰りに“見捨てられた店”という骨董店に迷い込み、不思議な光を放つ魔法の骨と出会います。その骨に刻まれた古代文字を祖父らの協力を得て解読し、3,700年以上前の中国にタイムスリップすることに。漢字の成り立ちが鍵となる冒険物語です。

じいちゃんの山小屋
4 jiichanno.jpg 佐和みずえ 作
カシワイ 絵
小峰書店

父親と大げんかをして、じいちゃんと暮らすことになった小学6年生の航太。待っていたのは、トイレもお風呂も電気もない、山小屋生活でした。きつい山仕事をさせられて、逃げ出そうとしたこともあった航太でしたが、不便ではあっても都会にはない豊かさがある山での暮らしが、航太を大きく成長させていきます。

それでも、世界はよくなっている
4 soredemo.jpg ラシュミ・サーデシュパンデ 著
神田由布子 訳
亜紀書房

世界は戦争や貧困などといった悪いニュースで溢れています。けれども、今よりも平等で平和な時は果たしてあったのでしょうか。世界で起きている良い出来事や、社会で活躍してきた人の言葉を紹介しながら、これからの社会をより良くしていくために、誰もが進み出せるよう励ましてくれる一冊です。

8月

シャンシャン、夏だより
4.syansyan.jpg 浅野竜 作 
中村隆 絵 
 
講談社

夏休み、両親が農家を営む野歩人(のぶと)は、誰にも心を開かない転校生ちとせの一言で、クマゼミが気になりだします。クマゼミはこの地域では珍しいセミで、野歩人はクマゼミの自由研究で賞を狙おうと、秀才の親友に手伝ってくれるよう頼みました。クマゼミを捕えようと町中を奔走するうちに、ちとせの抱える事情を知り、交流するようになる野歩人。美しい田園風景とともに、子ども達の人間ドラマに引き込まれます。

ももちゃんのピアノ―沖縄戦・ひめゆり学徒の物語―
4.momochan.jpg 柴田昌平 文 
阿部結 絵 
 
ポプラ社

沖縄のひめゆり学園に通うももちゃんは、ピアノが大好き。ところが戦争が始まり、音楽どころではなくなりました。「生きたまま捕虜になることは最大の恥」いう学校での教えと、「ぜったいに死ぬな」という音楽を教えてくれた先生の言葉の間で、心が揺れ動きます。元ひめゆり学徒の体験をもとにしたノンフィクションで、戦争の悲惨さや、平和の大切さが、ももちゃんのピアノへの思いを通して伝わってくる本です。

マグノリアの森
4.magunoria.jpg 中川なをみ 作 
白石ゆか 絵 
 
あかね書房

卓は、少し神経質で喘息持ちの5年生。父の転勤で両親が中国に行くことになり、一人で奈良の祖父の家で暮らすことになりました。祖父は、畑仕事の他に山でも仕事をしており、山には亡き祖母が大好きで、祖父が植えた真っ白なマグノリアの花が咲き誇っていました。祖父母の思い出の詰まった山で、同級生アズサと一緒に祖父の仕事を手伝ううちに、心も体も成長していく卓。新しい自分に出会える、成長物語です。

7月

宇宙人とみつける仕事図鑑-CHIKYU NO OSHIGOTO-
4_uchujin.jpg 二村大輔 絵 
リクルートエージェント 監修 
 
文響社

現代の仕事は、大人でもわからないものが多くなっています。また、“ユーチューバー”のように名称は知っていても、子供にわかりやすく説明することが難しい仕事も多いです。この本では、500種類以上の仕事を“宇宙人”と一緒に、内容や、その仕事につく方法、従事者の感想などの項目ごとに紹介しています。気軽に読み進められ、将来の仕事探しの参考になる図鑑です。

あっちもこっちもこの世はもれなく
4_achimokochimo.jpg いとうみく 作 
ころりよ 絵 
 
PHP研究所

小学4年生の公太は背が低いことで悩み、牛乳を多く飲んだり努力しましたが、悩みは解消されません。一方、仲良しの希来里(きらり)は背が高いため、公太は嫉妬してしまい、結局”世の中は不公平”という考えに至ります。そんなある日、希来里に誘われて競馬場に馬を見に行った時、公太は彼の夢や、意外な悩みを知ることになります。他人と自分を比較して、悩む気持ちが前向きに変わる物語です。

リメイク!
4_remake.jpg あさだりん 作  
いつか 絵 
 
フレーベル館

小学6年生の由希は、親友の莉奈(りな)から“しっかりしている”という理由で手芸クラブの部長に推薦され、引き受けることになりました。クラブには、生意気な5年生男子のひかるもいて、悩みは尽きません。しかし、由希は部員や両親と、バザーへの参加準備を進めながら、自分の主張だけでなく、他人の意見をしっかり聞く大切さにも気付いていきます。