「世田谷区家庭読書の日」にお届けするおはなし 第56回 未知の国、未知の楽器『スーホの白い馬』 

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  • 掲載日2022年10月23日
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世田谷区では、「毎月23日は、世田谷区家庭読書の日」として家庭での読書をすすめています。 

 毎月23日に図書館職員が子どもの本のことや図書館での楽しい出来事をお届けしています。

 第56回 未知の国、未知の楽器『スーホの白い馬』

 私が初めて図書館に連れて行ってもらったのは、幼稚園に通っていたくらいの頃でした。当時、何を読んだのかはほとんど忘れてしまいましたが、唯一覚えているのが『スーホの白い馬』という絵本です。

 スーホという少年が生まれたばかりの白い馬に出会い、世話するなかでお互いがかけがえのない存在となっていきます。しかし、ある日、その土地を治める殿様がひらいた競馬大会に出場したことをきっかけに、彼らの間に大きな変化が訪れます。競馬大会の結果や、彼らのその後は、ぜひ絵本を読んでみてください。当時の私が夢中になった、スーホを乗せた白い馬が絵本の中を疾走する躍動感あふれる姿、物語の舞台となるモンゴルという未知の国の世界観を堪能できる1冊です。

 

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『スーホの白い馬-モンゴル民話-(日本傑作絵本シリーズ)』 大塚勇三再話・赤羽末吉画(福音館書店)

絵本を読んだ後日、父親が地元にある大きな牧場に連れて行ってくれました。残念ながら白い馬を見ることができず、半泣きで家に帰ったのは、今ではいい思い出です。

 この絵本の最後に登場する、「ばとうきん」という楽器があります。当時の私は、実物の音色を聞くことができずモヤモヤしていましたが、最近、インターネット上で実際に演奏している動画を見ることができました。馬頭琴(モリンホール)という民族楽器でなんとも不思議な音色でしたが、子どもの頃の不思議がまた一つ解決し大人になったことを実感しました。

 残念ながら未だにモンゴルには行くことができていませんが、いずれ訪れてみたいと思う国の第一候補です。秋といえば行楽シーズン。馬に乗ってというわけにはいきませんが、家族で色々な本の舞台となった場所にお出かけなどはいかがでしょうか。

 

「世田谷区家庭読書の日」にお届けするおはなし第1回~第55回はこちら

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