文字・活字文化の日記念講演会「日本語と妖怪」を開催しました

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  • 掲載日2017年12月7日
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 平成29年11月18日(土曜日)に、文字・活字文化の日記念講演会「日本語と妖怪」を開催しました。

第1部 子ども読書リーダー(子ども司書)による発表

子ども読書リーダーとは、周りの友だちに本のすばらしさを伝え、本との結びつきを手助けする役割を担うリーダーのことです。夏休みに調べ学習やおはなし会の講座を受講し、その後も図書館のおはなし会などで活躍しています。
 まずは、玉川台図書館で活動する小学生から高校生までの4名による発表がありました。寸劇で子ども読書リーダーの役割を紹介し、子ども読書リーダー講座の様子や成果を発表しました。続いて、ミトン人形を使って、おはなし会で行う手遊びを実演しました。会場の観客も一緒に参加し、盛り上がりました。

186_1.jpg(ミトン人形による手遊びの様子)

次に、梅丘図書館で活動する3名の発表がありました。講演会のテーマに沿って、「しりとり」をしながら関連する絵本の読み聞かせや、素話、落語を披露しました。日頃の読み聞かせの経験を発揮したリーダーたちの舞台に参加者からも惜しみない拍手があがりました。

186_2.jpg(しりとりをする様子)

186_3.jpg(すばなしをする様子)

「しりとり」演目

  • きょうごくなつひ→すばなし『やまびと』(柳田国男原作/京極夏彦文/中川学絵)〔汐文社〕
  • こび→すばなし『一寸法師』
  • とう→読み聞かせ『とうふこぞう』(京極夏彦作/石黒亜矢子絵)〔岩崎書店〕
  • ふた→読み聞かせ『ざしきわらし』(柳田国男原作/京極夏彦文/町田尚子絵)〔汐文社〕
  • →五味太郎作の絵本『きんぎょがにげた』〔福音館書店〕を紹介
  • みかん→落語「千両みかん」

子どもたちは、この日のために何度も練習を重ねてきました。リーダーたちの熱意が伝わり、参加者アンケートでも、「子どもたちの一生懸命さに感動しました」「子ども読書リーダーの存在を初めて知ったので、子どもが対象年齢になったら講座を勧めてみたいと思います」等の感想をいただきました。これからも、活動している子ども読書リーダーを見かけたら応援してください。

第2部 京極夏彦さん講演「日本語と妖怪」

京極夏彦さんは、小説家として日本語文化に大変精通され、また妖怪研究家としても知られています。専門家の立場から、日本語は元々柔軟性を持っていることを特性としてあげられ、時代の変化とともに、民意を得て自然に変化してきたことを、豊富な例を交えながらお話がありました。また、実は妖怪も日本語と全く同じ柔軟性をもち、かつて様々に伝承されていた不思議な現象が、語りつがれていくに従って、また分類される過程で、民意を得て大衆化したキャラクターであり、「日本語」も「妖怪」もどちらもゆるやかに歴史に対応しながら変化してきたものであるという共通性を語っていただきました。「日本語と妖怪」という意外性のある演題を見事に結びつけた大変興味をそそられるお話でした。日本語の歴史を知ることは、すなわち日本の歴史を知ることであり、それに一番接することができるのが本であるという締めくくりに、改めて本の持つ魅力に触れることができました。京極夏彦さんのユーモアたっぷりの語り口に会場からは始終なごやかな笑いが起こり、お子さんから大人まで引き込まれた講演でした。

186_4.jpg(やさしく語りかける京極夏彦さん)

アンケートからは、「日本語の文化に絡めた妖怪のお話を聞けてよかった」「日本語の変化についてわかりやすく、楽しいお話を聞けてよかった」などの感想をいただきました。当日は、約250人の方にお越しいただき、盛況の中終了しました。京極夏彦さんに書いていただいたサイン色紙を、中央図書館1階に飾る予定です。立ち寄った際には、ぜひ見てください。

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