2023年度1号〜6号
3号
![]() | 富安陽子 作 山村浩二 絵 |
小学館 | |
「誰もいないはずの校舎で、むかし音楽室として使われていた空き教室から聞こえてくるピアノの音。」「1メートル先も見えない濃い霧の中から、誰かがボールを蹴り返してくる。探しても誰もいない。」など、印象的な内容の物語が、八つ収められています。怪しくも不思議な世界への想像を、強く掻き立てられます。 |
![]() | かじりみな子 作 |
偕成社 | |
大川から田んぼへ水を引く用水路を作ったのは、だるまがえるの“とうきち”と仲間達です。用水路が出来て住みやすくなると、周辺に新しい村が次々と誕生しました。ところがある日、とうきち達の村に水が届かなくなってしまい、昔からいた者と新しく来た者の間で、水をめぐって大騒動が巻き起こります。農業用水を平等に分ける施設「円筒分水」をテーマにした創作昔話です。 |
![]() | 藤田智 監修 |
TOY Publishing | |
普段の食事等に使われている野菜をよく観察してみると、様々な不思議な発見があります。そんな野菜の、品種や特徴、歴史、調理法などを、写真やイラストを用いてわかりやすく解説しています。トマトがなぜ赤色なのか、といった素朴な疑問から、やさいチップスや大学いものつくり方まで、野菜をもっと好きになるきっかけを与えてくれる楽しい図鑑です。 |
2号
ポリー・フェイバー クララ・ヴリアミー 絵 長友恵子 訳 | |
徳間書店 | |
第二次世界大戦下のロンドンで空襲に遭い、一人きりになった黒ネコのモーガン。のらネコでしたが、出版社の編集者や作家を手伝い、倉庫の紙をネズミから守る、ブックキャットになります。そして、空襲から子ネコを守るために、ある方法を使って疎開させる計画を立て、実行します。ミュージカル『キャッツ』のモデルにもなった、モーガンの行動力にワクワクする物語です。 |
![]() | 岡村幸宣 文 |
あかね書房 | |
第二次世界大戦のさなか、広島と長崎に落とされた原爆。その凄惨さをパートナーと共に描いた“原爆の図”を携え、日本中や世界中を回って原爆と戦争の恐ろしさを伝えた画家、丸木俊の人生が綴られています。彼女がどのように生き、どのように考え、“原爆の図”を描くに至ったのか。人間の身勝手さに憤る彼女の、貫いた信念を学ぶことができる本です。 |
![]() | 別司芳子 文 |
フレーベル館 | |
犬や猫が病気や事故で血液が必要になった時、血液を分け与える仕事をしているのが“供血犬”や“供血猫”です。彼らの生活する劣悪な環境を見て、何とかしたいと強く感じ、ボランティアを始めたのが、ケリー・オコーナーさんでした。彼女の幅広い活動を通じて、命の尊さや、全ての動物達が当たり前に生きるために、自分ができる事を考えさせられる、ノンフィクション作品です。 |
1号
![]() | 新井けいこ 作 宮尾和孝 絵 |
文研出版 | |
クラスで一番足の速い勇斗はサッカーの試合中、足首にケガをしたため、楽しみにしていた運動会のリレーのクラス代表選考会を休んでしまいました。代表に選ばれたのは、運動部にも入っていない流星でした。勇斗と友だちは疑念を抱きますが、思わぬ形で、その理由が明らかになります。上手くいかない状況への向き合い方や、前向きに努力する意味を考えさせられる本です。 |
![]() | 佐川芳枝 作 かわいちひろ 絵 |
佼成出版社 | |
久絵の家はおすし屋さんです。ある日、母親が配達の帰りに事故に逢い入院します。ところが配達先だったクラスメイトの沢井さんが、事故について誤解したため、久絵に辛く当たります。一方、母親の代りに、店を手伝いに来ていた女性すし職人の晴(せい)さんは、悩んでいる久絵の力になってくれました。晴さんの仕事ぶりから、逆境に負けずに意思を貫くこと、気持ちを伝えることの大切さを実感できる物語です。 |
![]() | 小手鞠るい 文 大野八生 絵 |
少年写真新聞社 | |
1856年にアメリカで生まれたエリザ・シドモアは、小さな頃から外国へ憧れている女の子でした。大人になったエリザは、日本を訪れた際に見た満開の桜の美しさが忘れられず、平和の使者として、ぜひ故郷のワシントンD.Cにも桜並木を作りたいと夢に描きます。しかし、エリザの夢が実現するまでには、沢山の人達の協力と長い時間が掛かりました。桜を愛し、世界の平和を願い続けたエリザの物語です。 |
