こどもページ

2020年7月~12月

これまでにおすすめした本

12月

フン虫に夢中―ウンチを食べる昆虫を追いつづけて―
4funntyuunimutyuu.jpg いどきえり 著 
 
くもん出版

動物のフンを転がし食べて、汚いというイメージをこの虫に持つ人もいると思います。しかしフン虫はカメ虫のように臭くなく、フンを食べて分解し自然に返してくれるので自然環境にとても優しい虫です。それに宝石のように綺麗な色をしています。小学生の時から生き物が大好きだった中村さんが「ならまち糞虫館(ふんちゅうかん)」でそのフン虫だけの博物館を作るまでのお話です。

イルカと少年の歌―海を守りたい―
4irukatosyounenn.jpg エリザベス・レアード 作 
石谷尚子 訳 
 
評論社

スコットランドのストロムヘッドという小さな港町で、父と一緒に暮らす11歳の少年フィンは、父から「海には近づくな」と言われて育ちました。ある日、クラスメイトとのトラブルから海に落ちてしまったフィンに、不思議なことが起こります。父から母の秘密を聞き、友達がひとりもいなかったフィンが、海を守るために率先して行動していく姿を描く物語です。

台風の大研究―最強の大気現象のひみつをさぐろう―
4taihuunodaikennkyuu.jpg 筆保弘徳 編著 
 
PHP研究所

はるか南の海で生まれているのに、台風の雲は雨を降らせても薄れて消えることなく、日本にまでやってきます。通常の雨雲とは異なる仕組みの説明や、ケーキの断面のような構造の図解が、その理由を教えてくれます。台風は大きな被害をもたらす半面、実は日本に大量の水を届けてくれている事、海の生き物の役に立っている事など、びっくりするようなひみつも明かされています。

11月

完司さんの戦争
4.soujisan_no.jpg 越智典子 文 
コルシカ 絵・漫画 
 
偕成社

「世界を見てみたい」という夢を持っていた完司さんですが、第二次世界大戦が始まり、徴兵され、グアム島に行くことになりました。その戦争体験を、完司さんから直接聞いた著者がわかりやすいようにまとめた本です。「戦争は、若い一番いい時期を奪ってしまった。もう二度と若い人たちに、このくやしい思いはしてもらいたくない。」という完司さんの思いが込められています。

イイズナくんは今日も、
4.iizunakun.jpg 櫻いいよ 著  
酒井以 イラスト
 
PHP研究所

イイズナくんは、特別な力を持つ中学1年生です。態度が横柄なため、周りの生徒と打ち解けられません。ところがある日、クラスメートの春日は、イイズナくんの秘密を知ってしまったことがきっかけで、彼と一緒にいるようになります。実は優しいイイズナくんの思わぬ行動が、友達を巻き込んで、家族や友達の様々な悩みの解決につながります。個性的な仲間と、イイズナくんとの不思議な関係が楽しい話です。

キャラメル色のわたし
4.kyarameruiro.jpg シャロン・M.ドレイパー 作 
横山和江 訳 
 
鈴木出版

11歳のイザベラは、離婚した両親の取り決めにより、きっちり1週間ごとにそれぞれの家で過ごさなくてはなりません。また、黒人のパパと白人のママの血を引く自分の中途半端な立場に葛藤します。大好きなピアノをがんばるイザベラ。複雑な人種問題を背景にしながらも、アメリカの10代の女の子の日常生活がいきいきと描かれています。

10月

スイマー
4sui.jpg 高田由紀子 著 
結布 絵 
 
ポプラ社

東京から佐渡へ引っ越してきた小学6年生の向井航は、転校前は強豪スイミングクラブに在籍していました。しかし、大事な大会のメドレーリレーで失格になって以来、人とも水泳とも距離を置いていました。そんな航でしたが、ある出会いから閉館の危機にある地元のプール、ドリームブルー佐渡の存続のために仲間と奮闘することになります。新しいチームメイトと成長し合い、県大会へ挑戦するまでの青春スポーツ小説です。

命のうた―ぼくは路上で生きた十歳の戦争孤児―
4ino.jpg 竹内早希子 著 
石井勉 絵 
 
童心社

小学4年生で終戦を迎えた戦争孤児の清一郎が、27歳で教師になるまでの実話です。戦争孤児は、本来庇護されるべき子どもなのに守ってくれる大人もおらず、逆にはげしい偏見や差別を受け浮浪児として路上や駅で壮絶な生活をおくるしかありませんでした。当時、12万人以上いたといわれる戦争孤児。そして、3万人以上いたと言う浮浪児たちの、声なき声を聴いてください。

ハナコの愛したふたつの国
4hana.jpg シンシア・カドハタ 作 
もりうちすみこ 訳 
 
小学館

日系米国人のハナコが終戦後、祖父母のいる広島に両親と帰ります。物語にはアメリカの収容所の様子や広島の惨状など当時の登場人物の心理描写も丁寧に書かれています。この本は子ども向けの本ですが、大人が読んでも、たくさんのことを感じ、考えさせられます。

9月

チェンジ!―パラアスリートを撮り続けて、ぼくの世界は変わった―
4 tyennji20200909091256.jpg 越智貴雄  著  
 
くもん出版

シドニーオリンピックからアスリートの写真を撮りつづけているカメラマン越智貴雄さん。世界一に挑戦するパラアスリートとの出会いによって世界観が変わり、チャレンジすることの大切さに気付いた経験を伝えるため、選手達の魅力的な姿を数多く綴っています。障害は本人ではなく、社会にあるのではないか、という言葉が心に残ります。パラ観戦の注目ポイントもわかります。

秘密のノート
4 himituno.jpg ジョー・コットリル  作 
杉田七重                 訳 
 
小学館

11歳のアンジェリカは、人前でモノマネをしてみんなを笑わせるのが大好きです。学校で開催されるタレントショーに参加して優勝したいと思っていました。けれどもそんな反面、心の中では悩みを抱え、その思いを詩にしてピンクのノートに綴っていました。友だち・独身のママ・ママのボーイフレンドと周囲の人々の関わりの中で、本当の自分を表現できるようになる少女の成長物語です。

山のうらがわの冒険
4 yamanouragawa20200909091256.jpg みおちづる  作  
広瀬弦        絵 
 
あかね書房

小学生のヒロキは、お母さんの仕事の都合で、夏休みを山の中にあるおばあちゃんの家で過ごすことになりました。ある日、カラスに帽子をとられ追いかけるうちに“山のうら側”に踏み込んでしまいます。神さんのすみかといわれる“山のうら側”で、ヒロキは、ヤマビトのガアやゴンじいと一緒に、今までに経験したことのない大冒険をすることになります。

8月

花を楽しむ野菜図鑑―タネまきから収穫まで―
4.hanawo.jpg 岩槻秀明  著 




 
いかだ社

いつも食べている野菜は、どんな花が咲くか知っていますか?野菜の形に関係なく、きれいな色やかわいい花が咲きます。種まきから育てかたなどをていねいにかいてあるので家で観察しながら育てられます。野菜のキホンが楽しくわかる一冊です。

雨女とホームラン
4.ameonnna.jpg 吉野万理子 作 
嶽まいこ 絵 


 
静山社

小学六年生の野球少年の竜広は占いが大好きでジンクスを気にしていす。同じクラスの里桜とも占いのラッキーアイテムの話から意気投合します。しかし、球技大会が突然の雨で中止になったことを、竜広と里桜は転校生の由樹が雨女だからだと決めつけてしまいます。由樹は遠足の日にお天気を気にして休んでしまいました。時には楽しい占いやジンクスですが、信じすぎてしまうことはどうなのかを考えさせられるお話です。

囚われのアマル
4.toraware.jpg アイシャ・サイード 作
相良倫子 訳 



 
さ・え・ら書房

学ぶことに喜びを感じ、教師になることを夢見ていた12歳のアマル。5人目も女の子を出産し、気落ちした母親と幼い妹たちの面倒を見るために、学校に行けなくなってしまいました。そんなある日、つかの間の息抜きに出かけた市場での出来事により、未来への希望を奪われてしまいます。女の子であるがゆえに我慢を強いられながら生きるパキスタンの少女の現実を伝えます。

7月

王の祭り
4_ouno.jpg 小川英子 著 
 
ゴブリン書房

妖精をつかまえて、エリザベス女王の祭りを見にお城へ行くことになった“ぼんやり者”の少年ウィル。お城で女王の暗殺が計画されていることを知り、ウィルと妖精は女王を連れてある場所へと向かいます。その場所は予想もしない場所でした。16世紀という時代背景をもとに、実在の人物たちが魅力的に描かれた歴史ファンタジーの物語です。

ぼくと母さんのキャラバン
4_kyar.jpg 柏葉幸子 著 
泉雅史 絵 
 
講談社

消えてしまった母さんを探したいだけなのに、突然ラクダを率いて届け物をすることになってしまった小学五年生のトモ。頼んだのは異世界の、後ろ足で立って言葉をしゃべる大きな動物たちでした。ただ歩けばいいだけと聞いていたのに、怖くて奇妙な出来事が次々とトモをおそいます。そして少しずつ分かっていく母さんと異世界の秘密。疾走感あふれるドキドキの冒険物語です。

ぼくたちがギュンターを殺そうとした日
4_gyun.jpg ヘルマン・シュルツ 作 
渡辺広佐 訳 
 
徳間書店

難民を受け入れる村に住むフレディは、友人たちを止めきれず、結局は難民の子ギュンターに酷いいじめをしてしまいます。いじめについて大人に知られることを恐れた彼らの口から出たのは、口止めにギュンターを殺す計画でした。著者の実体験に基づいた、第二次世界大戦直後のドイツの農村で暮らす子どもたちの、戦争や大人に対する憤りや複雑な心境がリアルに描かれています。

ホントに食べる?世界をすくう虫のすべて
4_mush.jpg 内山昭一 監修 
 
文研出版

近年、食糧危機の救世主として注目されている昆虫食ですが、はるか昔から世界中の人々に親しまれています。昆虫は栄養素・飼育のしやすさ・環境にも良いスーパーフード。本書では、その歴史や世界の食事情などを写真と併せて学ぶことができます。また、食べる際の注意点や、身近に体験できるお店も掲載されています。昆虫食の世界を覗くことができる入門書です。