こどもページ

2017年1月~6月

これまでにおすすめした本

1月

にわとり城
  松野正子 作
大社玲子 絵
こぐま社

にわとりをたくさん飼っていた父親が死んでしまったことで、その息子は家とそのにわとりを受け継ぐことになります。けれど息子はのろまで要領が悪く、どんどん貧乏になっていってしまいます。とうとう家もにわとりも手放すことになり、息子は旅に出るのですが、一羽のめんどりだけは息子の後をひょこひょことついて来るのです。

旅の途中で起きる魔物とのなぞなぞ対決がとても愉快なお話です。一緒になぞなぞをときながら楽しめます。

しゅくだいとびばこ
  福田岩緒 作・絵
PHP研究所

しょうたの小学校の運動会では、6段の跳び箱を3年生全員でとぶ伝統の種目があります。ところがしょうたは6段どころか5段も跳べず、跳び箱のない国に行きたい…と憂鬱になる毎日です。そんなある日、しょうたのクラスに転校生のかじくんがやって来ました。かじくんは無口で跳び箱も勉強も苦手なのに、堂々としている不思議な子でした。そんなかじくんと接するうちに、しょうたの跳び箱への気持ちも変わっていくことになります。

最初はあんなに嫌だった跳び箱を通して、クラスの皆に一体感や友情が生まれていく感動的な一冊です。

おてつだいおばけさん―まんぷくラーメンいちだいじ―
  季巳明代 作
長谷川知子 絵
国土社

まりんちゃんの家はラーメン屋さんです。けれどある日、出前の帰りにお母さんが自転車で転んで足を骨折し、入院してしまいました。そこでアルバイトを募集したところ、なんとおばけの3人が見習い1人分としてやって来たのです。

個性豊かなおばけ3人組と、まりんちゃんの楽しくほのぼのとした交流が始まります。

2月

だれのおとしもの?
  種村有希子 作・絵
PHP研究所

雪の降った朝、ソリを引いて外に出たまほちゃんは、“ゆり”と名前が書かれた手袋を拾います。届けてあげようと、雪の上の足跡を辿っていくと、道には、“ゆり”ちゃんのいくつものマフラーや、大きなセーター、きらきら光る王冠や風船、バナナやリンゴまで落ちています。一体、ゆりちゃんはどんな子なのでしょう。途中、心細くなりながらも、足跡を辿りながらゆりちゃんに会いにいきます。

おたんじょうび、もらったの
  服部千春 作
たるいしまこ 絵
岩崎書店

6歳の誕生日。いつもはおねぼうのハルちゃんも早起きしてうれしそう。でも、生まれた日がわからない子ねこのミルクはしょんぼり。そんなミルクにおばあちゃんは「私の誕生日をあげる」と言います。最初は大喜びしていたミルクですが、おばあちゃんの誕生日をもらってしまって良いのか悩み始めました。そして、ハルちゃんの誕生日パーティが始まります。そのパーティは、ミルクにとってとてもうれしいものになりました。

こわい、こわい、こわい?しりたがりネズミのおはなし
  ラフィク・シャミ 文
カトリーン・シェーラー 絵
西村書店

兄弟ネズミたちと一緒にお母さんの帰りを巣の中で待っていた子ネズミのミナ。すると「こわい、こわい。猫が追いかけてきたの」とお母さんが転がるように帰ってきました。

お母さんが言っていた「コワイ」という気持ちってどんなものなのだろう?ミナは、巣の外に出て「コワイ」をさがしにいきます。ライオンやカバに遭遇しつつもなかなか「コワイ」にならないミナ。でもついに…!

3月

うみのとしょかん
  葦原かも 作
森田みちよ 絵
講談社

海の図書館では、ヒラメが図書館の世話をしています。本好きなアオザメをはじめ、いろいろな魚たちが本を借りに来ます。マグロも本を借りたいのですが高速でしか泳げないため止まれず、借りることができません。そこで、ヒラメがひらめいた方法とは…。

本に夢中になる魚たちの様子が描かれ、思わず海の中を想像したくなる物語です。

 

だるまちゃんと楽しむ 日本の子どものあそび読本
  加古里子 著
福音館書店

90歳をむかえた加古里子さんが子ども達に贈る、昔ながらの遊びが109種収録された「あそび読本」です。昭和42年に出版された「日本伝承のあそび読本」を新しくしたものです。

読んでいると、だるまちゃんと一緒に遊んでいる気分になります。

日曜日の小さな大ぼうけん
  愛川美也 作
みやざきあけ美 絵
BL出版

「ぼく」は、虫が大の苦手な男の子。今日は一人での留守番で、これからの自由な時間にワクワクしていたのに、家の中にはなんとカマキリが。目が合った瞬間、「きゃあ!」と声を上げてしまい、うろたえます。

そこから始まる、カマキリを外に飛び立たせるまでの「ぼく」の心理と行動が描かれています。

4月

負けるな!すしヒーロー!ダイナシーの巻
  令丈ヒロ子 作
やぎたみこ 絵
講談社

小学校4年生のこうきが暮らす町で、大事件が起こります。なんとおいしいものが全部まずくなってしまったのです。おいしい食べ物を台無しにしたその事件の犯人は、宇宙人ダイナシー。こうきはおじいちゃんの発明した「すしパワードスーツ」を着てやっつけますが、ダイナシーにはいじわるをする理由があったのです。

妖怪いじわるシャンプー
  土屋富士夫 作・絵
PHP研究所

ひでくんはペンギンのペンちゃんをおともに冒険の旅にでかけましたが、南国の海で遭難してしまいます。なんとか見知らぬ島にたどりつくと、シャン・プー大王と家来のコン・ディーに歓迎されて本場のシャンプーをすすめられました。大嫌いなシャンプーをかわりにしてくれると喜んだひでくんですが、泡が目にしみて泣いている姿を見たシャン・プー大王が本性をあらわしました。ひでくんの冒険の旅はどうなるのでしょうか。

さてさて、きょうの おはなしは…―日本と世界のむかしばなし―
  瀬田貞二 再話・訳
野見山響子 画
福音館書店

むかしむかし…ではじまる昔話は、だれでもよみきかせしてもらったことがあるはず。そんな日本と世界のむかしばなしが、コンパクトな手のひらサイズの本にまとまっており、大人も子どもも楽しめます。淡い黄緑色の表紙に描かれたイラストは、本におさめられたむかしばなしの魅力を十分に伝えています。絵本とは異なる「本」の世界のたのしみが待っています。

5月

流木のいえ
  石川えりこ 作
小学館

海のそばに住んでいる絵かきは、描きつかれると、海に行き、遠くから流れついた流木とはなしをするのでした。流木を家につれて帰ると、会話をしながら、感じるままに流木に色を塗ったり束ねたりして、触れ合っていくのでした。海岸に流れ着くまでのそれぞれの流木の物語に思いを寄せながら、優しい気持ちになれるおはなしです。

ねこの町のリリアのパン-たべもののおはなし・パン-
  小手鞠るい 作
くまあやこ 絵
講談社

ねこの町のレオとルルは双子のきょうだいで、犬の村のジョンソンさんと遊ぶのが大好きです。ある日、ジョンソンさんの家を訪ねると、ジョンソンさんの元気がありません。それを聞いたレオとルルのお母さんは、「パンを食べにきませんか?」とジョンソンさんに招待状を送りました。しかし、手紙には地図が入っていません。ジョンソンさんはねこの町の3人が住む家にたどり着けるのでしょうか。色々なパンが出てきます。読んだらきっとパンが好きになるお話です。

みどりの町をつくろう-災害をのりこえて未来をめざす-
  アラン ドラモンド さく
まつむらゆりこ やく
福音館書店

アメリカのグリーンズバーグは竜巻の被害にあいました。町の人々は自然のめぐみを取り入れながら、町の復興に取り組みました。思わぬ災害にあったとき、私たちは同じように踏み出せるでしょうか。自然の力とめぐみについて考えることができる本です。2007年の実話をもとにしたフィクションです。

6月

小さな赤いめんどり
  アリソン・アトリー 作
神宮輝夫 訳
小池アミイゴ 絵
こぐま社

ある村に一人のおばあさんが住んでいました。おばあさんは貧乏でしたが働き者で、心のやさしい人でした。ひとりぼっちのおばあさんはいつも話し相手をほしがっていました。ある夜、不思議な赤いめんどりが訪ねてきて、ふたりは助け合って仲良く暮らしはじめます。しかし、めんどりの不思議な力を目当てにめんどりを奪おうとする男が現れます。おばあさんとめんどりのちょっとドキドキワクワクのお話です。1969年出版の物語が、挿絵を一新して再出版されました。

わたり鳥
  鈴木まもる 作・絵
童心社

わたり鳥って知っていますか?春には南から北へ、冬には北から南へ、何千キロも飛んで遠くの国へ行く鳥を「わたり鳥」といいます。安心して巣を作り子育てできる所にかえるために誰にも教わらず、地図も見ず、海をこえ山をこえ命をかけてでも飛んで行くのです。見開きをいかした迫力ある絵で、日本と世界中のわたり鳥を紹介します。