「世田谷区家庭読書の日」にお届けするおはなし 第60回世界への入り口に!『こっきのえほん』
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- 掲載日2023年2月23日
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世田谷区では、「毎月23日は、世田谷区家庭読書の日」として家庭での読書をすすめています。
毎月23日に図書館職員が子どもの本のことや図書館での楽しい出来事をお届けしています。
第60回 世界への入り口に!『こっきのえほん』
私が幼いころどんな本を読んでいたかを考えてみると、めくって楽しむような図鑑絵本やイソップ童話やグリム童話などもはや古典といえるものばかり読んでおり、あまり日本や外国の作家の定番絵本といえるようなものは触れてこなかったと改めて思い出されます。
そんな幼少期の読書遍歴ですが、夢中になって何度も何度も繰り返し読んでいた絵本があります。『こっきのえほん』というひたすらに1ページに1か国ずつ国旗と国名および首都が載っているだけの絵本があります。(小国は後半に何か国かずつまとめられています)見返しには世界地図が載っており、国旗ごとに番号が振られているので、どこにその国があるのか一目でわかるようになっています。ただし、百科事典のような本ではないので、その国の詳しいデータ(人口や言語・産業など)は一切載っていません。小さい子どもというのはなにに夢中になるのかわからないもので、そんな物語もなにもない本を読むのが好きでした。
当時その本をものすごく読み込んだので、日々のニュースや世界〇〇〇発見!のような番組で国の名前が出ると、親に向かって「この国の国旗はこれで場所はこの辺!」と本を開いて得意げになったのを思い出します。
日本やG7などの大きな国の国旗ばかり見ているとなかなか気が付かないことですが、長方形でない形の国旗があったり、国旗そのものが変わったりすることだってあります。私も小さい頃に絵本で見た国旗と違う!とニュースを見て思ったことがあります。
きっと今の『こっきのえほん』は私が読んでいた頃のものとは変わっている部分もあるはずです。発行されてから何十年の間に国も増えています。世界は日々変わるのです。
世田谷区立図書館には古い版も新しい版もあります。何が変わったのかなど読み比べもできるかもしれません。皆さんもぜひ『こっきのえほん』を読んで世界に思いを馳せてみてください。
『こっきのえほん―アイウエオ順―』戸田やすし企画・編集(戸田デザイン研究室)
『こっきのえほん 完全版』戸田やすし企画・編集・制作(戸田デザイン研究室)
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