2017年7月〜12月
7月
安田夏菜 作 中西らつ子 絵 | |
講談社 | |
むかしむかし、大阪の米問屋のわがままおじょうさまは、まだ誰も飼っていないペットをほしがりました。めずらしいペットを見つけてくるように約束させられた丁稚(でっち)の定吉は必死で探し回り、見つけてきたのはクジラの子だというくじらじゃくし。お世話係になった定吉はため息をつきながらも小さなくじらじゃくしをりっぱなクジラに育てるため、毎日ごちそうを食べさせ、池のそうじをして世話をします。そのうちに少しずつくじらじゃくしと心が通いあってきましたが、さて、大きく成長したくじらじゃくしはどんな姿になるのでしょう。はたしておじょうさまは満足してくれるのでしょうか? |
小森香折 作 植田真 絵 | |
BL出版 | |
園芸学校に通うリスのホップは、先生の紹介で、庭師の見習いとして「時知らずの庭」で働くことになります。そこは、ほかとは違う植物がたくさん生えていますが、その庭で見たことは秘密にしなくてはいけないという約束がありました。ホップはさまざまな不思議な植物に出会い、植物が起こす事件を解決していきます。 |
如月かずさ 作 柴本翔 絵 | |
偕成社 | |
夏休みの宿題に悪戦苦闘しているシュンは、手伝いを申し出たパペット探偵団の仲間と写生の宿題を仕上げるために近所の山に出かけました。そこで出会ったお兄さんの宝探しを手伝うことになったシュンたちは得意の推理でお宝を発見します。その後、一団は下山途中で白毛でふかふかのなぞの生物に出くわします。その生物はパペット探偵団のホームズにすっかり一目ぼれし、探偵団に仲間入りします。新団員を加えた探偵団はまた新たな事件に関わっていきます。 |
8月
太田大輔 作 | |
講談社 | |
1000年前から東京に住むという「妖怪小僧」が、空から江戸時代のまちの様子を案内します。細かく書き込まれた絵からは、たくさんの人々が行き交う江戸の町の活気が伝わってきます。江戸の特徴的な建物や商人の様子を巻末の解説と照らし合わせながらじっくりと眺めてみましょう。各ページにかくれた「妖怪小僧」を見つける「さがし絵本」としても楽しめます。 |
松橋利光 文・写真 杉田比呂美 イラスト | |
アリス館 | |
現在、日本でジュゴンが飼育されているのは、鳥羽水族館だけです。この本は鳥羽水族館にいるジュゴンのセレナと飼育員の一日の様子を追った写真絵本です。毎朝の健康チェックやごはんの様子、飼育員とのスキンシップがわかります。なかなか見る機会のないジュゴンを間近でじっくり観察した気持ちになれます。 |
9月
くすのきしげのり作 岡田よしたか絵 | |
小学館 | |
ある町に、ジャンケンがめっぽう強いジャンケンの神さまとよばれるおじいさんがいました。先祖より伝わるジャンケンの極意が書かれた巻物で修行を重ね、今まで一度も負けたことがありません。小学生のアイコたちはおじいさんに弟子入りすることになりました。そんな折り、おじいさんと対決するため全米ジャンケンチャンピオンのアンドレ・ザ・ボッチが現れたのですが、なんとおじいさんは入院してしまいます。勝負を託されたアイコはどうなるのでしょうか!?身近なジャンケンをテーマにした楽しい物語です。 |
室井琴調文 ささめやゆき絵 | |
福音館書店 | |
夫に離縁されたお里は、女手ひとつで愛娘のお花を育てながら、貧しいながらも親子仲良く暮らしていました。一方別れた夫の新しい妻のお絹には子どもができず、お花をもらいたいとたくらんでいました。ある時お絹は、病気になったお花の薬代を出すかわりにとお花を連れて行ってしまいます。悲嘆にくれるお里のもとへ母が恋しくなったお花が帰ってきたことから双方で子どもの取り合いの大騒動が起き、奉行所に訴え出ます。名奉行とうたわれた大岡裁きが見事な講談絵本です。 |
小手鞠るい作 土田義晴絵 | |
金の星社 | |
りすの兄妹、ドンくんとグリちゃんはピカピカ光る不思議な種を見つけました。いったいなんの種でしょう。ふたりは調べるために森の図書館へと向かいます。あごひげ館長がおまじないで取り出した本で種について調べるうちに、種にまつわる1つの物語に出会ったのでした。 |
10月
松橋利光文写真 杉田比呂美イラスト | |
アリス館 | |
名古屋港水族館の人気者、シロイルカの生活を紹介した写真絵本です。シロイルカはつめたい氷の海にすむ体がまっ白なイルカで、200種類以上の美しい声を出し「海のカナリア」とも呼ばれています。飼育員と仲良しの5頭のシロイルカたちの無邪気な様子や、朝起きてから夜寝るまでのシロイルカのくらしをきれいな写真や詳しい解説で紹介しています。愛らしいシロイルカたちの姿に癒されます。 |
斉藤洋作 森田みちよ絵 | |
静山社 | |
主人公の“作家”が近所を散策していると、「おじさん」と声をかけてくる美しい少女。この少女がそばにいると、きまって不思議なことがおこるのです。7つの連作短編小説は、とても奇妙なお話ばかり。怖いお話が苦手な方でもつい引き込まれていく、幻想的な物語です。いったいこの美しい少女は何者なのでしょうか。 |
ローズマリー・マカーニー文 西田佳子訳 | |
西村書店 | |
世界には、学校に行きたくても行けない子どもたちがたくさんいます。そして、学校に通えていても、その学校がとても遠かったり、道のない所を通って行かなければならないこともあります。 この本では、世界のいろいろな国の通学の様子が写真で紹介されています。川を歩いて渡ったり、高い崖をのぼって学校に通う地域もあります。大変で危険な通学路でも、なんとかして学校に通いたいという子どもたちの前向きな思いが伝わってきます。
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11月
角野栄子 作 森環 絵 | |
偕成社 | |
おもて通りの時計屋さんが引っ越して、新しく靴屋さんができました。看板には「タスケ靴店 お靴を直したり、作ったりします」と書いてあります。お店のガラス戸に顔をくっつけて、中をのぞき見ていた女の子を、お店の主人であるタスケさんは快く招きいれてくれます。次第に仲良くなっていく二人ですが、戦争による別れが訪れます。 |
宇佐美牧子 作 藤原ヒロコ 絵 | |
ポプラ社 | |
弁当屋をがんばる両親へ、開店記念日に「まぼろしの卵」で作った卵焼きを食べさせることを夏の目標にしたサトシ。養鶏(ようけい)を営むキワさんに評判の卵をゆずってもらえるよう頼みますが簡単にはもらえません。夏休み、打ち込むものが見つからずに、周りから取り残されたように感じていたサトシが、キワさんに心も体も鍛えられて成長する物語です。 |
12月
茂市久美子 作 よしざわけいこ 絵 | |
講談社 | |
バジルは「努力」「根気」「若いときの苦労」を人におくることのできる地味な魔女で、七魔が山(ななまがやま)の東の峰に住んでいます。どうやら、バジルは何か大きな使命をもっていて、知恵の神パラスは試練を与え、教育しようとしているようです。 パラスの「なんじ百年に一度の満月の夜、地上の白い星をつむべし」というお告げのメッセージのもと、バジルはいろいろななぞを解明していきます。少しずつなぞが解き明かされて、今後の話の展開が楽しみな、「魔女バジルシリーズ」の第4弾の物語です。 |
日野多香子 文 | |
佼成出版社 | |
南太平洋にうかぶ島国、パプアニューギニアの衛生状態をよくするため、日本人の若い夫婦は2年半にわたる支援活動をしました。水道も電気も通っていないトイレさえないこの島では感染症で病気になったり亡くなることもあります。二人は村の人たちがより良い生活が営めるような環境を一つひとつ実現していきました。やがて村の人たちは心を開き二人を大好きな友だちと思うようになります。若い夫婦の一生懸命な活動がつづられています。 |
土門トキオ 文 | |
学研プラス | |
この本にはこわくておもしろい落語が10本入っています。いろいろなゆうれいが出てきますが、こわそうだけど、あいきょうがあったりもします。怖い話にどきどきしたところで、予想外なオチが待っていたりと、落語の奥深さを満喫できます。 |
