2023年度1号〜6号
3号
![]() | キャレン・レヴィス さく チャールズ・サントソ え いわじょうよしひと やく |
BL出版 | |
「どんなときも−」「はねをならべていようね!」いつもいっしょのコウノトリのクレペタンとマレナ。しかしある日、けがで飛べなくなったマレナを残して、コウノトリたちは冬を越すため、南へと旅立って行きました。離れた場所にいても、2羽はお互いのことを思いながら過ごします。そして次の春、距離を隔てた2羽の友情の行方は?クロアチアでの実話をもとにした物語です。 |
![]() | 星野秀樹 写真・文 |
アリス館 | |
深い谷にある阿曽原温泉小屋を舞台に、小屋開きから小屋じまいまで、小屋の主人と仲間たちが働く姿を記録した写真絵本です。彼らは訪れる人々が安全に登山を楽しめるように、夏に小屋を建て、秋に山道や橋を整備し、冬の前に小屋を解体し片づける、という大変な仕事をしているのです。この本の写真からは、自然の静謐な美しさや、山歩きの楽しさだけでなく“働く”ことの尊さも伝わってきます。 |
![]() | 安東みきえ 文 牧野千穂 絵 |
アリス館 | |
人間嫌いの魔女と、森に迷い込んだ身寄りのない娘。孤独なふたりの交流を描いた心が温まる物語と、世継ぎの王子にへそまがりな“呪い”をかけるため、魔女が娘を連れて城に乗り込む、というハラハラする物語の両方が一冊で楽しめる本です。赤と黒のコントラストが美しい挿画も物語の雰囲気にぴったり合っています。「呼んでみただけ」(2010年新潮社)収録の「へそまがりの魔女」を改稿した作品です。 |
2号
![]() | ほそかわてんてん さく |
福音館書店 | |
小学校に通う、テンのてんこちゃんのお話です。てんこちゃんは、学校で初めて体験することにドキドキしたり、教室の窓から見える風景に、いろいろな想像を膨らませたりすることがあります。ページをめくる度に、てんこちゃんの戸惑ったり、ほっとしたりする気持ちに、とても共感させられます。 |
![]() | 山本悦子 作 市居みか 絵 |
童心社 | |
戦時中、一人で疎開してきた“ちよ”という女の子と仲良くなったのは、村の池に住む小がっぱのコケマルです。ちよは、学校や勉強、戦争がどんなものかコケマルに教え、毎日一緒に過ごしましたが、やがて、ちよは池に来られなくなりました。落胆したコケマルが眠ってしまった後に、池の周りでは思いもよらない事が起きていました。戦争への強い憤りを感じられる物語です。 |
![]() | おくやまゆか さく |
福音館書店 | |
お父さんが安く手に入れた車で、家族とドライブ中に、車はまるで自動運転のように、行きたいところへ走っていきます。しかも、車の外側には、もじゃもじゃと太い毛が生えてきました。着いたところは、山の中。そこで待ち受けていたのは、5匹のイノシシの子どもでした。もじゃもじゃの車は、何か事情を抱えているようです。思わず優しい気持ちになれるお話です。 |
1号
![]() | 山田マチ 作 岡本よしろう 絵 |
あかね書房 | |
双子の兄弟、赤鬼のベニーと青鬼のルリーは、“おにのしょうがっこう”の新1年生。学校では、金棒の正しい使い方や、将来地獄で働くために必要な、読み、書き、そろばんも学びます。遠足の行先は“おにがしま”です。休み時間は、鬼ごっこならぬ、“にんげんごっこ”をして遊びます。鬼ならではの小学校が、なんとも愉快な物語です。 |
![]() | マージョリー・フラック 作・絵 まさきるりこ 訳 |
徳間書店 | |
ある街角で、迷子になった子猫は、助けてもらおうと通りかかる人々についていきましたが、皆忙しくて相手にしてもらえません。でも4歳のウィリアムは忙しくありません。猫を家に連れて帰りましたが、迷子の猫だからと家族に言われ、警察に届けることにしました。すると、3人もの人が自分の猫だと言って現れます。迷子の猫の飼い主はだれでしょうか。子どもの純粋な気持ちが、優しい絵とともに描かれている幼年童話です。 |
![]() | ベッテ・ウェステラ 文 ヘンリエッテ・ブーレンダンス 絵 塩崎香織 訳 |
化学同人 | |
空の下、樹木たちが自分が大きくなったら何になるのか、おしゃべりをしています。この場所には、まだ小さな若木も、年を重ねた老木も一緒になって立っていますが、めいめいが箪笥やバイオリンなど、なりたい姿を思い描き、どこか静かな時間が流れていきます。身の回りにある、木から出来た物に、樹木たちの息吹を感じてみてください。 |
