こどもページ

2019年1月~6月

これまでにおすすめした本

6月

いつか、太陽の船
010.jpg 村中李衣 作
こしだミカ 絵
新日本出版社

海翔(かいと)の家は宮城県の気仙沼で造船をしていましたが、6年前の大震災で全てを失いました。今は家族で北海道に移り、気仙沼での稼動再開を目標に造船業を続けています。でも海翔は、津波でいなくなった愛犬や別れ別れの友達を思い、今でも辛く苦しくなるのです。海翔の心の葛藤が伝わってくると同時に、苦しみを乗り越えて1歩ずつ進んでいけるよう応援したくなる物語です。

長浜高校水族館部!
011.jpg 令丈ヒロ子 文
紀伊カンナ 絵
講談社

愛媛県立長浜高校の水族館部は、高校生が部活で水族館を運営している実在の部です。部員達は日々生きものの世話をするだけでなく、一般公開の日にはお客さんの案内や説明をし、研究の分野でも世界的な評価を受けています。そしてそこには数々のドラマがありました。この物語は作者が長浜高校へ取材に行き、水族館部に関わる人たちから聞いた様々な事実をもとに書かれています。

5月

バドミントン★デイズ
4_Badominntonn.jpg 赤羽じゅんこ 作  
さかぐちまや 絵 
 
偕成社

 紅梅小学校のバドミントン部の小学5年生の女子4人が主人公です。ちょっと弱気な美優、マイペースの理音、勝気なくるみ、実は部活はやめたいナノの4人は皆、かなり違うキャラクターですが、それぞれに悩みを抱えています。バトミントンを通じてお互いに競いあい、励ましあっていく4人のことを身近に感じられることでしょう。

オリンピックを呼んだ男 田畑政治
4_Orinnpikku.jpg 近藤隆夫 著 
 
汐文社

 来年、東京オリンピックを控えた今、オリンピックの歩み、オリンピックに関わった人々の話がぎっしり詰まっている本を読んでみませんか。この本では、特に競泳界の中心人物、田畑政治さんと競泳の歩みに着目して記されています。第1回ギリシャのアテネで開かれたオリンピックから、第5回目で日本が最初にオリンピックに参加するまでの経過とその後の流れ。プールの無い時代からの競泳の歴史も垣間見ることができる一冊です。

4月

火星を知る!
4 Kasei .jpg 三品隆司 構成・文
岩崎書店

火星とはどんなところでしょうか。火星の発見から姿、大気の様子、地球との違いなど写真とイラストをまじえて、くわしく解説しています。火星探査の歴史やこれからの計画も載っています。火星への理解が深まり、火星に住むことが出来るかなど大変興味がわいてくる本です。

少女は森からやってきた
4 Syoujoha  .png 小手鞠るい 著
PHP研究所

小学6年生美幸のクラスに、日本語が得意でない転校生エリカがやってきました。自分のカラに閉じこもりがちの美幸ですが、彼女とは仲良くなっていきます。しかし、やがて別れがやってきます。エリカとの思い出を宝物にして大人になっていく美幸の気持ちがよく描かれた物語です。

ぼくは本を読んでいる。
4 Bokuha  .jpg ひこ・田中 著
講談社

小学5年生のルカは、自宅の“本部屋”で偶然見つけた本に興味をもちました。カバーのかかった古びた本の題名は『小公女』。父か母がかつて読んでいた本を親には内緒で夢中で読み進めます。実生活と本の世界とを交互に描写しながら、ルカが読書のおもしろさに気づいていく様子を描いています。朝日小学生新聞2018年1月4日~3月31日付紙面に掲載された小説に加筆、修正したものです。

3月

スケッチブック-供養絵をめぐる物語-
4-suketti.jpg ちばるりこ 作
シライシユウコ 絵
学研プラス

 沙里奈は小学5年生の時に、ある噂により大好きな絵を描くことをやめてしまいます。6年生の夏休み前、その噂を流したかもしれない子と親友が一緒にいるところを見てしまいます。もうこの町にはいたくないという気持ちのまま沙里奈は、夏休みに一人で亡き母の故郷の遠野を訪れます。そこで東日本大震災で娘を亡くした女性と出会い、母もかつて描いていた供養絵を描くことを決めます。好きなことに夢中で取り組む沙里奈が凛としていて素敵な物語です。

おじいちゃんの大脱走
4-ojiityann.jpg デイヴィッド・ウォリアムズ 作
三辺律子 訳
平澤朋子 絵
小学館

 ジャックはおじいちゃんが大好き。でもそのおじいちゃんの頭の中は第2次世界大戦中。自分は空軍の若きパイロット、孫のジャックを部下の少佐だと思っています。おじいちゃんの扱いに困ったジャックの両親に、ついに老人ホームへ入れられてしまったおじいちゃん。その老人ホームの怪しげな雰囲気に気づいたジャックは建物内へ進入し、おじいちゃんとの大脱走が始まります。

たまねぎとはちみつ
4-tamanegi.jpg 瀧羽麻子 作
今日マチ子 絵
偕成社

平凡で内気な小学5年生の千春は、不思議な修理屋のおじさんと知り合います。そこには同じクラスの俊太の姿も。おじさんに日々の楽しかった事、友達や母親との関係で困った事を話すうちに、千春は勇気を出して悩み事に向き合えるようになります。そして、おじさんにも悩みがある事に気づいた千春は、俊太と“おたすけ作せん”を計画します。おじさんから貰ったクルピという笛の音が優しくも切ない、千春の1年間の成長物語です。

2月

ユンボのいる朝
4 yunbo20190209092039.jpg 麦野圭 作
大野八生 絵
文溪堂

学校でも家庭でも悩みを抱える主人公の幹は、自分の意見をはっきり言えない小学五年生の男の子。自分の住むマンションの向かいのビルの屋上に、突如現れたユンボ(ショベルカー)。その力強い動きを毎朝見続けている間に、ユンボ作業員のお兄さんとの交流が始まりました。内気な幹がたくましく変わっていく姿を描いた物語です。

子ども食堂かみふうせん
4 kodomosyokudou20190209091853.jpg 齊藤飛鳥 著
国土社

子ども食堂は、子どもの貧困や孤食などへの対策として始まったコミュニティです。様々な家庭環境におかれた主人公たちが、子ども食堂のかみふうせんを営む“あーさん”との関わりを通して、自分なりの答えを見出していきます。子ども食堂や主人公たちの背景に、考えさせられることの多い物語です。

1月

いいたいことがあります!
4 iitaikotoga  .jpg 魚住直子 著
西村ツチカ 絵
偕成社

 母から勉強と家事の両立を強いられている陽菜子は、不満を感じています。そんな陽菜子のもとに、不思議な少女スージーが現れます。彼女が落として行った手帳に書いてあった言葉に、陽菜子は共感を覚えます。娘のために正しいことをしていると思いこんでいる母親と、そんな親に反抗してしまう娘の気持ちがぶつかりあいながらすすんでいく物語です。

ぼくらの一歩-30人31脚-
bokurano-sasikaebunn.jpg いとうみく 作
イシヤマアズサ 絵
アリス館

栗山小学校6年1組は29人。市の30人31脚大会に参加するには1人足りません。そこへ水口萌花が転校して来ました。しかし萌花は走るのが苦手。キャプテンの蒼井克哉と早朝に特訓しますが、その克哉が怪我をしてしまいます。はたして無事に大会に参加できたのでしょうか?30人がそれぞれの思いを抱えながら互いに信頼し合って50メートルを走りきろうとする姿は、心から応援したくなります。

楽しいオーケストラ図鑑
4 tanosii  .jpg 東京フィルハーモニー交響楽団 監修
小学館

オーケストラの演奏会では、たくさんの楽器の演奏を一人の指揮者がたくみに美しい音楽にまとめあげていきます。その様子はまるで壮大なドラマを見ているようです。この本では、オーケストラの成り立ちから演奏会の準備、主な楽器や指揮者の仕事などわかりやすく説明しています。オーケストラへの興味がわいてくる一冊です。