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令和2年度 世田谷区家庭読書の日記念講演会「扉をあける読書」

令和2年度 世田谷区家庭読書の日記念講演会「扉をあける読書」

 令和2年11月28日(土曜日)午後2時から、教育センター3階「ぎんが」にて、「世田谷区家庭読書の日」記念講演会を開催いたしました。講師に、作家・歌手で明治学院大学国際学部教授と幅広く活躍されている、ドリアン助川氏をお招きいたしました。

 講演名にもなっている「扉をあける読書」とは、読書で生まれた疑問を「扉」に見立て、それを入り口に調べたり行動を起こすことで、本に書かれた世界が立体化して見えるという読み方のこと。読書は受け取る側にも創造性が必要な行為であり、その読書をより豊かにするのが「扉をあける」ことを意識した読書だという話から講演会は始まりました。

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 読書と今の学生との間に距離を感じたドリアン氏は、普段から学生たちに「扉をあける読書」を教えているそう。
 今回は、学生たちとのやり取りを通して見つけた「扉」について、『きけわだつみのこえ−日本戦没学生の手記−』『仰臥漫録』を例に紹介をしていただきました。また、ハンセン病を扱った氏の著作『あん』の裏話まで、話題は多岐に渡りました。

 中でも、正岡子規が病床で食事を記録した『仰臥漫録』にトマトの記述がないことに「見えない扉」を見つけ、最後にはサンマルツァーノというトマトを三宅島に広めた(!)という話には、氏の着眼点の鋭さと行動力に圧倒されました。

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 講演の最後には、『あん』の中からハンセン病女性の徳江の手紙を朗読していただきました。講演の内容を踏まえると、また新鮮に感じたようで、参加者はじっくりと聞き入っている様子でした。

 来場者からの「好奇心を保つ秘訣とは?」という質問には、「気軽に入っていくのが続く理由」だと答えられ、読書への思いからドリアン氏の生き方や考え方までギュッと詰まった、「扉」をあけたくなるような充実した講演会となりました。

 

 区内所蔵のドリアン助川氏の著作一覧は、こちらから見ることが出来ます。