「世田谷区家庭読書の日」にお届けするおはなし 第8回 おしりとしっぽがかわいい「どろんここぶた」
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- 掲載日2018年10月24日
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世田谷区では、「毎月23日は、世田谷区家庭読書の日」として家庭での読書をすすめています。
毎月23日に、図書館職員が子どもの本のことや図書館での楽しい出来事をお届けしています。
第8回 おしりとしっぽがかわいい「どろんここぶた」
子どもの頃、読み聞かせをしてもらった記憶があまりありません。今はたくさん「おはなし会」があっていいなあと思います。でも、当時(40年ほど前)の我が家にはロングセラーとなっている作品が沢山あり、自分でよく読んでいました。その中で気に入っていた1冊が『どろんここぶた』(アーノルド・ローベル作 岸田衿子訳 文化出版局)です。世田谷区立図書館でも、ブックリスト「たのしいえほんのたび」でおすすめの本として紹介しており、好きな方も多いことと思います。
こぶたのまるまるとしたその姿(特に後ろ姿。おしりとしっぽがかわいい)と豊かな表情が愛らしく、気もちよさそうに本文のとおり「ずずずーっ」とゆーっくりとどろんこの中にしずんでいくところが好きでした。こぶたにとって、至福の時なんでしょうね。どろんこの底はどこまで深いのかなあと思ったり、飼い主のおばさんがどろんこを吸い込んでしまった大きな掃除機とか、家出するこぶたの冒険の旅、セメントに埋まってしまうなんてどうなっちゃうんだろうと思ったりしました。そういった、自分にとっては非日常の世界にワクワクし、魅せられたものです。
ちなみに、『はろるどのふしぎなぼうけん』(クロケット・ジョンソン作 岸田衿子訳 文化出版局)も好きだったので、この出版社のシリーズの、本のサイズや文字の大きさ、装丁も好みだったのかもしれません。訳者も同じ岸田衿子さんなんですね。書いていて気づきました。図書館で働くようになり、これらの本に再会し、良書というのはいつまでも変わらず愛されるのだなあと実感しています。