こどもページ

2022年7月~12月

これまでにおすすめした本

12月

三まいのはがき
2.sanmai.jpg おくやまゆか さく 
 
福音館書店

ある日ゆうたは、物干し台にいたナメクジ、学校に向かう途中で道路を横切ろうとしていたカエル、学校の校庭にいたヘビを助けてあげました。すると次の日の朝、招待状のハガキが三枚、郵便受けに入っていました。ゆうたが招待された先で迎えてくれたのは、おかしな姿の人達ばかり。出されるおもてなしの料理も、中身を聞いてびっくりしてしまう、ユニークな物語です。

だいどころのたね
2.daidokoro.jpg  
ひさかたチャイルド

探してみると、台所にはたくさんの種があります。果物や野菜の種、ゴマや豆も種です。種は土にまくと芽が出ます。ふだん食べられない部分として捨てているものや、食品として食べているものが、実は芽を出して成長する力を秘めているのです。台所で見つけた種を発芽させて育てる方法も紹介している、身近なところから科学に触れることができる写真絵本です。す。

給食室のいちにち
2.kyuusyoku.jpg 大塚菜生 文 
イシヤマアズサ 絵 
 
少年写真新聞社

みどり小学校の給食室では、毎日8人の調理員が450人分の給食を作っています。今日の献立はカレーライス。衛生管理を徹底し、効率よく準備していきます。栄養士の山川さんは、献立を考えるほか、教室に出向いて食材や栄養のことを子どもたちに教える仕事も行っています。給食を通して、学校中に笑顔が広がる様子が伝わってくる絵本です。

11月

いもうとなんかいらない
2.imouto.jpg ロイス・ダンカン 作
小宮由 訳
平澤朋子 絵
岩波書店

メアリー・ケイは、いつも後ろをついてきて遊びのじゃまをする妹のスザンヌが嫌になり、おばさんの飼っている金魚とスザンヌを交換してもらいました。取り換えたのはいいものの、あまりにも退屈で次第に寂しくなってきました。とうとうスザンヌに会いたくなったメアリーは、スザンヌを返してほしいとおばさんに頼みます。妹を持つ姉の揺れ動く気持ちを描きます。

わたしがいじわるオオカミになった日
2.watashiga.jpg アメリ・ジャヴォー ぶん
アニック・マソン え
ふしみみさを やく
パイインターナショナル

仲良しだと思っていた子にいじめられるようになったエルザ。まるで“かたまり”を飲んだみたいにお腹が重くなって、ベッドから出られなくなりました。無理をして学校に行ったエルザでしたが、お腹の中のかたまりが爆発し、弱そうな子に向かって「あっちいけ!」と酷い言葉をぶつけてしまいます。エルザもいじめっ子になってしまったのでしょうか。いじめをめぐる少女の気持ちの変化と、心の動きについて描いた絵本です。

森のなかの小さなおうち
2.morinonaka.jpg エリザ・ウィーラー 作
ひらおようこ 訳
工学図書

父親を亡くした6歳の女の子マーベルの家族は、住んでいた家を出て、深い森の奥に古い小屋を見つけて暮らし始めます。悲しみの中にいた一家が、草の実摘みやジャムづくり、薪オーブンの食事など、四季豊かな自然に囲まれた生活を送るうちに、心の温かさと元気を徐々に取り戻していきます。貧しくても、強い絆で結ばれた愛情溢れる家族の姿が見えてくるお話です。

10月

スイッチョねこ
2 suicho.jpg 朝倉摂 絵 
大佛次郎 文 
 
青幻舎

秋の夜にきれいな声で鳴く虫達。白い子ねこの白吉は、きっと食べたらおいしいのだろうと思い、月夜の草むらに虫を探しに行きます。そのうち眠くなってきて大あくびをしたとたん、口の中に飛び込んできたものを飲み込んでしまいました。それからというもの、何かが白吉のおなかの中で鳴き続け、周囲を困らせてしまいます。1979年に出版され、今回再刊された色彩豊かな絵本です。

かみなり
2 kaminari.jpg 妹尾堅一郎 監修 
音羽電機工業「雷写真コンテスト」 協力 
 
ポプラ社

ピカッと光って、ゴロゴロッと鳴り響く雷。怖くもあり、美しくもある雷の正体や秘密にせまる写真絵本です。雷が発生する仕組みや種類、雷から身を守る方法なども紹介しています。貴重な瞬間をとらえた、「雷写真コンテスト」入賞作品からの選りすぐりの写真も見所です。

海のこびととひみつの島
2 umino.jpg サリー・ガードナー 作 
リディア・コーリー 絵 
中井はるの 訳 
 
ポプラ社

海のこびと達は、海を漂う手作りの島“ラビッシュ島”で暮らしています。こびと達は、「きょうのガラクタはあしたの宝もの」を合言葉に、海に捨てられた様々な物を拾い集め、加工し生活していました。ある日、人間が海に捨てたペットボトルが原因で、島は雪の降る冷たい海に迷い込んでしまいます。こびと達は元いた暖かい海に戻ることはできるのでしょうか?海を汚さない暮らし方とは何か、考えるきっかけになる本です。

9月

うまれてくるよ海のなか
2 umarete.jpg 高久至 しゃしん 
かんちくたかこ ぶん 
 
アリス館

海の中で暮らす多くの魚、イカやタコ、エビやカニなどが産んだ卵から、赤ちゃんはどのように孵化するのでしょうか?中には、オスが孵化するまで、卵を自分の口に入れて守るものもあるのです。魚ごとに卵を守る工夫が見られ、産まれた赤ちゃんたちの泳ぐ姿も鮮やかな写真で紹介されています。赤ちゃんたちが無事に育ってくれるよう、応援したくなる絵本です。

庭にくるとり
2 niwani.jpg 石川えりこ 作・絵
 
ポプラ社

小学生の“はじめ”は、おじいちゃんの家に暮らすことになりましたが、おじいちゃんが声をかけても、なかなか打ち解けられませんでした。また、おじいちゃんが庭に作ったえさ台に鳥が来ることにも懐疑的でした。しかし、“はじめ”は、実際に鳥が庭に来ている様子をおじいちゃんと眺めながら、いつの間にか夢中になっていました。おじいちゃんと“はじめ”が会話を通じて鳥を優しく見守る様子に、心が温かくなります。

ぼくらのひみつきち
2 bokurano.jpg といよしひこ 文・絵 
 
出版ワークス

町から自然ゆたかな土地へ引っ越してきたばかりのケイタが虫を採っていると、ヒロトとヨウスケという子に出会います。ケイタは、2人に大きいクワガタがいる秘密基地に連れて行ってもらうことになりました。3人は山道を行き、川をさかのぼり、更には川の中を泳いで秘密基地に向かいます。元気いっぱいな男の子たちの夏の冒険に、わくわくさせられる物語です。

8月

きりんのまいにち
2.kirin.jpg 二宮由紀子 作
大野八生 絵
光村図書出版

きりんは、友達の蛙が旅に出ている間、卵を預かったり、ある時は好きなかくれんぼを独りでしたり、はたまた逆立ちをカメレオンに教えてもらったり、今度はスコップで大風をよけるための穴を掘ったりと、何に対しても真剣に取り組みます。大きなきりんと、蛙・カメレオンなど、小さな友達との微笑ましい出来事を描いた15の物語。きりんの優しさが伝わってくるような挿絵も魅力です。

ことばコレクター
2.kotoba.jpg ピーター・レイノルズ 作
なかがわちひろ 訳
ほるぷ出版

ジェロームは言葉コレクターです。声に出して読むと楽しくなる言葉や、どきっとしたり、思わず絵を描きたくなる言葉などを紙に書き、種類ごとに分けてスクラップブックに貼っていました。ある時、言葉を書いた紙がごちゃまぜになってしまいます。でも、それが功を奏して新しい言葉の世界が広がっていきます。最終的に言葉マニアのジェロームが辿りついた境地が、言葉では無かった事に意外性を感じさせられます。

ふるふるひめ
2.furufuru.jpg 大窪いく子 作
山本祐司 絵
文研出版

運動会のリレーで優勝して、入院する予定のおじいちゃんを勇気づけたいソウタ。でも、運動会の日の天気予報は雨でした。ソウタが、てるてる坊主を作って晴れるようにお願いした所、てるてる坊主が話し始めたり、不思議な女の子が現れて、晴れになる方法を教えてくれたりします。ソウタがその方法を試していたら、けんかしていたユウキから声をかけられ、仲直りに踏み出すことができました。最後は笑顔になれるお話です。

7月

トントンとリッキのかいぞくせん
2_tontontorikki.jpg やえがしなおこ 作 
松成真理子 絵 
 
講談社

元気なくまの子のトントンは、山のふもとに家族と住んでいます。春、新しく隣に建った家にくまの親子が引っ越してきます。その家の子は、自分を海賊だと言っている、リッキという名前の女の子でした。最初は戸惑っていたトントンですが、リッキに誘われてリッキのお母さんが作ってくれた海賊船で一緒に遊ぶようになります。トントンとリッキが段々と打ち解けて行く様子が、生き生きと描かれている物語です。

ヤングさんのオーケストラ
2_youngsanno.jpg なかえよしを 作 
小池敏彦 絵 
 
ポプラ社

ヤングさんはオーケストラの有名な指揮者です。ある日、新聞記者から、「どうして指揮者を目指したのですか」という質問をされて、ヤングさんは、なぜ目指したのだろうと考え始めます。そして、指揮者を目指したきっかけは、音楽のすばらしさを教えてくれたおばあさんに、自分の作った曲を聞かせたいと思ったことだと思い出したヤングさん。約束を果たすために、おばあさんを探しはじめます。

マリーさんぽにいこっ
2_marysanpo.jpg とうやあや 作 
藤田ひおこ 絵 
 
文研出版

仲良しの友達と離れ離れになり、引っ越し先で寂しいなずちゃん。家に閉じこもっているのを見かねたおばあちゃんに、犬の散歩に誘われます。散歩の途中、大きな犬に吠えられている女の子と子犬に出会いました。女の子は、お散歩バッグを忘れて逃げるように帰ります。大きな犬が怖いなずちゃんですが、女の子が困っていると思い、バッグを届けに一人で散歩に出かけます。なずちゃんの勇気に応援したくなる物語です。