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「世田谷区家庭読書の日」にお届けするおはなし 第35回 俳句って大人だけのものじゃない!「どうぶつ句会」で自由な俳句

世田谷区では、「毎月23日は、世田谷区家庭読書の日」として家庭での読書をすすめています。 

 毎月23日に図書館職員が子どもの本のことや図書館での楽しい出来事をお届けしています。

 第35回 俳句って大人だけのものじゃない!「どうぶつ句会」で自由な俳句

小学校中学年の頃、写真と俳句の載った祖父の手作りのはがきが毎月届くのを楽しみにしていました。祖父と直接会った回数は両手で数えられるくらい少ないものですが、遠方にいる祖父と私を繋いでくれたものが俳句でした。

俳句とは、春夏秋冬のことばを含めて五・七・五の十七文字で詠む短い詩のこと。
俳句を自分でも作ってみたいと思った私は、さっそく近所の図書館へと向かいました。子どもの俳句の棚で本を手に取り、たくさんの面白い言葉が存在していることを知り興奮したのを覚えています。

しかし、いざ作ろうとするとどう作ればいいのか分からない……。そんな思いを抱いていた私に母親が贈ってくれたのが、あべ弘士氏の『どうぶつ句会』(学研)でした。

doubutukukai.png『どうぶつ句会』あべ弘士さく・え(学研)

この本に出てくる動物たちは、俳句に出会った時期も種族も様々、「ゆきだるま」という句会に集い思い思いの句を詠み合います。「ゆきだるま」の主催者は俳句歴30年の雪野袋(フクロウ)。俳句歴2年の大耳はな(アフリカゾウ)は故郷のアフリカを思いながら、俳句歴3ヶ月のハーリー・トゲマル(ハリネズミ)は一番の初心者ですが、可愛い句を詠むのが得意です。他にも色々などうぶつたち……。
広大な風景から、隣の友人まで俳句は何でも題材になります。
俳句って大人だけのものじゃないんだ!という衝撃は、今でも忘れられません。詠んだ俳句を祖父に贈り、祖父に喜んでもらえたのは今でも良い思い出です。

また、俳句を詠むのに必携なのが、春夏秋冬のことばである"季語"を集めた「歳時記」という本です。
初心者の方におすすめするのは「写真で見る俳句歳時記−ジュニア版−」

saiziki_huyu.jpg『写真で見る俳句歳時記−ジュニア版−冬』長谷川秀一・原雅夫監修(小峰書店)

基本的な季語について、カラー写真とともに季語の解説や代表的な俳句を一度に楽しむことができます。「冬ざれ」「帰り花」「日記買ふ」「星月夜」「蚯蚓(ミミズ)鳴く」……等々。ちょっとした時間があるときに、パラパラとめくってみるだけでも面白いですよ。

ちなみに、「蚯蚓鳴く」とは、夜に虫が「ジーッ」と鳴いている様子を表した秋の季語。実際に鳴いているのはミミズではないのですが、鳴かない虫をあえて鳴かせるところに遊び心を感じます。

私たちの周りにたくさんあふれているまだまだ知らないことばを、「こんなものがあるよ!」と教え合うのもよし。何か面白い季語が見つかれば、それを使って動物たちのように自由な句会を開いてみるのはいかがでしょうか。

「世田谷区家庭読書の日」にお届けするおはなし第1回〜第34回はこちら