こどもページ

2017年7月~12月

これまでにおすすめした本

7月

うみがめぐり-THE SEA AROUND US-
  かわさきしゅんいち 絵と文
仮説社

海の中の世界をのぞいたことがありますか?

ある日、海べでウミガメの赤ちゃんが生まれました。目の前に広がるのは海。生まれたばかりのウミガメたちは、いちもくさんに海へむかって歩きだします。海の中では空から鳥に狙われ、マグロの大軍団にやられ、大きなくじらに飲み込まれていくウミガメもいます。たべられた命はどうなるのでしょう。食べたり、食べられたりしながらいきものたちはみんな海へ還(かえ)っていきます。ウミガメの赤ちゃんを通して、海の中の命のバトンについて教えてくれる絵本です。

まじょ子とプリンセスのキッチン(まじょ子シリーズ)
  藤真知子 作
ゆーちみえこ 絵
ポプラ社

魔女のまじょ子と人間のメイは、クッキング王国でひらかれる「プリンセスのおりょうりコンテスト」の審査員をつとめることになりました。出場するのは王国の二人の姫です。IT家電にはまっている“レンジひめ”はレンジばかりを使い、伝統を重んじる“レシピひめ”は昔ながらの秘密の巻物のレシピに頼って、どちらがおいしいお料理を作れるか対決しながら次々にお料理を作っていきます。しかし、コンテストの最中、みんなはある者にだまされて「不幸になるお料理」を食べさせられてしまいます。さあ大変!この魔法をとくにはどうしたらよいのでしょうか?

8月

空をけっとばせ
  升井純子 作
大島妙子 絵
講談社

1学期の終わり、逆上がりができないのに、つい「できる」と言ってしまった悠斗は、うそつきと呼ばれないために夏休みに一人で練習をはじめます。そんな折、偶然出会ったクラスメイトの時生君と仲良くなります。運動の得意な時生くんもリフティングを練習していることを知り、一緒にがんばる決心をして練習にはげみます。しかし、逆上がりはできないまま二学期は始まってしまいました。でも悠斗はもう一人ではありません。時生君や、校庭での秘密の練習を見守ってくれた「なんでも先生」が応援してくれています。「なんでも先生」が見せてくれた絵には、悠斗ががんばってきた証拠と、逆上がりの秘訣「オーバーヘッドキック」が描かれていました。

甲虫のはなし-かしこくておしゃれでふしぎな、ちいさないのち-
  ダイアナ・アストン 文
シルビア・ロング 絵
千葉茂樹 訳
ほるぷ出版

6本足の昆虫のうち、硬い前ばねを持つのが甲虫です。あらゆる生き物の中で、いちばん繁栄していて、その姿や生態もさまざま。人間の食料となっている甲虫、人間が作る穀物を食べて害を与える甲虫、そしてその害虫を食べてくれる役に立つ甲虫もいます。そんなおもしろい甲虫の魅力を色鮮やかなイラストで紹介しています。虫嫌いの人もこの甲虫の世界を楽しんでください。

こいぬとこねこのおかしな話
  ヨゼフ・チャペック 作
木村有子 訳
岩波書店

チェコの国民的作家、チャペックのロングセラーの新訳本です。一軒家に暮らす、気のいいこいぬと、かしこいこねこのふたりは、「人間らしく、きちんと生活すること」に憧れていて、大まじめに人間を真似て、掃除をしてみたり、手紙を書いてみたりします。でもやっぱり犬と猫、ちょっととんちんかんな失敗に、読んでいると思わずふきだしてしまいます。でもふたりはとっても陽気でポジティブ!最後はふたりとも満足して終わる、ユーモラスで明るいお話です。

9月

まほうのほうせきばこ
  吉富多美作
小泉晃子絵
金の星社

ユウナは新幹線に乗って横浜の祖父母に会いに行くことになっていました。ところが出掛ける前の晩、祖父が亡くなってしまいます。

6ヶ月経った頃、クラスの男子に言われた「シネ!」という一言をきっかけに、祖父の死を思い出します。さらに、もし母が死んでしまったらどうしようと思い悩むようになり学校も休みがちになってしまいます。そんな時、母からお古の宝石箱をもらいます。母におまじないをしてもらった宝石箱に、自分の気持ちを紙に書いて入れていくと、だんだん自分の気持ちに変化が現れていきます。自分の気持ちに向き合っていく過程を応援したくなる一冊です。

りりちゃんのふしぎな虫めがね
  最上一平作
青山友美絵
新日本出版社

りりちゃんは1年生の内気な女の子。りりちゃんがこっそりポケットにしのばせているのは虫めがねです。虫めがねを通してみる世界はまるで海の中をのぞいているみたい。りりちゃんは学校でも海の中の魚たちを観察しているつもりで、誰からも話かけられたくないと思いながらひとりっぼっちですごしています。そんなりりちゃんが巻き起こした出来事をきっかけに、クラスの友だちとうちとけていくお話です。

この本をかくして
  マーガッレット・ワイルド文
フレヤ・ブラックウッド絵 
アーサー・ビナード訳
岩崎書店

戦争で図書館の建物も本も失ったまち。たった一冊残ったのは、ピーターのおとうさんが図書館から借りていた赤い表紙の本でした。ピーターのおとうさんは、この本は宝物だからと、鉄の箱に入れてピーターに託します。ピーターは鉄の箱を必死で守り、シナノキの木の根もとに埋めました。

  やがて戦争が終わり、青年になったピーターは、シナノキをさがして再び村へと訪れます。おとうさんとピーターが守った宝物の本とはどのような本でしょうか。

10月

さかなのたまご-いきのこりをかけただいさくせん-(ふしぎいっぱい写真絵本31)
  内山りゅう写真・文
ポプラ社

魚は子どもたちを残すために、工夫をこらして卵を守っています。栄養に富んだ卵は、他のいきものに見つかると食べられてしまうからです。そこで、魚たちは卵を石の天井や砂利の中に隠したり、生きた貝の中に産みつけたりと、さまざまな工夫をしています。中には、違う種類の魚の卵を食べてしまい、代わりに自分の卵を産み付けて守らせる、托卵を行う魚もいることに驚かされます。この本では川に住む淡水魚が卵を守る驚きの方法を写真で紹介しています。

ロケット発射場の一日
  いわた慎二郎作・絵
講談社

イプシロンロケットは、点検の自動化により、これまでのロケットに比べて打ち上げにかかる時間も費用も少なくできたロケットです。この本では、イプシロンロケットの構造、運搬方法、設置方法から発射までをわかりやすい絵と簡潔な文章で説明しています。宇宙や機械に興味がある子どもたちに手にとってほしい本です。

おねえちゃんって、いっつもがまん!?
  いとうみく作
つじむらあゆこ絵
岩崎書店

1年生のココちゃんには、3歳なのに自分より体の大きいナッちゃんという妹がいます。ココちゃんのお母さんが、ナッちゃんのお父さんと結婚したのできょうだいができたのです。でも、ナッちゃんはうるさいし、よく泣くし、ちょっぴり迷惑です。それなのに、おとうさんもおかあさんもナッちゃんのことを可愛がってばかり。ココちゃんはおもしろくありません。ある日、ナッちゃんのことでおかあさんと言い合いになったココちゃんは部屋にこもって、ナッちゃんなんか居なくなればいいと願います。そんなココちゃんのかたくなった心をとかしてくれたのは、やさしいお父さんとの会話でした。

11月

もしきみが月だったら
  ローラ・パーディ・サラス 文
ジェイミー・キム 絵
木坂涼 訳
光村教育図書

女の子が月にむかって「なーんにもしないでそらにぽっかりうかんでる」と言うと、お月さまは自分の役割をやさしく話しはじめました。「もしきみが月だったら、きみは毎日、休まず、地球の回りを回るんだよ」と、女の子に置き換えながら。内容は引力や自転・クレーター等科学的な説明になりますが、お月さまのやさしい口調から、月に関して興味を持つきっかけとなる科学絵本です。

カラスだんなのはりがねごてん
  井上よう子 作
くすはら順子 絵
文研出版

若いカラスのカンタは、大きくて真っ黒なカラスだんなに憧れていました。カラスだんなの巣は「はりがねごてん」と呼ばれ、立派で、中にはぴっかぴかの自慢の宝物がいっぱいあります。 ところがある日、人間に巣がある枝を切り落とされてしまい、はりがねごてんや宝物はガラクタとして捨てられてしまいます。 宝物なのか、ガラクタなのか、ものの値打ちは見る者次第。カラスの目線でたいせつなことを教えてれる童話です。

おばけのアッチ ドララちゃんとドララちゃん
  角野栄子 さく
佐々木洋子 え
ポプラ社

ドラキュラの孫娘のドララちゃんは、長い旅行から帰ってきたドラキュラおじいちゃんと久しぶりに朝ごはんを食べる約束をしていました。ところが、すでにドララちゃんそっくりな偽者が一緒に朝ごはんを食べているではありませんか。偽者扱いされたドララちゃんは、おばけのアッチに相談します。果たして解決できるのでしょうか。意外な結末が待っています。

12月

まほうのゆうびんポスト
  やまだともこ 作
いとうみき 絵
金の星社

けんとは、学校からのかえりみちで、どこにでも手紙が届く不思議なポストを発見します。住所や切手もいりません。転校してどこに住んでいるかわからない友だちに手紙を出すと、暫くしてアメリカから返事が来たり、アフリカのキリンに寒波を知らせる手紙を出すと、キリンが暖かい地域に大移動しているとニュースに取り上げられたりします。 そして、けんとは天国のおばあちゃんにずっと謝りたかったことを手紙に買いて出します。はたしてけんとの思いは届くのでしょうか。

地球を旅する水のはなし
  大西健夫・龍澤彩 文
曽我市太郎 絵
福音館書店

空からやってくる雨。この水はどこへ行くのでしょうか。土にしみこむ。川となって海に注ぎ込む。水蒸気となって雲になり、また雨となって地上に降ってくる。植物や魚、鳥、人間の中をめぐる。この絵本は、さまざまに姿を変えながら、絶え間なく地球を旅する水の仕組みについてわかりやすく解説してくれます。